2023年7月15日土曜日

2024年ヘレスのフェスティバル クルシージョ発表

来年のヘレスのフェスティバル、クルシージョ詳細が発表されました。

値段据え置きです。申し込みは9月5日スペイン時間9時からなのでたっぷり悩んで決めましょう。 


ラトーレのクラスの最終日公演後の記念写真


2024年 第28回ヘレスのフェスティバルのクルシージョ

▽舞踊クルソ

224(土)〜31(金)

930分〜1120

[教]〈b〉フェルナンド・ヒメネス

[内容]入門1;ヘレスのブレリア入門

 

930分〜1150

[教]〈b〉マリア・ホセ・フランコ

[内容]基礎;『マントンのバンベーラの技術』

[教]〈bフアン・アントニオ・テヘロ

[内容]基礎;『シギリージャの舞踊の技術』

[教]〈b〉メルセデス・ルイス

[内容]中級;『タンゴ・デ・マラガの技術とスタイル』

[教]〈b〉ラファエラ・カラスコ

[内容]中級;『アバニコのカラコーレスの技術とスタイル』

[教]〈b〉アンドレス・ペーニャ

[内容]中級;『ブレリアスの舞踊の技術とスタイル』

 

1230分〜1420

[教]〈b〉フェルナンド・ヒメネス

[内容]入門2;『ヘレスのブレリア入門』

 

1230分〜1450

[教]〈b〉マリア・ホセ・フランコ

[内容]基礎;『マントンのカラコーレスの技術』

[教]〈­b〉インマクラーダ・アギラール

[内容]基礎;『ブレリアス・ポル・ソレアの舞踊の技術』

[教]〈b〉ラファエラ・カラスコ

[内容]基礎;『ファルーカの舞踊の技術』

[教]〈b〉アンドレス・ペーニャ

[内容]中級;『タラントスの舞踊の技術とスタイル』

[教]〈b〉エドゥアルド・ゲレロ

[内容]中級『カーニャの舞踊の技術とスタイル』

[教]〈b〉オルガ・ペリセ

[内容]中級;『ソレア・ポル・ブレリアスの技術とスタイル』

 

1530分〜1720

[教]〈b〉イレネ・カラスコ

[内容]入門2;『アレグリアスの舞踊の技術』

 

1530分〜1750

[教]〈b〉イバン・バルガス

[内容]基礎;『グラナダのタンゴスの技術』

[教]〈b〉ピラール・オガージャ

[内容]基礎;『バタ・デ・コーラのソレアの技術』

[教]〈b〉マルコ・フローレス

[内容]中級;『カンティーニャスの舞踊の技術とスタイル』

[教]〈b〉コンチャ・ハレーニョ

[内容]中級;『アバニコのグアヒーラの技術とスタイル』

[教]〈b〉ハビエル・ラトーレ

[内容]中級 ;『ペテネーラの技術とスタイル』

 

33(日)〜9(土)

930分〜1120

[教]〈b〉アルムデナ・セラーノ

[内容]入門1;『アレグリアスの舞踊入門』

 

930分〜1150

[教]〈b〉アンヘル・ムニョス

[内容]基礎;『タンゴスの舞踊の技術』

[教]〈b〉ロシオ・コラル

[内容]基礎:『バタ・デ・コーラの技術。アバニコのカラコーレス』

[教]〈b〉マヌエラ・カルピオ

[内容]基礎;『アレグリアスの舞踊の技術』

[教]〈b〉ラ・モネータ

[内容]中級;『タラントスの舞踊の技術とスタイル』

[教]〈b〉アントニオ・エル・ピパ

[内容]中級;『ブレリアスの舞踊の技術とスタイル』

 

1230分〜1420

[教]〈b〉カルメン・エレーラ

[内容]入門2:『タンゴスの舞踊入門』

 

1230分〜1450

[教]〈b〉アンヘル・ムニョス

[内容]基礎;『ロマンセの舞踊の技術』

[教]〈b〉マヌエル・ベタンソス

[内容]基礎;『ファンダンゴのアイレのブレリア・ポル・ソレアの技術』

[教]〈b〉アナ・モラーレス

[内容]中級;『技術と動きの自覚。シギリージャ』

[教]〈b〉マヌエル・リニャン

[内容]中級;『アレグリアスの舞踊の技術とスタイル』

[教]〈b〉マリア・デル・マル・モレーノ

[内容]中級;『ソレアの舞踊の技術とスタイル』

 

