2025年5月29日木曜日

ロルカとグラナダ

毎夏恒例、夜のアルハンブラ、野外劇場でのロルカ関連公演。

今年は8月上旬はご当地グラナダ出身のマヌエル・リニャンの新作、後半の週末はカンテ中心のフラメンコ公演というプログラム。





観光で来るついでにでもぜひ。


◇ロルカとグラダ

8/1(金)~16(土)22時(初日のみ22時30分) ※日月休演『ジャマメ・ロルカ』

[出]〈b〉マヌエル・リニャン、ゲスト〈b〉ホセ・マルドナード、ラケル・エレディア“レポンパ”、特別協力 〈c〉クーロ・アルバイシン、ファレーテ(1,7, 14, 15)、イレネ・モラーレス、イレネ・ルエダ、スサナ・サンチェス、ロシオ・モントジャ、クリスティナ・ソレル、クリスティナ、ノエリア・カルボ、アナベル・モレノ、〈g〉ホセ・フェルミン、〈c〉アントニオ・カンポス、マリアン・フェルナンデス、フィタ・エレディア、〈perc〉チェジェネ

8/21(木)、22(金)、23(土)22時『アビア・ミル・フェデリコス』

[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ

8/28(木)22時『カンタオーラス』

[出]〈c〉アウロラ・バルガス、ローレ・モントージャ、レラ・ソト

8/29(金)22時

[出]〈c〉エル・ペレ、〈b〉ファルキート、〈g〉ディエゴ・デル・モラオ

8/30(土)22時

[出]〈c〉ホセ・メルセ

[場]グラナダ アルハンブラ ヘネラリフェ野外劇場

[問]前売り https://lorcaygranada.sacatuentrada.es/es

2025年5月24日土曜日

フラメンコ・オン・ファイヤ プログラム発表

 8月末、牛追い祭りで有名なパンプローナで開催されるフラメンコ祭、フラメンコ・オン・ファイアのプログラムが発表になりました。

ラ・ウニオンやビエナル、へれすなどに比べるとまだ歴史の浅いフェスティバルですが、第一線で活躍するアルティスタを揃え、内外にから多くのフラメンコ・ファンが集まってくる、重要なフェスティバルの一つです。

今年もトマティートやアントニオ・ナハロ舞踊団などが出演。またこのフェスティバル名物のバルコニーでの無料公演にも、ドゥケンデやマカニータ、トマティーとらが出演します。




◇フラメンコ・オン・ファイア

8/22(金)~31(日)

8/22(金)19時45分

[出]〈g〉フアン・レケナ

[場]ビアナ 市役所バルコニー

8/22(金)21時『ミ・カミノ』

[出]〈c〉ホセ・バレンシア、〈g〉フアン・レケナ

[場]ビアナ ルイナ・デ・サン・ペドロ

8/23(土)19時45分

[出]〈c〉ロレナ・ヒメネス、〈g〉ブルノ・ヒメネス

[場]トゥデラ 市役所バルコニー

8/23(土)21時30分『デ・トリアーナ・アル・ムンド』

[出]〈c〉エスペランサ・フェルナンデス

[場]トゥデラ ガスタンビデ劇場

8/26(火)20時『ギターラ・コラル』

[出]〈g〉ジェライ・コルテス

[場]パンプローナ ガジャレ劇場

8/26(火)22時

[出]〈g〉ミゲル・バルガス

[場]パンプローナ バルコン・パラシオ・デ・ナバラ

8/27(水)18時30分

[出]〈g〉ミゲル・バルガス、フアン・バルガス

[場]パンプローナ シビボクス・コンデスタブレ

8/27(水)19時45分

[出]〈c〉アグヘタス・チコ、〈g〉ドミンゴ・ルビチ

[場]パンプローナ パラシオ・デ・エスプレタ

8/27(水)20時30分『アルサプアIII』

[出]〈g〉マノロ・フランコ、ヘラルド・ヌニェス、ラファエル・リケーニ、ホセ・アントニオ・ロドリゲス、ゲスト〈c〉モンセ・コルテス、〈b〉0アントニオ・カナーレス、特別協力〈g〉ぺぺ・アビチュエラ

