2025年4月23日水曜日

マドリードのビエナル

マドリードのビエナルの記者発表が4月22日マドリードで行われました。

©︎ Bienal de Málaga



オフィシャルビデオはこちら

ビエナルは2年に一度という意味で、イタリア語でのビエンナーレ。フラメンコではセビージャのビエナルが有名ですね。他にもマラガやオランダなどでも開催されています。

マドリードのビエナルは市の主催。

◇マドリーのビエナル

5/23(金)~

5/23(金)20時開幕ガラ『フィエスタ・デ・ラ・ブレリア・デ・ヘレス』

[出]〈c〉トマシート、フアナ・ラ・デル・ピパ、ヘスス・メンデス、〈g〉ぺぺ・デル・モラオ、ルベン・マルティネス、〈fl〉フアン・パリージャ、〈perc〉ペリーコ・ナバロ、〈クアドロ〉マヌエル・デ・ラ・ニナ、ペドロ・エル・チャンキータ、ルイス・チャンキータ、フアナ・デル・モノ、ロシオ・バレンシア、サンドラ・リンコン、ピルロ、マルコス・カルピオ、〈b〉ティア・ジョジャ、ティア・クーラ

[場]マドリード シルコ・プリセ

5/24(土)21時30分『デ・ライス』/『エル・フエゴ・ケ・ジェボ・デントロ』

[出]〈perc〉バンドレーロ、ゲスト〈g〉パケテ、ルイス・アビチュエラ、cモンセ・コルテス、〈b〉ニノ・デ・ロス・レジェスほか/〈c〉レラ・ソト、〈g〉ルベン・マルティネスほか

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ

5/25(日)13時

[出]〈c〉アントニア・ヒメネス

[場]マドリード サン・イシドロ博物館

5/25(日)20時『プレセンテ』

[出]〈b〉フアン・トマス・デ・ラ・モリア

[場] マドリード アウディトリオ・カハ・デ・ムシカ

5/25(日)21時30分『マタンセラ』

[出]〈c〉ラ・トレメンディータ、ラ・カイータ

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ

5/26(月)20時『サクラトゥス』

[出]〈c〉アントニオ・カンポス、〈g〉ホセ・フェルミン、〈オルガン〉アントニオ・リナ~レス

[場]マドリード レアル・バシリカ・デ・サン・フランシスコ・エル・グランデ

5/27(火)20時『ベンゴ・ホンド』

[出]〈b〉マルコ・フローレス、〈c〉エル・キニ・デ・ヘレス、〈g〉ホセ・トマス

[場]マドリード マタデーロ ナベ・ウナ

5/27(火)21時30分『ア・オリージャス・デル・カンテ』

[出]〈c〉アントニオ・レジェス、エスペランサ・フェルナンデス、〈g〉ジョニ・ヒメネス

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ

5/28(水)20時『インタンヒブレ』

[出]〈b〉サラ・カレーロ

[場]マドリード マタデーロ ナベ・ウナ

5/28(水)21時30分『ディエシオチョ・クエルダス』

[出]〈g〉ヘラルド・ヌニェス、ダニ・デ・モロン、ジョニ・ヒメネス

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ

5/29(木)20時15分『アルパオラ』

[出]〈ハープ〉アナ・クリスマン

[場]マドリード パロキア・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デル・ペルぺトゥオ・ソコーロ

