いやーすごかった。事前に名前の告知のなかったゲストアーティストも豪華で脱帽。また作品としてもよく考えて作ってあるから、多分、ゲスト無しでも十分成立するし、プロデューサーとしても敏腕。
幕あきは昔舞踊団のように白いシャツ、黒いパンタロンにベストという姿の4人の歌い手たちがギタリスト、フランシスコ・ビヌエサとともに並び、紫のバタ・デ・コーラ、ピンクの薄手のマントンで。リニャンのバタはもう彼のアイデンティティだと思うけど、その扱いは伝統的な”アルテ”で見せる形ではなく、男性らしい力技で、スポーツのようだといつも思う。特にマントン、新体操のリボンとか、ああいう感じ。より早くより派手に、というか。バタにしてもマティルデのような女性的な優美さの扱いではなく、力強く足もグッと開き、大股でいく感じ。多くの若手も男女関係なくバタとマントンを使うようになったことは悪いこととはおもわないけれど、女性がこういう早技をするのは私はあまり好きじゃない。あと、せっかく男性の力があるのだから、もう少し刺繍もフレコも豪華なマントンでもできるんじゃないかな、そっちがみたいな、と思ったことでした。
| Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León |
リニャンスタイルのバタマントンは伝統のバタマントンとは別物ですな。
ミゲル・アンヘル・エレディアがパレハ・オブレゴンのセビジャーナスを歌い上げ、
女性の装い、ただしかつらを取ったリニャンがアバニコでのグアヒーラ。
歌で登場したのはなんとミゲル・ポベーダ!で客席から歓声が上がる。いやいやほんとに、それはそれは素晴らしい歌いっぷりでございました。2年ぶりくらいかな。最近のロルカやコプラなど企画ものを歌うことが多かったけど、こういうどストレートなフラメンコがもうほんと、やっぱ実力ナンバーワンというか、見事というしかない完璧な歌いっぷり。昔、パコ・デ・ルシアがカマロンの音程の良さについて、音程があっているとかじゃなく、その音の真ん中を射抜いていくということを言っていたのを思い出すくらい完璧。もう聞き惚れてしまい踊りに目がいかない。
| Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León |
いやいやこちらの振り付けはそのまま全部だと大変だしちょっとうるさいかもだけど、色んなアイデア、借りてみんな使えるんじゃないかな、って思うような感じ。すごいね、この人。
ギターソロの後はタンゴ。ゲストで登場のラファエル・カンパージョの、セビージャらしい粋、トリアーならしいグラシア溢れたタンゴとズボンの上に巻くスカートつけたリニャンのグラナダらしい単語の対比が面白い。カンパージョの見せるほんの小さな動きにまでアルテが溢れていて悶絶。
ファンダンゴのカンテソロがあって、ブレリア・ロマンサーダはフアン・カンパージョもギターで加わり、パルマでフアン・トマス・デ・モリアらも加わり、ダイナミックに見せたかと思うと、9人の稽古着姿の踊り手たちが登場し、マリオ・マジャの作品『カメラモス・ナケラール』を。名作は何年たっても名作。
そこから白いパンタロンにベストという衣装で、リニャンがマリオのアレグリアスを!
マリオらしいパソがたくさん出てきてうなる。そうだよね、彼の世代は故郷の先輩で英雄、マリオに憧れたはず。白い衣装はちょっと太って見えたので黒い方が良かったかなとは思うけど。とにかくマリオへの敬意に感謝。
最後はトマシート登場。ラップのように、男でも女でも女装でも踊る自由を歌い上げ幕。
2時間近くの公演だったけど満足満足。
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