2024年10月2日水曜日

アルヘンティーナ『ソノリダ"M"(1842-2024)』

1984年、ウエルバ生まれのアルヘンティーナの公演は、カンタオーラたちをテーマにした公演。タイトルにある1842年は、女性歌手についての最古の記録の年代。
そんな説明が多分本人の声でのナレーションされ始まり、女性歌手たちの、ナナやロマンセなどの古い録音に彼女が重ねて歌うオープニング。
舞台前面中央でのエウヘニオ・イグレシアス伴奏でのソレア、下手の机でロス・メジ、ロベルト・ハエン、ディエゴ・モントージャの拳でのコンパスでの早いシギリージャ、舞台中央で椅子に足をかけて弾くボリータの伴奏でのティエント、ヘスス・ゲレロとボリータ伴奏でのミロンガは舞台奥で…
場所を変え、ギタリストを変え、手を替え品を替え、という形で進んでいくリサイタル。
Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

作品を、ということを考えすぎたのかなあ。普通に舞台中央にドンと構えて歌うだけじゃダメだったのかなあ。

セビジャーナスでは映画『セビジャーナス』でのロシオ・フラードのセリフを言ったけど、
出てきた女の子たちが踊ったのはセビジャーナス一つだけだったし、なんか無駄に人や時間、空間を使っている感じ。
Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León


彼女はいろいろ歌うのだけど、どれも平版で同じように聞こえる。大まかなメロディは合っているし、音程もあっているし、コンパスが取り立て悪いわけでもない。

でもオレ!の瞬間がないのだ。微妙な間合いや、歌い回し、たとえば音程が下がっていくところとかのニュアンスなどが、オレを誘うのだけど、それがない。

声をずっと同じ調子で張っている。アルテの瞬間がない。なんというか、楽譜通りに歌っているだけ、というか、カンシオンのようにカンテを歌っているというか。センティードがないというか、彼女の心が感じられないのだ。

Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León

最後の、得意なはずの地元ウエルバのファンダンゴに至るまで、全部同じ。



Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León


イヤイヤフラメンコは難しい。




 

0 件のコメント:

コメントを投稿