5/29(木)21時30分『金継ぎ』

[出]〈b〉エル・ファルー、〈g〉ホセ・ガルベス、〈c〉アントニオ・ビジャール、エセキエル・モントージャ、〈perc〉エル・ロロ

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ 

5/30(金)21時30分

[出]〈piano〉チコ・ペレス、〈フルート、サックス〉セルヒオ・デ・ロペほか

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ

5/31(土)13時

[出]〈g〉カルロス・デ・ハコバ

5/31(土)21時30分『プルソ・リブレ』

[出]〈b〉エドゥアルド・ゲレーロ

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ

6/1(日)12時『カンテ・デ・ムヘール』

[出]〈c〉ナイケ・ポンセほか、〈g〉テレサ・エルナンデス

[場]マドリード セントロ・セントロ パティオ・デ・オペラシオン

6/1(日)13時

[出]〈g〉ビクトル・フランコ

[場]マドリード サン・イシドロ博物館

6/1(日)20時

[出]〈b〉パウラ・コミトレ、フロレンシア・オス、カルメン・アングロ

[場]マドリード マタデーロ ナベ・ウナ

6/1(日)21時30分『インセルソ・ホンド』

[出]〈c〉フアン・ビジャール、ビセンテ・ソト、ホセ・デ・ラ・トマサ、ラ・マカニータ、〈g〉ノノ・レジェス、マヌエル・バレンシアほか

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ

6/2(月)21時30分『ロルカ!』

[出]〈c〉カルメン・リナ~レス、〈b〉ラファエラ・カラスコ

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ

6/3(火)20時『アルサ、テオリア・デ・ロ・エスポンタネオ』

[出]〈b〉エル・チョロ、〈c〉ヘスス・コルバチョ、〈管楽器〉フランシスコ・ロカ

[場]マドリード マタデーロ ナベ・ウナ

6/3(火)20時『ラ・ファミリア』

[出]〈b〉フリオ・ルイス、ゲスト〈c〉ぺぺ・デ・プーラほか

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ 劇場

6/3(火)21時30分『ロス・マグニフィコス』

[出]〈c〉サンドラ・カラスコ、〈piano〉アンドレス・バリオス、〈b〉ベレン・ロペス、〈g〉ダビ・デ・アラアル

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ

6/4(水)20時『マグニフィカ』

[出]〈b〉マリア・モレーノ、〈g〉ラウル・カンティサノ、〈c〉ミゲル・ラビ

[場]マドリード マタデーロ

6/4(水)20時『クアルテタ』

[出]〈b〉ロサリオ・トレド、〈c〉インマ・ラ・カルボネラ、エバ・ラ・レブリ

[場]マドリード コンデ・ドゥーケ

6/6(金)22時 閉幕ガラ

[出]〈c〉イスラエル・フェルナンデス、〈g〉ディエゴ・デル・モラオ、カルロス・デ・ハコバ、〈perc〉アネ・カラスコほか

[場]エンリケ・ティエルノ・ガルバン、アウディトリオ

[問] https://bienalflamencomadrid.com

2025年4月17日木曜日

公家千彰『TSUNA』

 フラメンコの特徴にその自由さがある。歌い手がどの歌詞をどのメロディで歌うのも自由だし、踊り手はその歌を聴いて即興で動きを自由に組み合わせて踊ることも多い。舞台作品では音楽も振り付けも決まっていることがい多いとはいえ、フラメンコをどう使うかはクリエイターの自由裁量。もちろん、どんなフラメンコをどう扱うかによって、フラメンコじゃないなどという外野の声を受けることもあるわけだけど。でも、フラメンコを演じることを目的にするのではなくフラメンコで演じることももちろんできるのだよなあ、などと渋谷区文化総合センター、伝承ホールからの帰り道、ぼうっと考えていたのでした。



渡辺綱と鬼の話、と聞いて、なんとなく予想しちゃうわけですね、長年日本のフラメンコも見ている身としては。チラシを見るとフラメンコのミュージシャンたちだけでなく、津軽三味線の奏者もいる。和物で武士と鬼の話。きっと着物風の衣装や刀などの衣装や小道具と三味線で和風味を出して物語を語るのだろうな、と。その予想があっていた部分もないわけじゃないのですが、衣装や小道具は和によりすぎず、こだわりすぎず、物語を語るのは活弁、すなわち無声映画で解説を語るお仕事の、山﨑バニラさんにまかせて(舞台を見ても物語がよくわからないというストレスがなくなる)、綱と鬼の話も現代的なテーマである差別の話を映し出したり、と、男の役だからといって極端な男装することもなく、男というより人として捉えている(ようだ)など、いろいろ、個として捉えるのではなく、より普遍的なものとしている試み(に見えた)も面白かった。

公家は姿勢の良さからだろうか、品格がある。女神感と言ってもいいかもしれない。舞台上での存在感と柔らかでどこか清らかな感じは独特。鬼を切るのが日本刀ではなく剣だったせいもあってか、和物というより、アドベンチャーゲームの主人公のようにも見えた。男でもなく女でもない綱。それは鬼を踊った奥濱春彦も同じで、この人は小松原舞踊団で錚々たるメンバーとの共演を重ねていることもあるのか、舞台での佇まいが素晴らしい。立ち姿がきれいなのだ。この二人のパレハ、カスタネットも使っての共演がこの夜の白眉だったと思う。

