2022年9月21日水曜日

アントニオ・レジェス&ダニ・デ・モロン


 アントニオ・レジェスとダニ・デ・モロンのコンサートはカルトゥハ・センターで。切符売り切れだったそうだけど前方、一列空いていたのは謎。

カンテとギター、パルマだけのクラシックなカンテのリサイタル。昔と違うのは、ギターが伴奏というバックアップアーティスト的というよりも、もっとずっと光が当たっているところ。ファルセータもたっぷり聴かせるし、実際、ソロも2曲演奏。


©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro


いやこの公演は当初予定されていた、ロペ・デ・ベガ劇場で聴きたかったなあ。

レバンテに続いて歌ったカンティーニャスが最高だった。カディス県チクラナの出身だから、いわばご当地ソングだということもあるのかなあ、伸び伸びとして温かで大きな広がりが感じられる海のようなアレグリアス。アントニオはカマロンとアントニオ・マイレーナを混ぜた感じという印象があったんだけど、もう自分の歌いっぷりを確立してるなあ。とてもいい。音程の良さは特筆もの。パコ・デ・ルシアがカマロンを評していっていた「カマロンは音の真ん中を捉える」に近い感じというか。聞いていて気持ちがいい。ダニの伴奏はリズムをキープして引っ張っていく感じなので、歌を待つディエゴ・デ・モラオが伴奏する時のような、歌がゆっくり長くならないので聴きやすい。ティエント/タンゴ、タンゴになってからのダニのファルセータがちょっと悲しげなやつでそれに引っ張られてまたテンポがティエントくらいゆっくりになりそうだったのもちゃんと戻ったよ。



で、ダニのソロが2曲。今年、フランス、ニームのフェスティバルでギター一本でのリサイタルやって好評だったようだけど、うん、よきよき。ブレリアとファルーカ。オリジナリティがある。中にアンダルシア州歌のモチーフが入ったりするのも嫌いじゃない。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

アントニオが帰ってきてラ・レジェンダ・デル・ティエンポはカマロンではなくエンリケ・モレンテのバージョンを立って歌う。これもすごく良かった。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro


©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

そしてソレア、シギリージャ。



フラメンコの王道もバシッと決めて、最後はブレリア、そしてアンコールでファンダンゴ。

なんの気を衒うこともない、まっすぐなフラメンコ。かえってそれが新鮮。

欲を言わせてもらえれば、動きがないリサイタルだからこそ、照明もう少し工夫がほしかった。アントニオが黒い衣装のせいか、ダニよりもパルメーロたちよりも暗く見えちゃう。先日のイスラエル・フェルナンデスのは、写真で見ただけだけど、非常に工夫がされていて美しかったよ。ホセ・バレンシアやダビ・ラゴスのように意欲的な試みで作品を作るのもいいけれどアントニオのように、昔ながらのフラメンコと真摯に向かい合うリサイタルもいいけど、照明などでみせる工夫もしてくれるともっと良かったと思ったことでありました。






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