2025年6月9日月曜日

アウロラ・レゲラと瀬戸口琴葉


 6月7日、セビージャのペーニャ、トーレス・マカレーナでセビージャ市/ビエナルのオーガナイズする市内のペーニャ公演シリーズの一環でアウロラ・レゲラ。このポスターだし(ちょっとオカルトもしくはカルト映画の趣じゃありませんか)、何する人かもわからず、誰?と検索。と、フルートとカンテの人と判明。ふむ。留学中の瀬戸口琴葉さんも出演するし、歌ガジだし、と。久しぶりに出かけて行ったのであります。無料ということもあってか超満員。

セビージャを代表するこの老舗ペーニャ、おそらく世界で一番、舞踊をわかっているペーニャ。スペインのペーニャはカンテ中心のところがほとんどで、毎週何がしかのイベントがあっても踊りがあるのは年に数回という感じなのだけどここは週に2回舞踊公演。24-25シーズンはハビエル・バロン、ホアキン・グリロなどの今も第一線で活躍し続けるベテランスターたちから新人(鈴木時丹くんも!)やまで様々なアーティストたちが出演してきました。いろいろな公演を毎週見ているから自然と目が肥えるのでしょうね。


さて公演。ギターのイントロにフルートで歌の部分を演奏しつつ登場。

ギター伴奏でカンテ・デ・レバンテ。歌のメロディを楽器で演奏というのはよくあるパターンだし、これ自体には新しさはないんだけれど、

ガジも登場した次のティエント/タンゴでは伴奏に回ったり歌ったり。ってその自由さは新しいかも。あ、歌う管楽器奏者といえばアントニオ・リサーナがいましたね。彼はサックスだけど、サンフェルナンド出身で歌もいいんですよ。今検索したらm去年日本にも行ってたみたい。ジャズの公演だと情報入ってきにくいから知らんかったけど。




公演の前に司会のお姉さんがはなしてたところによるとアウロラさんは22歳ってことなんで、まだまだ色々変わっていくことでしょう。でも歌、声がしっかり出ていて悪くない。

3曲目は椅子をのけてアレグリアス。個人的にはフルートと一番相性のいい曲だと思い込んでる。昔々、フアン・パリージャがタティのアレグリアス伴奏してるの見て刷り込まれたのかも。
司会のお姉さんはフルートは新しい、と言っていましたが、確かにフラメンコのフルート奏者って少ないかもですが、パコ・デ・ルシアのセクステットのホルヘ・パルド、ヘレスの名門パリージャファミリーのフアン、サラ・バラスやカニサレスとも共演してたドミンゴ・パトリシオもいますし、ウニオンの楽器部門の覇者、セルヒオ・デ・ロペもいます。

瀬戸口のアレグリアス、これが良かった。リズムを、歌を、フラメンコを全身で感じて楽しんでいる、という感じで、とびきりの笑顔で踊る。客席も盛り上がる。



休憩を挟んでの第二部はシギリージャから、ギターはウトレーラ出身というアマドール・ガバッリ。



いつもながらに安定感のあるエル・ガジの熱唱


そしてアウロラも歌う。まっすぐな、いいカンテ。上手いというのとはちょっと違う。もちろん下手なわけじゃない。好きで、自分の信じる真実に心を込めたという感じの、真っ直ぐさに好感が持てる。これから年を経てまた色々変わっていくことだろうけど、それもまた楽しみかも。



そしてソレア。再び瀬戸口登場。
場をしっかり支配して踊る。ゲストなんだけど、踊りは主役になっちゃうね。もちろん、彼女がそれだけ上手だと言うことで、なんだけど。マイクがないから靴音に消されがちというのもあるのかも。
ソレアはしっかり重みをつけて。


でもブレリアになるとやっぱ楽しいが勝っちゃうね。



とにかくお客さんがみんな満足してたみたいなのが何よりです。 


Fin de fiestaはこんな感じ。


なんか瀬戸口の踊り、今まで見た時よりもなんかちょっと変わってきたようにも思えました。人が見えてくるような感じがちょっと出てきた、というか。またぜひ見てみたい、と思ったことであります。あ、主役のアウロラもまた機会があったら聞いてみたいかも。



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