2024年5月24日金曜日

ホセリート・アセド、ホセ・アセド『レクエルド・ア・セビージャ。ニーニョ・リカルドのいない50年』

 パコ・デ・ルシアも多大な影響を受けたというギタリスト、ニーニョ・リカルド。1904年生まれで1972年没のセビージャの偉大なギタリストの曲を、親子で演奏するというプロジェクト。

昨年夏、トリアーナの夏祭りベラで、少し聴いたのが良かったので期待。今回はゲストに、歌のトレメンディータ、踊りにバレリアーノ・パーニョが入って、シンプル、コンパクトながら、気持ちのいい小品に仕上がっていた。

フラメンコギターは基本、自分が作った曲を演奏するという不文律のようなものがある。自分が作った、とは言っても、全部一から作曲するというだけでなく、伝統的なメロディや他のギタリストのモチーフを借りて作る、というのもあるわけだけど。

でもそのため過去のギタリストたちの名作が記憶の彼方に埋もれていくということもあるわけで、ジャズのスタンダードじゃないけれど、時を超えて演奏される曲があってもいい。先輩ギタリストの曲を演奏というと、昔パコが エステバン・サンルーカルの曲を演奏してた、なんてのもあったけど、リケーニもサビーカスやニーニョ・リカルド弾いたCD録音してますね。若手だとハビエル・コンデが超絶技術でラモン・モントージャからセラニートまで演奏しちゃうのを聴いた人、いるかもしれません。

そういえばホセ・アセド父ちゃんはリケーニの従兄弟だったなあ。ふむ。リケーニの録音の方が、そりゃ音もきれいだけど、こういう形で、若手が歴史上の名人をクローズアップするという試みは素晴らしい。

アラブ風の曲のソロに始まり、ソレアやアレグリアス。トレメンディータが歌うタンゴ、バレリアーノが踊るファルーカなど。昔風でも古臭くなっておらず、ムイ・フラメンコなリカルドのエッセンスが感じられた公演でありました。




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