1530分〜1720

[教]〈b〉ソラジャ・クラビホ

[内容]入門2;『ブレリアスの舞踊入門』

 

1530分〜1750

[教]〈b〉アリシア・マルケス

[内容]基礎;『ガロティンの舞踊の技術』

[教]〈b〉マリア・ホセ・レオン・ソト

[内容]基礎;『ファンダンゴスの舞踊の技術とスタイル』

[教]〈b〉マヌエル・ベタンソス

[内容]中級;『ソロンゴの技術とスタイル』

[教]〈b〉レオノール・レアル

[内容]中級;ファルーカの舞踊の技術とスタイル』

[教]〈b〉ハビエル・ラトーレ

[内容]向上;『カラコーレスの舞踊のスタイルと振付』

 

 

集中クラス

32(土)

11時〜1330分、15時〜1730

[教]〈b〉ソラジャ・クラビホ

[内容]『ヘレスのブレリアス』

[教]〈b〉アゲダ・サアベドラ

[内容]『ソレア・ポル・ブレリアス』

[教]〈b〉メルセデス・デ・コルドバ

[内容]『タラントスの舞踊

[教]〈b〉マルコ・フローレス

[内容]『シギリージャの舞踊』

[教]〈b〉マヌエル・リニャン

[内容]中級;『タンゴスの舞踊』

 

 

コンパスとパルマス、カスタネットのアトリエ

226(月)〜31(金)

12時〜1330

[教]〈palmas〉ダビ ・モラン“エル・ガンバ”

[内容]フラメンコのコンパスとパルマのアトリエ

1345分〜1515

[教]〈palmas〉ダビ ・モラン“エル・ガンバ”

[内容]フラメンコのコンパスとパルマのアトリエ

 

 

34(月)〜8(金)

12時〜1330

[教]〈g

[内容]ヘレスのトーケ

[教]〈カスタネット〉ガラ・ビバンコス

[内容]フラメンコのカスタネットの技術と構成

 

 


 

一般クラス共通インフォメーション

▽ レベル

・1イニシアシオン(入門)1初心者。フラメンコの素養がほとんどない初心者 

・2イニシアシオン(入門)2;フラメンコの素養があるもの

・3バシコ(基礎):受講する曲種についての基礎的な知識とフラメンコ舞踊の経験をもつ (スペイン国外でのクラスの中級程度)

・4メディオ(中級):テクニックと受講する曲種について知識双方において高いレベルにあ、その曲種の技術と振り付けを向上させようとす(スペイン国外でのクラスでの上級程度)

以下のレベルはじゅうぶんなテクニックを持った上級者のみ参加可能。

・5ペルフェクショナミエント(向上):プロフェッショナル・レベル。振付とその様式での表現を深める。このレベルのためには十分な技術レベルが必要。 

※スペインのレベルは国外のレベルよりも高い。レベルについての疑問はフェスティバルに問い合わせること。cursosfestivaldejerez@teatrovillamarta.es

 

▽クラスの所要時間

・イニシアシオン(入門);7日間計12時間(1日1時間50分、5分の休憩含む)

・バシコ(基礎)、メディオ(中級)、ペルフェクショナミエント(向上);7日間計15時間(1日2時間20分、10分の休憩含む)

▽定員 25

ハビエル・ラトーレの振り付けクラスのみ20

▽受講料

・イニシアシオン(入門);330ユーロ 

・バシコ(基礎)、メディオ(中級)、ペルフェクショナミエント(向上);370ユーロ

       割引;同じ週に2つ以上の7日間のクラスを受講の場合、同時に申し込めば金額の低い方のクラスが25パーセント引き。同時に申し込んだ場合は自動で行われる。後から申し込む場合は申し込みの前にcursosfestivaldejerez@teatrovillamarta.esまでメールで割引クーポンを申請のこと。

※ 受講料には7日間のクルシージョ受講期間中のビジャマルタ劇場公演6回の入場券が含まれる。

・ハビエル・ラトーレの振り付けとテクニックのクラスでは最終日に期間中に振り付けたものを公演する。この公演は観客が入って行われるもので、生徒のうち希望者が出演できる。

 

集中クラスのインフォメーション

・定員25

・受講料130ユーロ

・受講する1日(3/2)のビジャマルタ劇場での入場券が含まれる。

 

