準決勝は3日に渡って行われそこから最終日の決勝に進む人が選ばれるというシステム。
その1日目は12人が出場。
トップバッターはエレキギター。インストゥルメンタル部門の出場者フランシスコ・ミゲル・ピノ。バルセロナ出身。パコ・デ・ルシアのミネーラをアレンジしたものとベース、カホンの入ったタンゴ。タンゴにはちょっと面白いところもあったけど新味はないかも。
カンテの一人目はコルドバの小さな白い町モントロ出身ルシア・レイバ、1986年生まれ。大賞であるランパラ・ミネーラの対象となるミネーラ、カルタへネーラ、ファンダンゴ・ミネーロとレバンティーカ、グラナイーナ・イ・メディア・グラナイーナと4部門にノミネート。一本調子でやたらひっぱって長くする。ってこれはコンクール常連者の特徴かもしれないけれど。
二人目ベルナルド・ミランダはコルドバのフェルナン・ヌニェス生まれ。アバンドラオとシギリージャ。つくってる感じ。今の世代はミゲル・ポベーダやアルカンヘルの影響って大きいんだな、と改めて感じさせる。歌もそうだけど特に動きがミゲルみたいだった。
三人目は地元カルタヘーナ出身のダビ・コントレーラス“カルドゥエリ”。舞台公演にも出演したそうだがアマチュア感。
ギターの一人目セビージャのマルティン・ファジョス“ニーニョ・マルティン” 。91年生まれ。経歴をみるとアルヘンティーナやアルカンヘルと仕事をしたとあるのだが、この人もアマチュア感が強い。
バイレの一人目はベゴニャ・アルセ。84年カディス生まれの彼女はタブラオ“ロス・ガジョス”のレギュラー。舞踊部門は2曲踊るのだが衣装替えのため間にほかの出場者をはさむ。まずはタラント。あがっているのか、いつものようなそつない踊りではなかったのは残念。櫛がとびお団子もくずれてしまったし、舞台一杯にではなく、半分くらいしか使わない小さい踊り。
カンテ4人目はマドリードのフィロメナ・アウニョン。ミネーラ、マラゲーニャとカルタへネーラの3曲ノミネート。面白みはないがきちんと歌っている感じか。
再びベゴニャ。マントンのカーニャ。カンパージョ兄妹の作品に彼女が出たときもたしか少し踊っていたのはこれではなかったか。得意曲のはずだが、うーん、どうなんだろう。これもいつもの調子がでていないのでは? せわしい感じでカーニャのしっとり感とかがなく残念。
カンテ5人目、65年グラナダ、オティバル出身のフリオ・ファハルドはタランタとソレア・アポラ。
そして舞踊二人目、石川慶子の登場。このコンクールのためにつくったタラント。最初、無表情であがっているのかと思っていたら踊りがすすむにつれて興がのってきたようで、どんどん表情がでてくるようになった。彼女の一番いいところをみせることができたのではないだろうか。ただ、光沢のある生地で金モールがついた衣装というのは、マヌエラ・カラスコのイメージかもしれないがタラントのもつソブリオな、地味な性質にあうかというとどうだろう。衣装や頭のしつらえも踊り手の表現方法のひとつ。それが彼女の個性だから、といわれればそれまでだが、コンクールのように、自分がどう踊りたいかだけでなく、観られてどう思われるかというのも考えなければならないー本当はいつでもそうなんだけれどーものでは、とくにシンプルに基本をおさえる方がいいのではないろうか、って老婆心ですが。
7にんめのイサベル・ファティマ・ゲレーロは83年マラガ県フエンヒローラ生まれ。歌い手バルキート・デ・フエンヒローラが父で闘牛士の肩飾りがついた衣装で登場。ミネーラ、タランタ、カルタへネーラ、タンゴと歌い、観客の支持をえていた。各地のコンクールで優勝しているので万をきして、なのだろう。
ギター二人目はアルメリア、アドラ出身のホセ・マリア・アマドール・フェルナンデス。トマティートやニーニョ・ホセーレの遠縁というが、タランタはファルセータをつなげるうちに収拾がつかなくなってしまった感じ。ロンデーニャはコピー。コピーでも本家をこえるくらいならいいのだが中途半端か。
最後は再び石川慶子でアレグリアス。バタ・デ・コーラにマントンで華やかに舞台一杯に踊り抜いた。表情もいい。舞台を楽しんだに違いない。
午後10時からはじまって終わったのは2時。4時間の長丁場で一日目終了。
0 件のコメント:
コメントを投稿