2025年11月30日日曜日

ロサリオ“ラ・トレメンディータ”『トランシト』

セントラル劇場でのアンダルシア・フラメンコ、28日はロサリオ“ラ・トレメンディータ”。
これがまた良かった。とっても良かった。1時間ちょっとのコンサートがあっという間だった。
ドラムス、パーカッションのマヌエル・レイナとギターのダニ・デ・モロン、そしてトレメンディータはエレキベースを弾き語りのトリオ構成。

フラメンコとロックが組み合わさったようなスタイル。でもそれがとても自然。フラメンコとロックを組み合わせようとしてやったのではなく、小さい頃から聞いてきた音楽はフラメンコだけじゃない。おばあちゃんが歌っていたブレリアのリズムのスペイン歌謡もロックもジャズもポップスも、と、色んな音楽が彼女の中ではぐくまれ、こういう形になったんだな、と誰もが納得できるような感じ。
彼女の誠実さが、こういう、独自のスタイルを生み出したんだなあ、と。気持ちがいいほどに彼女の本気、彼女の本当、彼女の真実が伝わってくる。圧倒的な本物感。

ロックなドラムスが刻むコンパスでのトナ。普通のカンテソロだとモダンだなあ、歌いにくくないのかな、と感じるダニのギターもトレメンディータとはぴったりで、相乗効果でより良くなっていくような。ミロンガも良かったけど、ソレアがこの日の最高峰だな、私にとっては。

ロサリオは小さい時から、いわゆる正統派のカンテを歌い、14歳?でウニオンに挑戦したり(この時初めて聞いた。受賞ならず泣いていたのを覚えている)、コルドバのコンクールで優勝したりして、各地のペーニャやフェスティバルでも歌っていた。その後、ロシオ・モリーナと組んで来日公演にも参加していたのを覚えている人もいることだろう。

ソロ、舞踊伴唱など、王道の経験もしっかり積んでの今なのだ。
フラメンコの、カンテのベースがしっかりしていて揺るぎがないからこそ、ベースで弾き語りしようが、むっちゃロックなドラムスが入ろうが、安心していられる。
昔のイスラエル・ガルバンをちょっと思い出した。フラメンコのベースをきちんと築いた上での冒険。型を知り尽くしてからの型破り。
 


アンコールで、「セール・フェリス!」幸せになって!と叫んでいたけど、ありがとう。あなたの音楽で私たちは皆幸せになれました。

なお、会場にはトリアーナの先輩、エスペランサ・フェルナンデスやかつて共演したアンドレス・マリンやホセ・アセド、アリシア・マルケス夫妻なども顔を見せていましたよ。で皆大絶賛!だよね。

2025年11月28日金曜日

アナ・モラーレスenトーレス・マカレーナ

 ペーニャ、トーレス・マカレーナのニーニャ・デ・ロス・ペイネス週間に再び。

8時からはセビージャのビエナルの生みの親で長年監督も務めたsフラメンコ研究家で詩人ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボによるニーニャ・デ・ロス・ペイネスについての講演。


昨年の続きとのことでしたが、最初に話した、今は高く評価されているけれど、生きている間になぜ、カンテ黄金の鍵が授与されなかったのか、彼女が女性で、ヒターナで、未婚の母で、10歳下の人と結婚して、自分の好きなように生きたから? という問いが印象に残りました。30年代の彼女の公演の話から、内戦の時、負けた側の公演に出演していたことからか戦後は恵まれなかったことなど、知らなかった話がたくさん。そのお話をギターで伴奏していたのはダビ・デ・アナ。ホセ、ルイスと同じアルチドーナ出身でコルドバ音楽学校在学中だけど、グラナダやマラガのタブラオなどでも活躍しているそう。お母さんが踊り手のアナ・パストラナ。台本のないお話の伴奏、って大変だと思うけど、ようございました。



