2020年8月29日土曜日

カリファト4分の3 『13の門』

 純粋正統とはちょっと違ったアプローチでのフラメンコが続く、ビエナル前哨戦。

28日に登場したカリファト3/4は、自身ではフォルクロレ・フトゥリスタ、未来派民族音楽と名乗っているグループ。

エレキギター/ボーカルとエレキベース、コンピューターミュージックと、キーボード(シンセサイダー?)、カスタネットもたたく女性ボーカルと俳優と、フラメンコギターとカホンとフラメンコボーカルとバイオリンと、って大勢が舞台に。どこまでがグループで誰がゲストなのかよくわかりません。

アンダルシア・トライアングル前向いていこう、的なスピーチに続いてアラブ風のビデオ。



中世風のかっこの俳優がセビージャにあった13の門について話していき、それにあったアニメーションのビデオが流れる。それに沿って、曲が入るという構成。

最初の聖週間の行進曲にエレキギターが重なるのとかは面白かったんだけど、その後はなんというか、うーん、なんというか。

その昔、アンダルシア・ロックというムーブメントがあって、フラメンコのリズムをうまく取り入れた曲とか、今もその詞をフラメンコ公演でも歌う人がいるくらいポピュラーだったんだけど、その現代版をやろうとしているのかなあ。でもね、なんというか、曲自身がもつ力が弱すぎる。ぺらっぺらな感じ。いや、今風の音楽だから、じゃないよ。今風だって、かっこいい音楽、骨太の音楽いっぱいあるじゃん。

ブレリア、アレグリアス、セビジャーナスなんかもやるんだけど、どうにも薄い。

でもそれって私がフラメンコを尊びすぎて、ちゃんとしてないとだめ、っていう既成概念に毒されてるってことかも? こんな風に、替え歌風にやってもいいじゃない? って考えもありなのかも。ハードル下げて、楽しむのもありか。

実際、おそらくグループのファンと思われる若者たちはノリノリだったし。

ハバナギラ歌ったり、ラップしたり、いろいろやるんだけど。私には文化祭で大人気のグループにしか見えないけど、好きな人は好きなんだろうね。

フラメンコギターで中国人ギタリストのローラ・ヤンが出ていたのはうれしかったけど、唯一その音がちゃんと聴こえたのは俳優の語りのバックでのソロで、昨日のオチャンドの演奏の後ではどうしてもぼんやりとしちゃう。ごめん。

女性ボーカルも女性フラメンコ・ボーカルもちょっと踊ったりするんだけど、踊りは素人にしか見えず、で、歌がすごいならそれもいいんだけど、そうでもなくて、ってか歌詞が聞き取りにくいのは音響のバランスのせいもあるのかねえ。

フラメンコへの愛や敬意が全体に薄かったように思えるのであります。いや、すごく好きだし、敬意もあるよ、って本人に言われたとしたらそれまでなんだけど、少なくともそれが私には見えず、2度目はないかなあ。

あ、セビージャの13の門についての昔語りは面白かった。プエルタ・デ ・カルネやプエルタ・デ ・カルモナのように今も地名として残っているものもあるしね。曲の歌詞にもアラメーダとか出てきて、あ、やっぱ身内の内輪受けの、文化祭のりなのかも。



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