2022年9月29日木曜日

マヌエラ・カラスコ『マヌエラ』

登場しただけで拍手が起きる、そこにいるだけで拍手がおきる。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro


マヌエラ・カラスコはフラメンコの人間国宝的存在。そこにいるだけですごい存在感だし、60代後半でもバリバリ現役でたっぷり絶品サパテアードを聴かせてくれる、のであります。そこにいるだけで本当に尊い、という存在。

だけど、だからこそ、彼女にふさわしいちゃんとした舞台に、作品にしてほしい、というのが今日の一番の感想。音響は酷すぎた。ハウリングするわ、歌はよく聞こえないわ、歌とギターと靴音、パーカッションのバランスは取れてないわ、と、もうここ数年で最低の音響。バイオリンもギターもチューニングがおかしいんじゃないですか、って感じ。照明はシンプル。でももっと工夫できたようにも思う。

 オープニング。マントンを纏っただ一人現れ、踊りはじめる。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

やがてバックが加わる。ブレリア。マヌえらといえば、の長年彼女の伴唱しているエストレメーニョに、ヘスス・メンデスとアントニオ・レジェスという、現在フェスティバルなどで活躍している二人が参加し、より強力に。

3人がファンダンゴを歌い継ぎ、

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

アントニオのカンテソロでティエント。伴奏はぺぺ・デ・モラオ。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

お次はヘスス・メンデスが歌うカーニャを踊流。まとってたマントンはさっさと捨てて踊るし、歌の順番はあっちゃこっちゃだし、だけど、最後、引っ込む前にヘススと寄り添って去ったいくちょい前に見せた、ピラール・ロペスのカーニャ(全てのカーニャの踊りのベース)みたいなポーズと表情におお,ってなる。ヘススは背が高いし美男なのでバランスがいいね。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

ヘススのソロでサンブラがあって、エストレメーニョのソロはベルディアーレス。

そしてアントニオがマヌエラにシギリージャを歌う。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

なぜか歌い手とパルメーロ全員とぺぺ・デ・モラオが白いジャケットに着替えてのソレア・ポル・ブレリア。白いジャケットが結婚式のウエイターさんにしか見えんぜ。意味不明。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

そして最後は極付のソレア。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro


©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

昔に比べると足の最初の一音の鋭さが少し弱くなったりはあるものの、女王健在。

いやあこれがあればなにもいらないってくらいすごい。

だけどだからこそ、ラファエラの作品のようなクオリティーの音響照明構成があればさぞかしとおもったことでした。

大昔の踊り、カンテソロ、踊りというシンプルな構成の舞台から進化したのかどうなのか。

何はともあれマヌエラはマヌエラ。

必ず一度は観てほしい。




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