また、綱の同輩を踊った山下美希も、硬質なキリッとした踊りで常に目を引いたし、歌って踊った小谷野宏司も好演。ぺぺ・マジャ率いるスペイン人で固めたフラメンコミュージシャン(プラテアオの酒呑童子も面白!)と津軽三味線の対比、共演も興味深かったと思う。ただ、フラメンコ曲の歌詞は物語と全く関係ないというのは、日本のフラメンコとしては普通なのだろうが、スペインの作品を見慣れた私にはちょっと不思議な感じがしないでもなかったけれど、この劇場ならではの花道やセリを使ったり、観客席への声掛けなどもいろいろ工夫して作り上げていたのは好感が持てます。

これと決めた題材を丁寧に掘り起こし、イメージを積み重ね、真摯に作り上げた舞台だったと思います。

でもいつかソロで作品ではないフラメンコも見てみたいとも思ったことでありました。

2025年4月12日土曜日

2025年ロルカ賞

アンダルシアの舞台芸術アカデミーが おくるロルカ賞。

舞踊とフラメンコ/スペイン舞踊の部門が別々になっています。

第11回となる今年、授賞式は4月9日、授賞式は4月9日、セビージャのセントラル劇場で行われました。

2025年のフラメンコ関係の受賞者は以下の通り。

フラメンコ/スペイン舞踊作品賞『オルビダダス(ア・ラス・シンソンブレロ)

フラメンコ/スペイン舞踊女性ダンサー賞 パウラ・コミトレ『アプレ・ヴ、マダム』

フラメンコ/スペイン舞踊男性ダンサー賞 エル・チョロ『プレンデル、ウン・アクト・デ・コンブスティオン』

制作賞 『カプリチョス』



2025年4月11日金曜日

エバにオリヴィエ賞

エバ・ジェルバブエナが、英国で最も権威のあるとされる舞台芸術へのローレンス・オリヴィエ 賞の舞踊部門、傑出した功績賞を受賞しました。これは昨年サッドラーウエルズ劇場で上演された作品『ジェルバグエナ(オスクーロ・ブリジャンテ)』でのパフォーマンスを評価されたもの。

4月6日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われた授賞式には出席できなかったが、10日、昨年、賞の対象となった公演を行なったロンドン・フラメンコ・フェスティバルのプログラム発表記者会見で同フェスティバル監督ミゲル・マリンから手渡されました。

