2024年10月3日木曜日

マヌエラ・カルピオ『エン・クエルポ・イ・アルマ』

ヘレスの踊り手、マヌエら・カルピオ。メインでのビエナル参加は初めて。

ヘレスのフェスティバルではサラコンパニアに2回、ビジャマルタに2回登場しているけど、いわゆるメインストリームの踊り手ではない。フェスティバルやタブラオなどで活躍していたというけれど、広いレパートリーとテクニックを持ったセビージャやマドリードのプロフェッショナルの踊り手とは違う、フィエスタで、歌を踊るタイプの踊り手。ブレリアだけでなく、この日の公演のようにアレグリアス、シギリージャ、ソレアも踊るけど、シンプルに歌をマルカールして少し足、みたいな、ある意味プリミティブな形。

舞台の上に三人の踊り手と四人のパルマ隊が立ち、その中を赤いバタ・デ・コーラのしっぽをだいて歩き回る、どこかエバ・ジェルバブエナぽいオープニング。カンティーニャ。バタのスカート部分のデザインかなんかの問題かもとは思うけど、バタはあまり綺麗な奇跡を見せない。よくいえば野生的、悪くいえば粗雑。これがヘレスのヒターナの踊りなのよ、と言われれば、確かに彼女はヘレスのヒターナだし、そうですか、と引き下がらざるをえないわけだけど。セビージャ派の舞踊を規範としている私はちょっと苦手でした。はっきり言って。


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

足の時は腕がだらんとなっていることも多いこととかも気になる。シギリージャは男装で踊ったのでスカート持てないから、というのもあったのかな。

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

ソレアは別珍にゴールドの飾りという、聖母様のマントにヒントを得たのかな、という衣装だったのですが、、ジャケット着て出てきて踊る前に脱ぎ捨てる、というのも、え?じゃなんで着てきたの?って感じだったし、舞台に出るたび、花やイアリングを飛ばし、モーニョも崩れて、って昔のセビージャのタブラオでは罰金もののことがいっぱい。

私は激しいの、っていうアピールじゃないとは思うけど、そう取られかねない。


Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

歌ぶりもほぼワンパターンと言ったら言い過ぎかもだけど、リソースが圧倒的に不足している。歌を聞いて踊る、ことは大切だけど、同じヘレスのヘレスのホアキン・グリロが昔、フィエスタでソレアをレトらごとに全部違うように踊っていたことを思い出してしまう。

そんな中、最後のブレリアのとっかかりで、パルメーロで出演していたオルーコが最高にかっこいいブレリア見せてくれたのや、やはりパルマのイスラエル・デ・フアニジョロのこれぞヘレスというブレリアの一振りが、とても良くて、そうだよ、こっちだよ、という気分になったことでありました。

最後はマヌエラがカンシオンをブレリアのリズムで歌いながら登場。私は歌って踊ることしかできない、みたいな歌詞も歌った。フィエスタで輝く人なのだと思う。でも劇場の舞台、となると、ムイ・フラメンカです。ってだけではないものが求められるのではないかと思う。で最後、彼女の歌とハモるのですが、それが不協和音でカオス!でありました。

昔の彼女の作品について書いた、リンク、のっけときます。

2017年ヘレスのフェスティバル

2022年ヘレスのフェスティバル


 

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