コンパスとパルマス、カスタネットのアトリエ

 5日間で計7時間30分※毎日1時間30

・定員20

・受講料120ユーロ(パルマ、カスタネット)、ギターは150ユーロ

 

申し込み

・申し込みは希望詳細を送り、支払いも済ませて後、公式なものとなる。

・申し込みはフェスティバルの公式ウエブ、www.festivaldejerez.esより行う。

申し込み受付は95日スペイン時間朝9時に開始。それ以前に申し込まれたものは無効。

・申し込み受付は到着順に行われる。

支払い

・支払いはユーロでクレジットカードまたはBIZUM(スペインの銀行に口座がある人のみ可能)により行われる。

・使用可能カードはVISA, MASTER,JCBEURO6000(スペインのカード)、 MAESTROVPAYヨーロッパのVISAデビットカード) JCBUNION PAY銀聯国際

・16桁の番号と有効期限、セキュリティコードが必要。

 

・支払い後のキャンセル、返金は不可。ただし、以下の場合は返金可能。

Covid19再燃のため、スペイン政府が国境閉鎖もしくはスペイン行きの航空便がキャンセルされた場合。

Covid19再燃で、参加者が住んでいる国の政府がスペインへの渡航を推奨しない、もしくは禁止した場合。

・住んでいる国で、スペインからの帰国の際、隔離期間が必要になった場合。

以上3つの場合はフェスティバルもしくはクラスの開始前に連絡すること。

・参加予定のクラスがキャンセルになった場合

 

なおフェスティバルはいかなる代理店とも契約を結んでいないので、直接の申し込み以外のものの責任はフェスティバル事務局にない。

 

 

▽公演チケット

クルシージョ受講期間中のビジャマルタ劇場公演の入場券6枚はは講習料金に含まれる。受講生は劇場入り口で入場証を見せなくてはならない。

 

▽修了証と受講生のサポート

・主催者は何時間のクラスを受講したかを記した修了証を発行する。

・すべてのクラスはスペイン語で行われる。

・ 全てのクラスに歌い手とギタリストをつけられるようにしているが、クラスをどのようにオーガナイズしクラスをすすめるかは講師次第。歌い手、ギタリストの有無はフェスティバル事務局に問い合わせ可能。

・ クラスの場所は変更の可能性あり。

 

フェスティバル事務局

festivaldejerez@teatrovillamarta.es

電話 スペイン34 956149685

 

劇場入場券売り場

taquilla@teatrovillamarta.es

電話 スペイン34 956149686

 

[問]https://www.festivaldejerez.es/cursos/





 

ロルカとグラナダ、今年はアンドレス・マリン

 夜、アルハンブラはヘネラリフェ庭園の中にある野外劇場でフラメンコが楽しめるフラメンコ公演ロルカとグラナダ。

今年の主役はアンドレス・マリン。6月にマラガで初演したピカソをテーマにした作品だそう。

演出で故カルロス・サウラの息子でやはり映画監督のカルロス・サウラ・メドラノ(写真左)が加わっているそう。

©︎Lucía Rivas
ゲストも豪華。特に初日がすごいよ。売り切れ必至



◇第22回ロルカ・イ・グラナダ『ピカソ・イ・ラ・ダンサ。うん、エンクエントロ・ロルカ・エン・グラナダ』

82(水)〜26(土)22

[出]〈b〉アンドレス・マリン、ゲスト〈b〉ファルキート(2)、ロシオ・モリーナ(25)、アナ・モラーレス(1012)、アントニオ・カナーレス(1719)マヌエラ・カラスコ(2426) ゲスト〈c〉イスラエル・フェルナンデス(2)、マヌエル・ロンボ(1012)、トレメンディータ(21719

[場]グラナダ アルハンブラ内ヘネラリフェ劇場

[問]https://www.juntadeandalucia.es/cultura/lorcaygranada/

前売りhttps://lorcaygranada.sacatuentrada.es

2023年7月11日火曜日

カディスのフラメンコ公演シリーズ『フラメンカディ』

 カディスでもフラメンコ公演シリーズが開催されますよ〜。



◇フラメンカディ

720(木)22時『コントラステス』

[出]〈c〉カプージョ、〈g〉ラモン・トルヒージョ、〈palmas〉ホセ・ルビチ、ヘスス・フローレス、〈カホン〉エル・トリパ、〈c〉エル・トゥリー、〈g〉フェルミン・フェルナンデス、〈palmas〉ホセ・マヌエル・オルーコ、フアン・デ・オルーコ、ゲスト〈c〉フェリぺ・スカプチーニ、〈b〉ぺピン・ムニョス、パキ・サンチェス

