2010年6月1日火曜日

アルグルグー

セビージャからマラガ街道を東へ。
プエブラ・デ・カサージャの少し手前にある町、アラアル。
オリーブの実の産地として有名な、人口およそ2万人のこの町は、
すぐ近くのウトレーラやマイレーナ、マルチェーナ、モロンなどに比べると
フラメンコ・ファンにはあまり知られていないかもしれない。
が、この町は実はフラメンコ史上最高のカンタオーラ、
ニーニャ・デ・ロス・ペイネスゆかりの町。
セビージャ生まれの彼女だがその母の生まれ故郷がここなのであります。

またパストーラが夫ペペ・ピントと初めてであったのもこの町のカジノだそうな。
 パストーラが歌いにきたこのカジノ (スペイン語ではカシノ。社交倶楽部)で
ディーラーをつとめていたのがピントだったのだとか。
その建物は今も健在で、タパが豊富なバルもある。
閑話休題。

というわけでこの町のフラメンコ・フェスティバルには彼女の十八番のタンゴ、
アル・グルグーの名前がついているのであります。
今年で9回目となるこのフェスティバル、毎年、
チョコラーテやチャノ・ロバート、イスラエル・ガルバン、ホアキン・グリロ、
ヘラルド・ヌーニェス、ミゲル・ポベーダ、アルカンヘルなど
ベテランから新人まで注目のアーティストたちが登場してきた。

不況の嵐にもめげず、
今年は“フラメンコにおける女性”のオマージュとして
女性ばかりが登場するプログラムは下記の通り。

6/14(月)開会。〈c〉ペーニャ有志
6/15(火)〈c〉マリア・ホセ・カラスコ
6/16(水)カルメン・リナーレスへの公開インタビュー/〈c〉ロシオ・セグーラ
6/17(木)〈c〉マルティリオ
6/18(金)〈c〉ロシオ・マルケス、〈b〉ラ・モネータ
6/19(土)〈c〉マリナ・エレディア、〈b〉ロシオ・モリーナ

月〜水の会場は文化センターで入場無料。
木〜金はサント・クリスト広場に会場をうつし、入場料5ユーロ。
入場料600円って絶対お得。

8月の熱さといわれる猛暑の中、カテドラルそばのカサ・デ・プロビンシアで開かれた
記者会見で市長(右)は
「経済的に苦しい人でも家族で毎日いける価格を」
ほかのイベントの予算を削っても維持したそうな。


ちなみにこのフェスティバル、
多くのアンダルシアの村のフェスティバルのようなバルはない、
劇場感覚で楽しめる野外フェスティバルである。

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