[場]パンプローナ バルアルテ

8/27(水)22時45分

[出]〈c〉ドゥケンデ、〈g〉フリオ・ロメロ

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

8/28(木)12時

[出]〈c〉ドゥケンデ、〈g〉フリオ・ロメロ

[場]パンプローナ 市役所バルコニー

8/28(木)12時45分

[出]〈c〉アグヘタス・チーコ

[場]パンプローナ オテル・ペルラのバルコニー

8/28(木)18時30分

[出]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス

[場]パンプローナ シビボクス・コンデスタブレ

8/28(木)19時45分

[出]〈c〉イスマエル・デ・ロサ、〈g〉ホセ・デル・トマテ

[場]パンプローナ パラシオ・デ・エスペレタ

8/28(木)20時

[出]ケラルト・ラオス

[場]パンプローナ サラ・セントラル

8/28(木)21時30分『ロマンセ・ソナンブロ』

[出]〈b〉アントニオ・ナハロ舞踊団

[場]パンプローナ バルアルテ

8/28(木)23時15分『クエバ・デ・ロシオ』

[出]〈b〉アルバ・エレディア

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

8/29(金)12時

[出]〈c〉マカニータ、〈g〉マヌエル・バレンシア

[場]パンプローナ 市役所バルコニー

8/29(金)12時45分

[出]〈c〉キキ・コルティニャス、〈g〉 クリストバル・サンティアゴ

[場]パンプローナ オテル・ペルラのバルコニー

8/29(金)18時30分

[出]〈g〉ダニエル・カサレス

[場]パンプローナ シビボクス・コンデスタブレ

8/29(金)19時45分

[出]〈c〉マヌエル・デ・ラ・トマサ、〈g〉ダビ・デ・アラアル

[場]パンプローナ パラシオ・デ・エスプレタ

8/29(金)21時30分

[出]ロス・プラネタス

[場]パンプローナ バルアルテ

8/29(金)23時15分

[出]〈c〉ラ・マカニータ

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

8/30(土)12時

[出]〈g〉トマティート

[場]パンプローナ 市役所バルコニー

8/30(土)12時45分

[出]〈c〉アントニオ・エル・トゥリー、〈g〉 マルコス・デ・シルビア

[場]パンプローナ オテル・ペルラのバルコニー

8/29(金)18時30分

[出]〈g〉ダビ・セレドゥエラ

[場]パンプローナ シビボクス・コンデスタブレ

8/29(金)19時45分

[出]〈c〉エスメラルダ・ランカピーノ、〈g〉ノノ・レジェス

[場]パンプローナ パラシオ・デ・エスプレタ

8/30(土)21時30分『レセテアンド』

[出]〈c〉レラ・ソト、アンヘレス・トレダノ、マリア・テレモート

[場]パンプローナ バルアルテ

8/30(土)23時15分

[出]〈b〉ベロ・ラ・インディア

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

8/31(金)12時

[出]〈c〉フェルナンド・カネラ、〈g〉アルフレド・ラゴス

[場]パンプローナ 市役所バルコニー

8/31(金)12時45分

[出]〈c〉ヘスス・カスティージャ、〈g〉ニーニョ・マヌエル

[場]パンプローナ オテル・ペルラのバルコニー

8/29(金)18時30分

[出]〈g〉アルフレド・ラゴス

[場]パンプローナ シビボクス・コンデスタブレ

8/29(金)19時45分

[出]〈c〉ホセ・カネラ、〈g〉ノノ・レジェス

[場]パンプローナ パラシオ・デ・エスプレタ

88/31(日)20時

[出]〈c〉ロシオ・マルケスとブロンキオ

[場]パンプローナ サラ・セントラル

8/31(日)20時30分『ウン・パセオ』

[出]〈g〉トマティート

[場]パンプローナ バルアルテ

8/31(日)22時45分『ア・カネラ・デ・サン・ロケ』

[出]〈c〉ホセ・カネラ、フェルナンド・カネラ、〈b〉ノエリア・サバレア、〈g〉ノノ・レジェス

[場]パンプローナ オテル・トレス・レジェス

[問]https://www.flamencoonfire.org

2025年5月16日金曜日

井上圭子 鈴木淳弘『銀の鍋』

あったかい公演だった。



畳3枚くらいかな、と思うような小さな舞台を三方向、そして斜め上、上から囲む小さな会場にぎっしり詰まった観客たちみんなが大きな家族のような。そんなあったかさに包まれていたのは、やはり主役二人の人柄ゆえなのだろう。