83(木)22時『フラメンコス・デ・サル』

[出]〈c〉ホセ・アニージョ、マヌエル・ガーゴ、〈g〉オスカル・ラゴ、フアン・アントニオ・ゴメス、〈b〉エル・フンコ、フアン・オガージャ 〈c〉エミリオ・フロリド、マリア・ホセ・フェルナンデス、レジェス・マルティン、ゲスト

810(木)22時『インティモ』

[出]〈b〉ファルキート、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈perc〉パコ・ベガ、〈c〉マリ・ビサラガ、エセキエル・モントージャ、イスマエル・デ・ラ・ロサ

824(木)22時『アウテンティカス』

[出]〈c〉アウロラ・バルガス、伴奏〈g〉ミゲル・サラド、〈palmas〉チチャリート、ラファ・コルテス、〈c〉ラ・ファビ、伴奏〈g〉クーロ・カラスコ、〈palmas〉サンブージョ、フアン・グランデ

[場]カディス バルアルテ・デ・ラ・カンデラリア

[料]2225ユーロ

[問]http://www.flamencad.com

前売り https://cadizentradas.com/es/events/flamencad-contrastes

2023年7月9日日曜日

ラ・ウニオンのコンクール

ラ・ウニオンのフェスティバル/コンクールが今年も開催されます。

入場券も発売中。

https://entradas.correos.es/entradas?FilterSearchForm%5Bsearch%5D=Cante+minas

セビージャからだとバスでカルタヘーナまで行ってそこから狭軌鉄道かバス。遠いです。

毎年やってくるバルセロナのペーニャのおじいちゃんとかと会えるのは楽しかったけど、もうずいぶん行ってない。



 62回カンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル

83(木)〜12(土)

83(木)23

[出]〈c〉グアディアナ、〈piano〉ペドロ・オヘスト

85(土)23

[出]〈c〉マリナ・エレディア

86(日)23

[出]『イ・トゥ』〈b〉ポリート、『フラメンコの40年』〈c〉カルメン・リナーレス

87(月)23時『ライブ』

[出]〈b〉ロス・ビバンコス

88(火)23

[出]〈c〉エストレージャ・モレンテ

89(水)〜11(金)22

コンクール準決勝

812(土)22

コンクール決勝

[場]ムルシア州ラ・ウニオン カンテの殿堂

[問]https://festivalcantedelasminas.org



ダビ・コリア『ロス・バイレス・ロバーダス』

©︎Lolo Vasco Festival de Italica

  タイトルは盗まれた踊り。16世紀の踊り続ける流行病の話(Wikipedia)にインスパイアされたとのことで、自分の意思とは関係なくただただ踊り続けるというそのイメージは十分に伝わってきたし、フラメンコの踊り手たちが、ダンスのための身体能力、表現、舞踊全般のテクニックをしっかり身につけているというのもよくわかる。

クラシックバレエの技術を前提としたコンテンポラリーダンスのことをネオ・クラシコとスペインでよんでいる(日本ではネオ・クラシックというのかな)のだけど、これはフラメンコ/スペイン舞踊の技術を前提としたコンテンポラリーダンスなのでネオ・フラメンコとでも呼ぶべきではないか、と思ったりしたことでありました。
こういうくくりがいいか悪いかは別として、ロシオ・モリーナやイスラエル・ガルバンの作品にはそういう感じのものありますよね。ストレートなフラメンコ曲を曲として踊らないもの、もしくは音楽としてフラメンコが出てきてもそれを部分的にのみフラメンコの技術で踊るもの、またフラメンコを音楽としては出てきてもフラメンコの技術ではなく踊るもの、とか、増えていますよね。ロシオ・モリーナの『カルナシオン』のようにアーティスト自身もこれはフラメンコじゃない、ということもあるし、イスラエルやロシオがフラメンコではなくダンスの公演シリーズとして上演されたりも。

イスラエルやロシオはフラメンコをベースとした舞踊家という感じで舞踊として舞台芸術として評価されていると思うけれど、フラメンコは彼らにとっても、他と一線を画す、確かな個性として評価されているのだと思います。たとえ、フラメンコ・ファンがフラメンコじゃない、という舞台だったとしても。

