ガラ公演三日目はムルシアの日で、地元ラ・ウニオンのエンカルナシオン・フェルナンデスとカルロス・ピニャーナの二人が二部にわけて登場。
最初はエンカルナシオン・フェルナンデス。生まれはアリカンテのトーレビエハだが、ラ・ウニオン在住。1979年、80年と2年連続でランパラ・ミネーラ賞を獲得したカンテ・デ・ラス・ミーナスのスペシャリスト。父や弟、息子もギタリストでもともとは踊り手としてはじめたのだという。
1989年にやはりこのコンクールのギター部門で優勝している息子アントニオ・ムニョスの伴奏でマラゲーニャ、ソレア、タランタ。素のフラメンコ、という感じ。気負いもてらいもなく、まっすぐに歌う。パルマがはいってアレグリアス。
だが後半はキーボードやカホンが入り、うーん。いわゆる“テミータ”。流行歌風というかポップ風というか。こう言う感じのものをうまくやるのはたいへんだ。それも伝統的な歌い手には。ブレリアでスペイン歌謡の大御所ロシオ・フラードの「se nos rompio amor」を歌うのは、フェルナンダもやっていたし悪くないけれど、ナナをポップ調に歌うのはいかにも残念。ふつうに昔ながらのナナを歌ったらきっとすごくいい味が出ると思うから。この人は、イネス・バカンやペパ・デ・ベニートの路線がいいと思う、ってよけいなお世話ですが。
15分の休憩をはさんでカルロス・ピニャーナがムルシア交響楽団との共演で登場。交響楽団とプログラムにはあったけど、実際は管楽器はなく管弦楽団の編成。「クイダド・デ・ウナ・エセンシア」。作曲はカルロス自身だけど、 フアン・カルロス・エスクデロが編曲、たぶんオーケストレーションはこの人なのかな?
カルロスは96年ノコンクールで優勝しており、ソロアルバムを何枚も出している実力者。確実なテクニックできれいな音だ。グアヒーラやファルーカ、ルンバなどを題材にした曲が8つ。だが、その曲と曲のつながりはなく、うーん、なんかまとまりがない。
ビセンテ・アミーゴやマノロ・サンルーカルの 影響が随所にみられる。ギターが主役だと思っていたけど、オーケストラとのからみがあまりよくない。ギターをいかす編曲ではない、とでもいうのだろうか。残念。とくにピアノはいらないと思う。けんかしてる感じにきこえるし。ってまたよけいなお世話ですが。
それにしてもエストレージャ、サラは超満員だったのに、この日は半分ほどの入り。うーん、やっぱ有名人が人気で、地元アルティスタはだめなのかな? 今日はペレとカプージョ。いろんな意味で面白い組み合わせ。楽しみです。
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