ハカラの録音をアバニコを使って踊って始まり、井上の姉の娘でクラシックのチェロ奏者矢口里菜子とピアノの田口翔のピアノでのゴジェスカス間奏曲へ。チェロが残りギターも登場してはじまるファルーカはフリンジに彩られた幅広の黒いパンタロンスーツで、ギターソロを挟んで一部の最後は腰の後ろにリボンがついた白い衣装でカーニャ。休憩を挟んで、アルベニスのタンゴをカスタネットで踊り、ギターソロでのファルーカ,カンテソロでのマラゲーニャときて最後はバタ・デ・コーラとマントンでのアレグリアスを。クラシコエスパニョールとフラメンコの繋ぎ方も含め構成がうまい。

フラメンコ誕生前のスペインの舞曲ハカラを最初にフラメンコ公演で観たのはアナ・モラーレスの2015年の公演。あの時の公演でもアバニコ、扇の音が印象的だったけど、ここでもスペイン扇の仰ぐ音を印象的に使っている。振り付けは現在志摩スペイン村の振り付けを手掛けているダニエル・ドーニャだという。今回のプログラムでは各曲に振付と音楽(楽曲提供とあるけど、振り付け時のオリジナル曲の作曲者、ということだろう)の担当者の名前を出しているのはいい試みだと思う。彼女のフラメンコに対する真摯な姿勢の表れなのだろう。

指先や足先、体や首の傾き具合など、細部をおろそかにせず、美しくあることを大切にした彼女のパフォーマンスはさすが。日々の積み重ねの結晶だと思わせる。曲もバラエティに富んだ構成で場面ごとにミュージシャンの位置を変えるなどの工夫もあり、しっかりしたリサイタル作品として出来上がっていた。欲を言えば衣装にもう一工夫あっても良かったかもしれない。カーニャの白い衣装はグアヒーラに似合いそうで、シリアスな曲であるカーニャらしさという点ではちょっとマイナスのような。髪の小さな花飾りとかは良かったのだけど。またバタも、コーラ、尻尾の部分にもう少し張りがあるともっと綺麗に見えたのではないだろうか。実力がある人なのでそういったものもさほどマイナスにはならないとは思うのだけど、実力があるだけにもっとよくなるのに、という思いは残る。単なる好みの違い、なのかもしれないけれど。

昨年大動脈瘤という大病を患った鈴木は見事な復活を果たした。病後のリハビリなどさぞ大変だったことだろう。フラメンコを演奏することを楽しんでいるのが伝わってくるような、いいトーケだったと思う。

銀の鍋。鍋という言葉から、手鍋下げても、という言い回しを思い出す。二人でいれば幸せ、フラメンコで結ばれた二人の25年。銀の鍋は輝き続けてやがて金の鍋になるのだろうな。

度重なるアンコールの拍手に、最後「帰ります」と言った井上のユーモア感覚。このユーモア感覚を活かした曲とかも観てみたいなあ。グアヒーラやタンギージョ、ガロティンとかかな?と勝手に妄想。

プログラムや入場券に至るまで丁寧に作られた公演。二人の愛をみんなの愛が包む、幸せな時間だった。



2025年5月9日金曜日

工藤朋子『黒いダイヤ』

 ぐっと凝縮された1時間。



衣装を変え、曲を変え、自分の世界を作り上げたその腕前はあっぱれ。

巫女系というのか転移系というのか、何かが乗り移ったかのようにここではないどこかを見つめ、地を這うようにして何かをずっと探している。

前作『時と血と地と』は、フラメンコ・フラメンコなものを封印こそしてないものの、自分とフラメンコのルーツを探っていく旅のような作品で、民謡や古楽などが散りばめられ、フラメンコ味は少なめだったけど、すごく面白かったことを記憶している。今回は、そのリベンジ、というわけでもないだろうけど、フラメンコの黒い魂を自分の中に探していくような作品で音楽はフラメンコのみ。ミゲル・デ・バダホスが歌うロマンセ・デ・ラ・モンハに始まり、マヌエル・マレーナが聴かせてくれるソレア・ポル・ブレリア、カマロンのカナステーラやカラコールのサンブラなどもはさみつつ、タンゴそして豪華なマントンでのカーニャ。それぞれの曲のキャラクターを理解して踊りわけていたと思うけれど、全体的に下向き、屈んでというのが多いのはちょっと気になった。地を這うようにして探している、っていうことなのかも知れないけれど、しなやかで美しい身体を生かして、胸を開き、外へと向かう瞬間もあって良かったのはないかと思えるのだ。下を探すのに夢中でまだ解放されていない、ということなのだろうか。観客としては、最後、突き抜けるような空へ登る勢いで放たれる思いを見てみたかった気がする。放たれるのは次回なのかな?




