2020年9月22日火曜日

ペドロ・エル・グラナイーノ『マエストロス』

 グラナダ生まれ。18歳でセビージャに移り住んだけど、歌い手として注目を浴びたのは2007年、ファルーコ一家の伴唱をするようになってから。2011年ヘレスのフェスティバルでファルーカの『オメナヘ・ア・ロス・グランデス』で認められ、翌年同フェスティバルでソロリサタイルを開き、その勢いでビエナルにも出演。以後、ビセンテ・アミーゴのアルバムに参加するなど、順調にキャリアを積んでいます。

その彼の、前回ビエナルに続いての、ロペ・デ ・ベガ劇場でのリサイタル。

Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro

幕開きはシギリージャ。エンリケ・モレンテが映画『フラメンコ』でカニサーレスの伴奏で歌っていた、あの独特のメロディのシギリージャです。もともとはビエナルの『ア・オスクーラス』と言う公演で歌ったもので、当時は、「え、これがシギリージャ? あ、本当だ、シギリージャだ」と思ったもので、感動して必死で説明しても某歌い手に鼻で笑われた覚えが。超モダンなシギリージャだったのが、ペドロが歌うと、スタンダードなシギリージャに聞こえてしまうのが面白い。時代が変わった?いや歌い手の声のせい? でもなんか伴奏がイマイチだなあ。

アレグリアス、ソレア・アポラ、マラゲーニャと聴いているうちに、思った。歌がいいと思っても、ギターがダメだと魅力半減。楽しめない。


Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro


ペテネラ、タランタ、ソレア、そしてシギリージャ。今回はモレンテ、フォスフォリート、チョコラーテと言う3人の先達を歌う試みで、よく勉強しているのはわかります。だけど、なのであります。ペテネラとタランタはフォスフォリートかな。ソレアとシギリージャはチョコラテ?

Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro

結局ずっと、そればっか思ってた。もし昨日のアルフレド・ラゴスだったら。ディエゴ・デル・モラオだったら。マノロ・フランコだったら。ミゲル・アンヘル・コルテスだったら。ミゲル・オチャンドだったら。などなど。

なんて言うか、すごく後ろに下がっているギターで、歌に参加してこない。ツボを押してこない感じ。でも最後の挨拶の時、拍手してる人いっぱいいたから単に好みの問題なのかもだけど。

娘が加わったタンゴは再び、モレンテ節。ハレオ風に歌うモレンテのブレリア。音程いいし、うまいんだけどね。この伴奏だとなあ。娘さんも音程いいけど甲高い感じでちょい苦手。

Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro

最後、ミュージシャンが挨拶の後、2階のバルコニーから歌いかけたサエタがよかった。ギターないから、か? 

Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro

他のギタリストで聴いてみたい歌い手ナンバーワンであります。

Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro

でも本人が心地よいギターを弾いているのかもしれず、それなら余計なお世話なんだろうけど。

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