今回のダビの舞台は今年ヘレスで見たワークインプログレスがベースになっているような感じで、幕開きの手を組んで輪になったりする群舞をはじめ、あ、これあったな、と思うような動き/場面が多くあったのだけど、進化して、より充実したかというとどうだろう。同じモチーフの繰り返しみたいなものが多く、間延びしてかえって変化が乏しくなったような気もします。起承転結みたいな流れやドラマも見えてこないし(それが必ずなくてはいけないということではないですよ、もちろん。でもそういうのがあってもいい)、ヘレスの時のような凝縮された感じもない。野外の、開かれた劇場で、客席と舞台が遠いと言うのもあるのかもだけど。
また、ダビ・ラゴスのムイ・フラメンコな声が、歌があるのに、歌を踊らず、BGMもしくは効果みたいにしている感じがしてもったい無い。ずっとフラメンコを踊ってきているから飽きるとかもあるのかなあ、フラメンコじゃない曲で踊りたい、フラメンコ曲でも違ったアプローチがしたい、違う自分を見つけたい、ってことなのかなあ。でも、機械音よりもヘレスで聞いたラゴスが奏でるパーカッションのような自然音の方がいいし、もっとフラメンコを大切に、効果的に使った方がよりよくなるんじゃないかなあ、と思ったことでした。
私にとっては盗まれたのはフラメンコ舞踊だったような。バイレが盗まれダンサが残った、と言うか。

作品としての仕上がり、というか、外見はいいのだけど中身にもう一つ何かアピールしてくるものが欲しかったかなあ。踊り自体はすごいんだよ。アンサンブルもいい。でもその先というかその奥というか、が見たい。それを通じて何かを伝えてほしい。昔々、踊り続ける疫病がありました、それで終り、というんじゃなくて。まあ、個人の感想ですが。っていつもそうだね。
ダビを好きだからこそ、もっと彼の魅力が見えるような舞台にしてほしい、と言うわがままな願いでございます。





2023年7月7日金曜日

サラ・カレーロ『フィニトゥ』

 イタリカのフェスティバルに再び参戦してサラ・カレーロの作品。昨年秋マドリードで初演、今年のヘレスでも上演されている『フィニトゥ』。有限という意味だけど、テーマは死。死があることで人生は有限、という意味なのでしょう。

舞台いっぱいのガウンに包まれたサラが布の中から頭蓋骨を出し踊るオープニングから、骸骨が描かれた衣装でのタンギージョまで、舞踊も音楽も盛りだくさん。バックの衝立には頭蓋ことや骸骨、はか、ベースはフラメンコなのだけど、クラシックや民族音楽も。

サラは踊る踊る。最初のはコンテンポラリーぽい感じなんだけど、カスタネットでシギリージャ、カーニバルのイメージでの民族音楽(箱を叩いているのはベーシストのフアンフェ・ペレス)

©︎LoloVasco Festival de Italica
バタでのカンティーニャ…

©︎LoloVasco Festival de Italica

めちゃテクニックある人で、バタの扱いも上手。回転も完璧。とにかく上手い。舌を巻くほど。それだけでも見る価値はあります。エレキベースとギターの音楽も、ヘマもいい。以前、小島ラトーレ公演でお仕事したこともあり、上手なのは知ってたけど、華奢で小柄な人で可憐なイメージだったのだけど、なかなかの強さもあって新たな魅力新発見。小柄で華奢なのに、タンゴの腰使いするときにはそれなりにボリューミーに見えるとか、どういう技なんだろう。すごいなあ。

ヘマ、モーツアルトのレクイエムのラクリモーサを歌ったのだけど、それも良かったけど、シギリージャ、ポロやマラゲーニャ、ミロンガからのカンティーニャなども良き。思わずオレの瞬間もありました。

ハビエル・コンデはソロでマノロ・サンルーカルの名盤『タウロマヒア』の『オラシオン』も感動的で涙滲むほどだったし。クラシック風の演奏も伴奏もきちんとしている。

フアンフェはエレキベースにエフェクトかけるなどもしてオーケストラ的なことまでやっている印象。弦二人のバランスも面白い。

©︎LoloVasco Festival de Italica

少人数でもそれぞれに見せ場もあり、盛りだくさんな作品でお腹いっぱい。

欲を言えば、場面と場面の間にちょびっとできてしまうエアポケットみたいな時間が勿体無い。ギターチューニングの関係とかもあるのかな、でも、そういうので流れが止まってしまう感じはすごく残念。

