2021年9月24日金曜日

ホセ・マリア・バンデーラ&ディエゴ・アマドール『パケアンド』

 


いやいや、本当に素敵なコンサートでありした。

パコ・デ・ルシアのトリオやセクステットのメンバーだったギタリスト、ホセ・マリア・バンデーラ。パコの姉の息子スペイン国立バレエやサラ・バラス舞踊団でも活躍しました。その彼と、日本のフラメンコ・ピアニストにも人気のあるピアニスト、ディエゴ・アマドールとのデュオでのリサイタル。タイトルはパコの現在進行形? 

始まりはパレンケからのカンパナ・デ・アルバを挟んでのタンゴ、ってもう、パコがライブで演奏していたパターンなのであります。そう、パコは録音したテーマをそのまま演奏ってことはなくて、いろんな曲のモチーフが繋がって一つの曲になっている、という感じだったんですよね。あのライブ感が帰ってきたみたい。何より、ホセマリの最初の音がもうパコ、そのもので、うわあって、涙目。

アンダハレオのメロディで始まるブレリア。懐かしさはもちろんなんだけど、なんていうんだろう、単なる懐かしのヒット曲集じゃなくて、ちゃんと彼らの色も加わっている気がする。パコへの限りない愛と敬意、深い理解あってこそのコンサートなんだなあ。

ホセマリのソロは繊細でひたすら美しく心に迫る。上手いし、すごいギタリストなのにあんまり知られてないんだよね。

元々、ピアノだけじゃなく、ギターやベースもめちゃうまいディエゴは、この公演でも歌っていてそれもまたうまくて、本当、マルチなフラメンコな人なんだけど、彼のソロは、パコとの会話みたい。

ディエゴが歌うタラント/カルタヘネーラをホセマリが伴奏。

そしてシルヤブ。あのドライブ感、飛翔感そのままに、彼ららしさも出て最高。

客席はもちろん全員でのスタンディングオーベーション。

もう一度聴きたい。

かつてのチャノ・ドミンゲスとホルヘ・パルドの『10デ・パコ』はやっぱジャズ的アプローチなんだけど、これはフラメンコのアルティスタによる再創造という感じで。前者はきれいにまとまっているんだけどこっちはもっとライブ感がある、というか。おすすめです。これのcd出ないかな



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