2010年8月9日月曜日

ラ・ウニオン2010 ホセ・メルセ

ここ数年、パーカッションやコーラスなど
沢山のバックミュージシャンをひきつれての公演が続いていたホセ・メルセ。
新譜「ルイード」の発表記念コンサートはその流れをくむフォーメーションだが
今年はそのほかに、各地のフラメンコ・フェスティバルなどにも多く出演している。

今日の、このラ・ウニオンでのコンサートでも、
そのフラメンコ・フェスティバルと同様に、
モライートと二人舞台。
パルメーロすらいない、二人っきりだ。

最初はマラゲーニャ。
そしてソレア。
シギリージャ、と、オーソドックスなフラメンコを
なぞるようにまっすぐ歌っていく。

「アイレ」などのヒットでフラメンコ・ファン以外の一般にも
すっかり名が知れるようになったメルセだが
ご存知のようにヘレスはサンティアゴ街の生まれ。
ソルデーラ一族で、こどもの頃から本物のフラメンコの中で育ち、
早くからプロとして歌いだしたベテラン。
「マミーブルー」やカンシオンぽい曲ばかり歌ってるわけではないのである。
純粋正統、昔ながらのフラメンコをごく真っ当にうたっていく。

アレグリアス。
昔ながらの、伝統的な歌詞を歌う。
それをしっかりサポートするモライートのギター。
さっきのシギリージャやソレアレスもそうだが
ヘレスらしい風格にあふれ、きっちり歌をおいかけていく。

ブレリアス。
パルマなしでもモラオのギターはヘレスのコンパスを体現。
パルマ隊がいないのを感じさせないくらいにリズミカルだ。
歌っていないときのホセがモラオのフェルセータをパルマでサポート。
ホセが踊り始めたかと思うとマイクなしで
パケーラのようにアリアリアリアンダ〜とうたいはじめ、
満場の観客は拍手喝采。
踊り歌うその声量はパケーラにこそ負けるかもしれないが
そこらの若手を凌駕している。
踊りながらひっこむ、ヘレスのフィエスタさながらの演出は
さすがのエンターテイナー!

拍手にこたえてファンダンゴ。
モライートはいすに足をかけてたつパリージャスタイル?で伴奏。
ファンダンゴはスペインのフラメンコ・ファンたちの多くが好む曲種。
右に、左に、と会場の全員に届けと歌い上げるホセに拍手喝采。
ホセは投げキッス。
1時40分。これでおしまいかな?と思わせて、また席につく。

「最後に」と言うホセに観客の「ノー」がとぶ。
「みんなで歌いたいと思います、『アル・アルバ』」
スペインのシンガーソングライターの曲をフラメンコ風にアレンジして歌ったこの曲はホセのヒット曲のひとつ。
実はこの曲はプロテストソングなんですが、そんなことを感じさせない。
観客が全員でコーラスする。。。フラメンコにはあまりない光景だ。
それだけポピュラーな歌い手だということで。
 いやいや、すごいもんです。

0 件のコメント:

コメントを投稿