2021年9月26日日曜日

ファルキート『インティモ』

 セビージャ、セントラル劇場の週末は3週連続でフラメンコ・ビエネ・デル・スール。2週目の終わりの土曜日はファルキート。熱烈なファンらしき姿が目立ちます。

『インティモ』というタイトルは数年前からファルキートがソロの、あらすじなしのフラメンコ公演につけている名前で、共演者は変わっているみたいだから踊る曲も変わっているのかなあ。本当ならタイトルも要らないようなものだけど、今はなんでか必要になるんだよね。

今回は歌に長年の共演者マリ・ビサラガに加え、エセキエル・モントージャ、イスマエル・デ・ラ・ロサという若手、ギターにニョニョ、パーカッションはパコ・ベガ、そして踊りでマリナ・バリエンテというグループ。

シギリージャに始まり、カーニャ、マリナのタラント、タンゴ、アレグリアスという構成。基本、ファルキートのリサイタル、という感じなのだけど、シギリージャの終わりにマリナが出てきて掛け合いがあったり、まりなのタラントからのタンゴでも掛け合いがあったり。

今回ちょっとびっくりしたのがカーニャで、ファルキートというと歌に足を入れない、というのが特徴で、普通、歌詞はマルカールで最後にちょっと入れるくらいが定番だと思うのだけど、カーニャでは歌詞歌っているとこにガンガン足入れるんですよ。いや、他の人なら普通だけど、ファルキートが?って感じ。どうも、彼の解釈ではカーニャはソレアよりは軽い曲、と思っているようで、全体的な感じもスピードもブレリア寄りな感じ。ちょっと不思議。確かにカーニャはソレアほど深刻な感じはないかもしれないけれど、私がカーニャに感じるしっとりした感じとか、伸びやかな感じとかはあまりなくて、うーん、ブレリア・ポル・ソレア的な感じで踊っているというか。ふーん、そうきましたか、なるほどね。シギリージャやアレグリアスではレトラのとこに相変わらず足は入れないんだけどね。ふむ。

ファルキートは作品の構成がちょっと、とかはあってもその踊り自体は安定しているというか、いつでも絶対、オレ!の瞬間があるから、好き。この日は足をささっと入れ替えるのとか、回転のちょっとしたニュアンス、マリのカンテの掛け合いのちょっと引いてからぐっと前に来る感じとか。ファルーコ的な腕のあげ方と間合いの取り方とか、く〜って唸りたくなる瞬間がいっぱいあってその意味で満足。やっぱ好きです。

ニョニョのブレリアのギターソロも良かった。流石です。

マリナは、優雅な女性らしさのセビージャ派と言われるスタイルではなく、ががっとがむしゃらに攻めてくるようなタイプで、髪はザンバラでピアスや花飛ばすけど、あの熱量が好きな人も多いのかもね、という感じ。

最後は子供たちが舞台に上がるというのはファルーコファミリーの伝統。お家芸ですね。昔のファルキートとか思い出しつつ家路につきました。




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