©︎ Flamenco Festival



フェスティバルの


公式ビデオあげておきますね。

2025年4月10日木曜日

ロンドン フラメンコ・フェスティバル

 ロンドン、フラメンコ、フェスティバルのプログラムがセビージャのSGAEスペイン著作権者協会のアンダルシア支部で発表されました。

20周年の記念べきする今回は、5月27日から6月8日まで、サッドラーウエルズ劇場を中心に、17のカンパニーによる25公演が行われます。

©︎ Flamenco Festival

◇フラメンコ・フェスティバル

5/27(火)~31(土)19時30分、6/1(日)15時『ブエラ』

[出]〈b〉サラ・バラス舞踊団

6/2(月)19時30分『ムエルタ・デ・アモール』

[出]〈b〉マヌエル・リニャン・カンパニー

6/3(火)19時30分『ロマンセーロ・デル・バイレ・フラメンコ』

[出]〈b〉メルセデス・ルイス舞踊団

6/4(水)19時30分『コン・シエルト・フラメンコ』

[出]〈b〉ファルキート

6/6(木)19時30分、7(金)15時と19時30分『ピネーダ』

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団

[場]英国 ロンドン サッドラーウエルズ メイン・ハウス

6/8(土)19時30分『レタブロ・エクスペリメンタル・ソブレ・エル・バイレ・フラメンコ』

[出]〈b〉エステベス/パーニョス・イ・コンパニア

[場]英国 ロンドン サッドラーウエルズ イースト

5/29(木)19時30分『ミラーダス』

[出]〈g〉アレハンドロ・ウルタード、〈〈b〉〉インマクラーダ・サロモン

5/30(金)19時30分『ラス・トレス・オリージャス』

[出]〈g〉マヌエル・バレンシア、〈b〉エル・チョロ

6/8(日)19時30分『アルモニア・フラメンカ』

[出]〈g〉アルバロ・マルティネーテ、〈b〉クラウディア・ラ・デブラ

[場]英国 ロンドン キングス・プレース

5/31(土)18時『レフレクシオン・ソブレ・ラス・パルカス』

[出]〈b〉パウラ・コミトレ、フロレンシア・オス、カルメン・アングロ

5/31(土)20時30分『マタンセラ』

[出]〈c〉ラ・トレメンディータ

6/5(水)18時『フラメンコ・ポル・カンタオーラ』

[出]〈c〉アルヘンティーナ

6/5(水)20時30分『エン・アクースティコ』

[出]〈c〉ケラルト・ラオス

6/6(木)18時『エル・フエゴ・ケ・ジェボ・デントロ』

[出]〈c〉レラ・ソト

6/6(木)20時30分『エン・コンシエルト』

[出]〈c〉アンヘレス・トレダーノ

[場]英国 ロンドン リリアン・ベイリス・ストゥディオ

5/31(土)20時『フラメンカス』

[出]ラス・ミガス

6/7(土)17時と20時『ロネオ・ファンク・クルブ』

[出]ラ・プラスエラ

[場]英国 ロンドン ジャズ・カフェ

[問] https://flamencofestival.org/es/ff-londres-2025/

2025年3月29日土曜日

ペーニャ、トーレ・マカレーナでの鈴木時丹

ペーニャ、トーレス・マカレーナでの鈴木時丹

328日、セビージャのペーニャ、トーレス・マカレーナに鈴木時丹が出演しました。 スペインでの初舞台はヘレスでしたが他の日本人ダンサーたちとの共演だったので、カベサ・デ・カルテル、自分の名前でソロでのデビューとなりました。

第一部はメキシコ出身ダニエル・メヒアのギターソロ、




カンテソロのファンダンゴ(フアニは渾身のファンダンゴ・ナトゥラレスの後、セバスティアン・サンチェスはファンダンゴ・デ・ウエルバ)に続いて、



アレグリアス。

緊張していたのか、最初、ちょっと硬い表情だったけど、曲が進むにつけ表情も解けていき、



ブレリアになると生き生きとして全身でリズムを楽しんでいる感じが客席に伝わってくる。




客席も湧くし、共演のミュージシャンたちも嬉しそう。




休憩を挟んでの第二部ではカンテソロでタンゴ。



そしてソレア。



歌をしっかり聴いてマルカールしていきます。レトラの途中で足は入れない。最後にレマタールで、句読点のように刻むだけ。昔ながらの踊り方だけど、レトラ関係なく怒涛の足技全盛の現在、かえって新鮮で、フラメンコへのレスペト、敬意が感じられて良き。






踊りの熱に釣り込まれ歌い手も本気の熱唱。踊りの起承転結とか、構成とか、どう見せようとか、というよりも、歌を踊る、に特化してて、ある意味、プリミティブなフラメンコ。

とりあえず最高、ではあるのだけど、もっと、というなら、曲の性格にもっと入り込んで演じてもいいな、とも思うし、クエルポ、トロンコの使い方も、斜めとか捻るとかもっと色々できるようにも思います。伸び代、可能性も含めて、これからどう展開していくのかとても楽しみな踊り手であります。

最後、ちゃんとスペイン語で挨拶して、ミュージシャンや、ペーニャ、会長、今回ライブを支えてくれたペテーテへの感謝の言葉も述べて、最後はフィン・デ・フィエスタ。会場にはたくさんの日本人留学生?が来ていたのだけど、舞台に上がったのはここで踊ったことのある萩原淳子と瀬戸口琴葉だけ。それぞれに魅力的で長すぎないパタイータで魅せてくれました。

いやいや、フラメンコってやっぱ最高じゃん? と思わせてくれました。

真面目な話、観ている時、誰が踊っている、とか、考えていませんでした。日本人だろうが、スペイン人だろうが、宇宙人だろうが、いいものはいい。それに尽きます。観終わった後で、彼、日本人じゃん、すごくない?とかちょっと興奮しましたけれど。

ビデオをお裾分け。時丹くんと踊っているのがペテーテです。


追記

スペインのフラメンコ専門サイトでも絶賛されてました。

https://expoflamenco.com/revista/jitan-suzuki-alborota-con-su-baile-torres-macarena/

このサイト、日本語もあるけど自動翻訳でやってるのでかなりメチャクチャで、読みにくいですがスペイン語わからん、という人はこちらでも褒めているのはわかると思います。




2025年3月25日火曜日

第5回フラメンコとスペイン舞踊学校国際会合

第5回フラメンコとスペイン舞踊学校国際会合が、ムルシアのラ・ウニオンで3月19日から23日まで開催されました。これはフラメンコのマネージメントやイベントを手がける会社が、ラ・ウニオン市の協力で開催したもので、毎年8月、カンテ・デ・ラス・ミーナスのフェスティバルが開催されるので有名なこの街に各地のフラメンコ学校の生徒が集まり、講演を聴いたりマスタークラスを受けたり、舞台で踊ったりするイベントです。



21日金曜にはかつてコンクールで優勝した踊り手たちが集うガラ・デスプランテスが開催。ラ・モネータ(2003)、ルシア・ラ、ピニョーナ(2011)、エドゥアルド・ゲレーロ(2013)、ベレン・ロペス(2016)、フェルナンド・ヒメネス(2017)、ウーゴ・ロペス(2018)、パウラ・ロドリゲス(2021)、イレネ・ロサノ(2022)らが出演しました。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas


 出演者がそれぞれトロフィーを手にしています。壮観!

