2024年2月29日木曜日

ヘレスのフェスティバル6日目ダニエル・ラモス『コントラクエルポ』

 バレエシューズをはき、バレエダンサーのような回転や跳躍を駆使し、カスタネットを使うなどして踊るエスクエラ・ボレーラ。ロマンチックバレエとも関係があり、フラメンコの源流でもあるスペインの古典舞踊

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

フラメンコシューズでのフラメンコ
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

そしてフラメンコや古典舞踊、民族舞踊などスペイン舞踊の技術を使って基本、純フラメンコ以外の音楽で踊るエスティリサーダ。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez


その全てを得意とし、見事な技術とアルテで、ほぼ満員の観客を魅了し尽くしたのがダニエル・ラモス。
ファンダンゴに合わせ、腰に足首までの長いフレコのついた巻きスカートのようなベルトをつけて、バレエシューズでの、ピルエット、跳躍、細やかな足遣い、カスタネットで見せるボレーラでのオープニングから、ミラー使いの派手なジャケットを着て、帽子使いの工夫でも見せるユーモアのあるガロティン。クラブシーンのような場面で怒ったギタリストがギターを壊すところで客席から登場したミゲル・アンヘル・エレディアが舞台に上がり、歌うシギリージャ。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

それを踊るダニエル。ミゲル・アンヘルの振り付けだというけれど、ところどころ得意な回転なども入れてムイ・フラメンコであると同時にムイ・エスパニョール。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

フォリア?みたいな音楽で上半身裸で、マントンを使って踊る、その独特なマントン使い。そのテクニックの凄さ。

で、あっという間の1時間でございました。


©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

ダニエル・ラモスと言っても、日本では知っている人は少ないだろう。その彼のソロでの初めての作品をヘレスに持ってきてくれたフェスティバルに感謝。さすが世界で唯一のフラメンコとスペイン舞踊に特化したフェスティバルであります。


なお、ダニエルは現在、今年7月来日予定のアントニオ・ナハロ舞踊団やマヌエル・リニャンら男性舞踊手たちが全員女装で登場する話題作『ビバ』、で活躍する舞踊家。エスクエラ・ボレーラを得意とし、『ビバ』やナハロの『ケレンシア』でもエスクエラ・ボレーラの見事なソロをみせている、と言えば思い出す人もいるかもしれない。バレエダンサーのような、美しい回転や跳躍はおそらく現在、活躍するスペイン舞踊家のなかで屈指の存在。また、劇場公演の合間をぬってマドリードのタブラオでも踊ることもある。フラメンコもボレーラを含むスペイン舞踊も両方こなすので、これからも要注目であります。




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