ラファエル・リケーニとセビージャ交響楽団の共演『セビージャ組曲』はマエストランサ劇場で。
元々はビエナルで初演されるはずだったのが、感染拡大でリハーサルができず、日程変更で4月になったという次第。ビエナルにはロシオ・モリーナ、エストレージャ・モレンテと共演して出演して、ヒラルディージョ賞の特別賞、セビージャ市賞を受賞しています。
『セビージャ組曲』というと、アントニオ・ナハーロ振付のスペイン国立バレエの作品を思い出す人が多いと思いますが、そう、あの音楽です。あの音楽のオリジナル。1993年にクラシックギタリスト、ホセ・マリア・ガジャルドとの共演で録音しています。かなりクラシックに近い作品なのですが、聴いたことがある人は少ないかも? それをもっとわかりやすい形というか、ポピュラーな感じにしたのが国立版の編曲。(一部、ミゲル・リベラとディエゴ・ロサーダのオリジナルや編曲あり)。で、今回はオリジナルから、国立バレエが昨年初演した作品『インボカシオン・ボレーラ』『ハウレーニャ』の作曲を手がけているマヌエル・ブストがオーケストレーションと指揮を手がけての共演。
最初はオーケストラの弦楽だけで、トゥリーナの『闘牛士の祈り』(これも昔、国立で振り付けされてましたな。赤い衣装でアントニオ・マルケスが踊っていた)。ああ、オリジナルでも国立版でも「トゥリーナ」と歌いかけているけれど、確かに、メロディラインとか通じるところありますね。ファリャ、アルベニス、グラナドスらと同じ国民楽派。そしてリケーニも、その流れを組んだ作曲家なのだなあ、と感じさせてくれたのがオーケストラとの共演。
チェロやコントラバスが楽器の胴を叩き、バイオリンは足を鳴らす、など、フラメンコぽい?試みもあって面白かったし、パーカッションがいいところで決まった時の爽快感もありました。ドラマチックな彼のメロディーがオーケストラで奏でられる感動は確かにありました。
でも、正直、93年の録音が完璧。
最後、ソレアとグラナイーナをソロで演奏。その後、再びオケとアルバム『マリア・ルイサ公園』の中の曲、『コヒエンド・ロサス』バラを摘みながら、を演奏。たくさん聴いていると一番いい時と比べちゃうので申し訳ない。去年のヘレスでの公演が最高だったなあ。
こちらはオリジナルのCD、音だけです。一曲ずつですが、全部アップされてるので聴いてみてくださいませ。
そして国立版のセビリア組曲
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