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas 


また22日にはマヌエル・リニャン『ムエルタ・デ・アモール』が上演。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas



最終日には今年初めて開催された、若きデスプランテ賞コンクールの決勝が行われ、ムルシアのパウラ・カブレラ、グラナダのマティアス・カンポス、マラガのルベン・ゲレロ、マドリードのクラウディア・サンチェスらが出場。
優勝は、グラナダのマティアス・カンポでした。
すでにアントニオ・カナーレスと共演するなど、プロとしても舞台に立っている彼、将来が楽しみです。まだ15歳、これからどんな変身を見せてくれるのでしょう。

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas

©︎ Festival Internacional de Cante de Las Minas



ガラ公演の様子があったので貼っときますね。


2025年3月23日日曜日

ヘレスのフェスティバル各賞

 ヘレスのフェスティバルの各賞が発表されました。

ヘレスのフェスティバルでは、毎年終了後に各省が発表されますが、これらはフェスティバルによるものではなく、さまざまな機関がそれぞれの選び方も違います。

最初に発表されたのは観客賞。3月14日のことでした。これはビジャマルタ劇場での公演が対象で、地元ヘレスの日刊紙、ディアリオ・デ・ヘレスによるもので、観客の投票によって決定します。今年の受賞はマヌエル・リニャンの『ムエルタ・デ・アモール』で、観客の投票で最も高く評価されました。


© Festival de Jerez/Esteban Abión

ちなみに2位はエドゥアルド・ゲレーロ『エル・マント・イ・ス・オホ』、3位はメルセデス・デ・コルドバ『オルビダダス』だったそうです。

同日、ヘレスのペーニャ協会がおくる、伴唱賞とペーニャ公演新人賞も発表されました。これは、ペーニャ協会幹部と、舞踊教授アナ・マリア・ロペス、歌い手ゴメス・デ・ヘレス、ディアリオ・デ・ヘレス紙フラメンコ批評家バレリア・レジェス・ソト、フェスティバル及びビジャマルタ劇場監督カルロス・グラナドスの討議により、全会一致で、伴唱賞はリニャンの『ムエルタ・デ・アモール』やアルベルト・セジェスとミゲル・アンヘル・エレディア『トレムラ』に出演した1989年ヘレス生まれで2018年頃からタブラオや劇場公演で活躍しているフアン・ヌニェス・ペーニャ“フアン・デ・マリア”に

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

ペーニャ公演新人賞は2月28日、ドン・アントニオ・チャコンで公演した地元ヘレス出身のイレネ・オリバレスに決定しました。

3月19日に発表されたのはヘレスのフラメンコ学会がシェリー産地統制委員会をスポンサーとしておくる批評家賞。これは批評家や研究家など識者の投票で選出されるもので、数ある賞の中で最も古くからあり、第一回は1999年でした。現在はビジャマルタ劇場での公演のみが対象ですが、かつてはサラ・コンパニアでのホセ・ウダエタ『エル・セクレト・デ・カスタニュエラ』が受賞したこともありました。今年の受賞はマルコ・フローレス『ティエラ・ビルヘン』。こちらはマヌエル・リニャンとの決選投票を得ての受賞でした。かつて共演を重ねた仲間が競い合うのも何かの縁なのでしょう。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

3月21日、最後に発表されたのはフェスティバルが識者の投票を集計する三つの賞。ゴンサレス・ビアス社がスポンサーの新人賞と、ホセ・イグナシオ・フランコがおくる魂のギター賞と作曲賞。

新人賞はエステラ・アロンソ。


© Festival de Jerez/Esteban Abión

ギター賞はイスラエル・ガルバン公演で弾いたラファエル・ロドリゲス、
© Festival de Jerez/Esteban Abión

作曲賞はラファエラ・カラスコ作品の音楽を担当したヘスス・トーレスでした。
© Festival de Jerez/Tamara Pastora