アンダルシア州のフラメンコ公演シリーズ、フラメンコ・ビエネ・デル・スール。
フラメンコは南から問うタイトルで、アンダルシア州率の三つの劇場、セビージャのセントラル、グラナダのアランブラ、マラガのカノバを主な舞台とし、行われるフラメンコ公演も今年で第21回。
その開幕を飾ったのは、ドゥケンデ。
最近、目立った活躍を見せているダニ・デ・モロンが伴奏する。
2016年のビエナルでも共演した二人、この夜は、カンテス・デ・レバンテ、ソレア、アレグリアス、ギターソロでのファルーカ、ソレアを挟んで、ライ・エレディアの名曲「ロ・ブエノ・イ・ロ・マロ」、シギリージャ、タンゴ、ブレリアという構成。
ドゥケンデは、一言も喋らず、歌い継いでいく。
その歌いっぷりの見事さ。
フラメンコ的に、ちょっとしゃがれた声の良さ。
音程、コンパスはもとより、声の速度、強弱、言葉と言葉のつなげ方、どれを取っても素晴らしい。
そしてそれを支えるギター。普段はかなりモダンな演奏も聞かせ、実際、ソロでは自由に、個性的な演奏も見せたのだが、ドゥケンデの伴奏では基本に忠実、というか、むしろ古風な演奏で、ドゥケンデものびのびと歌っているように思えた。
最初の曲で、パコ・デ・ルシアが歌った「カマロン」のカマロンをパコに変えて歌っていたのに涙がこぼれそうになった。そうだよね、パコの新旧のグループであなたは歌っていた。
日本に行く予定だったのに、パコから電話があって飛んで行った、あのヨーロッパツアーが昨日のことのようなのに、パコはいない。
でも、パコのグループで演奏したこともあるダニが、こうしてあなたの横で演奏している。
今もあなたたちの中にパコは生きている。
2018年2月6日 セビージャ セントラル劇場
ドゥケンデ・コン・ダニ・デ・モロン
[出]〈c〉ドゥケンデ、〈g〉ダニ・デ・モロン、〈palmas〉ロス・メジス
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