ビデオ、照明、衣装、構成などよく考えられているだけにもったいない。

いいアーティストが集まればいい作品、って簡単にはいかないところが難しいし面白いのだな、と。






2023年7月1日土曜日

フェルナンド・ロメロ『エストレジャス・エレクトリカス・アプラスタダス・ポル・エル・タコン』

 


セビージャ市内にはなるのだけど南端、隣町ドス・エルマナスべジャビスタとの町境にあるコルティホ・デル・クアルトは昔の荘園。その後、演劇学校などとしても使われていたそうな。

その中庭に舞台を作り仮設の階段状の客席が120。イタリカ・フェスティバルのために作られた。昨年のアルカラ城跡よりはずっとこじんまりしているけれど、雰囲気はいいし、より閉じた空間になっていて舞台は見やすいかも。

フェルナンド・ロメロ、2011年、フラメンコダンサーとして史上初のブノワ賞(バレエ界のアカデミー賞的存在)受賞(2021年にはヘスス・カルモナも受賞)。クリスティーナ・オヨスやマリア・パヘスの舞踊団やアンダルシア舞踊団で活躍し、スペイン国立バレエ団ではホセ・アントニオ芸術監督のもと助監督をも務めた実力派。この作品でも振り付けで彼と名前が並んでいるマヌエラ・ノガレスはコンテンポラリーの舞踊家で、その影響もあるのだろうか、近年の作品はコンテンポラリー的な要素が強く感じられるものが多く、今回の作品も、フラメンコと思ってきたら、あれ、ってなるかもしれません。フラメンコ曲も登場はするしサパテアードをしたりもするのだけれど、 もっと自由。ピアノとマリンバを含むパーカッションで奏でられるサティがフラメンコ曲へと繋がったり、作品の主題であるピカソの詩、言葉を語る俳優はそれだけでなく自分の言葉でアーティストは食べられないと漫談をしたりフェルナンドと踊ったり。 フェルナンドも語り、踊る。

ピカソの詩、言葉を基に作られたということで、フェルナンドの最初の衣装は、画家のトレードマークでもあったマリーン風横縞のシャツに短パンだし、イーゼルも登場する。

©︎Festival Italica Lolo Vasco

言葉の後ろにある時代を見せる表現もある。例えば、タイトルにもなっている「踵で踏み潰された電気じかけの星たち」は1936年10月に書かれた、スペイン内戦時の言葉で、

その通りに?ドイツ軍服みたいな衣装(怖いくらい似合う)のフェルナンドが電球を踏み潰す。他にも言葉に傘とあると傘を出す、みたいなところもあったんだけど、

©︎Festival Italica Lolo Vasco


他にも言葉に傘とあると傘を出す、みたいなところもあったんだけど、言葉をそのままってなんか芸がないような気もするな。舞踊は言葉を形にするよりも言葉にならないものを見せてほしい、と思うのであります。

ちなみに、最近、ピカソ関連作多いな、と思ったら没後50年だそう。みんな色々考えてるんだなあ。フェルナンドの動きもフラメンコというよりもコンテンポラリーぽいところが多いかも。奥さん振り付けもあるんだろうね。それでも最後の方、語りつつ踊る、その語りのうまさ、そして言葉と動きのバランスの良さに舌を巻き、また最後スーツで踊る時見せた、完璧なコロカシオンや見事な回転に唸らされ、これが見られただけで満足。正直いえば前半はちょっと退屈な思いもしたんだけどね。

ビエナルのロシオ・モリーナやイスラエル・ガルバンもそうだけど、フラメンコのアーティストでもフラメンコの枠を超える作品を作っていて、セビージャのセントラル劇場ではフラメンコの公演シリーズではなく、舞踊シリーズで上演されたりしてたけど、うーん、それだけフラメンコが世界に向かって開いている、ということなのかな。

昔ながらのフラメンコもいいけれど、いろんな試みもあっていい。

©︎Festival Italica Lolo Vasco

ただ、演劇、舞踊、パフォーマンス、音楽、いろんな要素で、ピカソ、言葉、時代…盛りだくさんすぎて、何が伝えたかったのかがちょっとぼやけてしまっていた感はあるし、またどういう観客を想定しているのかも見えてこないような感じも。

終演後スタンディングオーベーションにならなかったのもそういうことなんだろうと思う。関係者も多いだろう初演にもかかわらず。なんかわからなくてもすごいものを見た時思わず立っちゃうと思うのですよ。難しい