地元ヘレスのアルティスタが豪華ゲストと、いうことで満員。
場内が暗くなるとタイトルや出演者を詩のようにして語るアナウンスが流れる。
舞台には三つの額ががあり下手にはヘマ・モネオとぺぺ・トーレス、上手にはファルーカとアントニオ・カナーレス、一段上がった真ん中の額にはマヌエラとホアキン・グリロがポーズしているというオープニング。額を使うのはビエナルのベテラン公演でもあったけど悪くないアイデア。
最初はヘマとぺぺのブレリア。このぺぺが素晴らしかった!文句なくこの夜の最高峰!
©Javier Fergo Festival de Jerez |
余計な動きが一切ない、シンプルで上質なフラメンコ。超複雑な足をこれまでかと入れてくるような若手と違い、余裕を持って最高の間合いで決めてくれる。余白が多い、とでも言えばわかってもらえるだろうか。優雅で男性的で、唯一無比。ラファエル・ネグロにも通じるエレガンス。彼に歌うフアン・ホセ・アマドールがこれまた素晴らしく、歌と踊りの相乗効果で、どんどんこちらも気持ちよくなる。
ヘマは鉄火系フラメンカだと思っているのだけど、数年前に見た時に感じた火花のようなものがなくなってしまったようにも思える。
続く、ファルーカはソレア、カナーレスはタンゴ。ファルーカに父ファルーコの面影や味わいを感じ、カナーレスの間合いの良さにもオレ。エンリケ・エストレメーニョやっぱいいなあ。
©Javier Fergo Festival de Jerez |
そしてまヌエラは赤いバタ・デ・コーラでグリロと前に出てくるのだが、早々にバタはグリロが剥ぎ取り、マントンのように回して後ろにぶん投げるという、マティルデ先生が見たら卒倒しそうな構成で始まるアレグリアス。グリロがくるくる回り、彼女は最後だけ決める感じ。踊りもいろいろだなあ。
©Javier Fergo Festival de Jerez |
ゲストを最初に登場させると、彼女のいとこ、亡くなったフアニジョロへのオマージュ。彼がマヌエラに歌った録音が流れ、ソレアが始まる。金色の衣装というのも謎。歌い手がいいからか、客席にお尻を向けてる時間も長すぎるし。
最後は下手に置かれたテーブルについてのフィエスタ。エンリケ・パントーハが語り歌い踊り、トロンボやフアニジョロの兄弟のイスラエル、ディエゴ・デ・マルガラらも踊り、やっと最初に出てきたぺぺたちが出てきた、と思っていたらぺぺやヘマは歌うだけという肩透かし。ぺぺのブレリア、見たかったなあ。あ、マヌエラも歌いました。
ギターのフアン・ディエゴ・マテオスとフアン・レケーナは力仕事ご苦労様でした。
前日のアナの記者会見での話じゃないけれど、秩序とカオスで言えば、一応の秩序があった第一部、カオスなフィエスタ、って感じでしょうか。休憩なしの2時間。正直疲れました。
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アナ・モラーレスのある意味実験的とも言える、先鋭的な作品もあれば、昔ながらをイメージしたこういう作品も、ぜーんぶフラメンコというのが、フラメンコの懐の深さですよね。
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