2026年5月20日水曜日

パストーラ・ガルバン『6タクシ6』

 舞台の上には二脚の椅子。歌い手もギタリストもいない。タイトスカートにドラッグクイーンのようなあげぞこの派手なブーツで現れ、客席を見渡し、手でハートマークを作ってみせる。

華やかな衣装も、アクセサリーもない。プログラムには、ローマ、コパカバーナ、カサブランカ、トランシルバニア、ヌエバ・オルレアンズ(ニューオリンズ)、トリアーナと6つの都市の名とその地にちなんだ曲がプログラムには記されていて、タイトルもそういうことなのだろうけど、実際にその曲がかかってその曲の中で踊ったりもするのだけど、その曲と曲がないところで時に自分で歌ったり、後半登場するラモン・マルティネスのパルマで踊ったり。一つのテーマのまとまった作品というより、コント集のような感じ、といえば伝わるかな? 

タクシーと叫んでタクシーを止める仕草をする。椅子に座って安全ベルトを装着する仕草。軽やかなカルロタズギャロップの曲は映画『8 1/2』の曲だけど、ハチャトリアンの剣の舞にも似た感じで、確かに街を行くタクシー感がある。座ってイタリア語を話し始めるパストーラ。 という最初の場面は芝居がかってて、先日のロシオ・モリーナじゃないけど、演劇に行くのか?と思わせたけどそれは危惧で、音楽は音楽、でも彼女は自分でリズム作って踊る踊る。

靴をスニーカーやぺたんこの靴、パンプス、かかとの高いブーツと履き替えるだけで衣装替えも何もないんだけど、目が離せない。音楽がなくとも彼女の踊りはフラメンコ。

 ©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol

そう、フラメンコは一人でもできる。

でも後半、ラモン・マルティネスが登場することによって明らかに作品としてもフラメンコとしても厚みが増し、より良くなったのも確か。

タクシー運転手となって、ラジオのチューニングを口でやったり、テキエロ、愛してるを各国語で言ったり歌ったり、ユーモアたっぷりに相手役を務めた。

©︎ Remedios Malavárez/Fundación Cajasol


パストーラ・パボン、ニーニャ・デ・ロス・ペイネスのセビジャーナスをカスタネット付きで、でも基本の振り付けとは全く違う感じで踊って幕。

いやいや、舞台見てて、色々思い出しましたよ。

タイトスカートは、マリア・パヘス舞踊団時代、『ラ・ティラーナ美術館の亡霊』で履いてたのを思い出したし、背番号を指さすような仕草は『フランセサ』という、フランスをテーマにした作品を思い出させる。最後のセビジャーナスは、大昔、イスラエルと踊った、イスラエルが全然動かないセビジャーナスやこれも昔、ルベン・オルモと共演してたことを思い出させたのでした。過去をめぐるタクシーだったわけでもないだろうけど。

結論。フラメンカは何をやろうとフラメンカ。ロシオしかり、パストーラしかり。

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