2025年5月5日月曜日

静岡と西麻布での小島章司

 静岡の、グランシップ中ホールで、小島がすっと腕を天に伸ばした瞬間、天とつながった。

雲の隙間からお釈迦様が垂らした糸のように、光の道ができた。

そんな気がした。

そんな永遠に記憶に残るような瞬間を感じることができただけで静岡まで来た甲斐があったと思う。

SHIZUOKA せかい演劇祭の一環で、5月2日に上演された『叫び』。

作品というよりも、昨年秋の公演で小島舞踊団の柳谷歩美、松田知也と、小島とフラメンコ協会の公演で共演した石川慶子、漆畑志のぶ、知念響の5人によって踊られたバラディージャ・デ・ロス・トレス・リオスや、柳谷と松田のパレハによるソレア、石川、漆畑、知念の3人によるファルーカ、チクエロのギターソロという、個別のナンバーが次々に登場するガラ公演的なものだった。が、最後に登場した小島は唯一無比。なにものでもなくすべてであった。男でも女でもなく年寄りでも子供でもない。華やかかつ地味。彼が長年愛し追い求めてきたフラメンコへの切なる思いがそのままそこにあったのだと思う。



4日のスタジオ公演では山形志穂による男装のファルーカ。フリルのブラウスにベストとパンタロン、と伝統的な衣装で正統派の振り付けを真摯に踊っていて好感が持てた。松田知也はアレグリアスを気持ち良さそうに踊り,柳谷歩美はティエントで確実な技術と多彩な表情で楽しませてくれた.その後チクエロのグラナイナのソロに続き来日アーティスト三人によるカンテソロ。トップバッターのミゲル・ラビは舞踊伴唱よりもさらに魅力的。ヘレスらしいソレア・ポル・ブレリアもファンダンゴも歌好きが喜びそう。続くドゥエンデもマラゲーニャからのアバンドラオのロンデーニャ(この伴奏がモダンでめっちゃ良かった),最後はロンドロがビダリータとカンティーニャと幅広くも深い味わいで聴かせて締めた。そして小島.先日の劇場での人間離れした感じとは違いもっと身近な感じ.距離や空間の違いだけじゃない違いが興味深かった。


2025年5月2日金曜日

ビエルソ、アル・トーケ・フェスティバル

フラメンコギターに焦点を当てたビエルソのフラメンコ・フェスティバルが今年も開催されます 。その記者発表がマドリードのタブラオ、コラル・デ・ラ・モレリアで行われました。

メインイベントはトマティートのリサイタル。でも他の日もカルメン・リナーレスやアルカンヘルなどが出演、充実のプログラムです。





◇ビエルソ アル・トーケ・フェスティバル

7/23(水)

21時30分[出]〈g〉カルロス・デ・ハコバ、〈c〉アルカンヘル

22時15分[出]〈c〉アルバ・モリーナ

[場]ビエルソ ファブリカ・デ・ルス屋外エネルギー博物館

7/24(木)

21時30分[出]〈c〉アンヘレス・トレダーノ

23時[出]〈c〉カルメン・リナーレス

0時30分[出]djフレイケッツ

[場]ビエルソ ラ・テルミカ・クルトゥラル サラ・トゥルビナス

7/25(金)

21時30分[出]〈b〉パストーラ・ガルバン

23時[出]〈c〉アルヘンティーナ

0時30分[出]djクーロ・ベラスケス・ガステル

[場]ビエルソ ラ・テルミカ・クルトゥラル サラ・トゥルビナス

7/26(土)

21時30分[出]〈b〉アルバ・エレディア

23時[出]〈g〉トマティート

0時30分しゅつ dj A ブエラプルマ

[場]ビエルソ ラ・テルミカ・クルトゥラル サラ・トゥルビナス

[問] https://latermicacultural.es/