休憩を挟んでアナ・モラーレス。

フランシスコ・ビヌエサのギターソロ、



エストレマドゥーラ出身のマヌエル・パハレスのカンテソロはカンティーニャ。




楽屋から歌いながら登場したロンドロも加わり、タラント。

抑制された中にさまざまな感情が見え隠れする。悲哀、嘆き、やりきれなさ、悔しさ、ささやかな喜び…伝統的なスタイルへの敬意。形の美しさ。細部まで気を使って、ニュアンスを出して。ギターの音に、歌に呼応する動き。踊り。


休憩を挟んで今度はロンドロのカンテソロはソレア。


そしてシギリージャ。


その前に聞いていたパストーラの話が私の頭のどこかに残っていたのだろう。私には女の苦しみと自由を求める闘い、昇華していくように見えた。途中でもろ肌ぬぎになったこともそう思わせたのかも。

彼女は自由。自由にフラメンコを踊る。でもその自由を勝ち取るためには想像できないようなたくさんの稽古、経験、知識があるわけで。それって人生と同じかもしれない、とか思ったり。

フラメンコは自由。

フィン・デ・フィエスタの様子載せときますね。短くても充実。
先週すごい舞台見せてくれたパトリとアナは戦友みたいなものなのじゃないかな。ある境地まで辿り着いた人だけが共有できる思いみたいなものが二人の間にはありそう。そんな気がする。



第30回ヘレスのフェスティバル プログラム発表

来年のヘレスのフェスティバルのプログラムが発表にな李ました。

入場券j発売は12月4日から。サラ・コンパニアでの公演など売り切れ必須のものもありますし、またフェスティバルのクルシージョに申し込んだ人も、クルシージョのない日やビジャマルタ劇場以外の公演は有料で購入しなくてはならないのでお気をつけて。

個人的にはビジャマルタ劇場初登場のホセ・マジャがすごく気になる。あとエステベス/パーニョスの新作初演も。元スペイン国立バレエ団のセルヒオ・ベルナルも退団後のソロとなってからは初出演でビジャマルタ劇場。 今からいろいろ楽しみです。





◇第30回ヘレスのフェスティバル

2/20(金)20時30分『ライセス・デル・アルマ』

[出]〈b〉マヌエラ・カルピオ、サライ・ガルシア、ロシオ・マリン、スサナ・カサス、特別協力〈c〉ラ・マカニータ、ホセ・バレンシア、マヌエル・モネオ“バルージョ”、エル・トロ、アンヘリータ・モントージャ、アナベル・バレンシアほか

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

2/21(土)18時30分

[出]〈b〉ニノ・デ・ロス・レジェス

[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター

2/21(土)20時30分『フロンテーラス・エン・エル・アイレ』

[出]〈b〉ヌエボ・バレエ・エスパニョール、特別協力〈b〉エレナ・マルティン

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

2/21(土)23時『ソロ・ギターラ』

[出]〈g〉サンティアゴ・ララ

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

2/22(日)18時30分『ナトゥラル』

[出]〈b〉ファルー、ゲスト〈c〉ラファエル・デ・ウトレーラ

[場]ヘレス サラ・コンパニア

2/22(日)20時30分『ラ・マテリア』

[出]〈b〉オルガ・ペリセ、舞踊/ダニエル・アブレウ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

2/22(日)23時『アベセダリオ・フラメンコ』

[出]〈c〉アルカンヘル

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

2/23(月)18時30分『デ・ヘレス・アル・シエロ』

[出]〈piano〉ミリアム・メンデス

[場]ヘレス ラ・ゴテラ・デ・アソテア劇場

2/23(月)20時30分『レブリサ』

[出]〈b〉 コンチャ・バルガス。〈c〉イネス・バカン

[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター

2/24(火)18時30分『クエスティオン・デ・ティエンポ』初演

[出]〈b〉ディエゴ・アギラール、ウーゴ・アギラール

[場]ヘレス サラ・コンパニア

2/24(火)20時30分『ドンセジャス(フエルガ・ペルマネンテ)』

[出]〈b〉エステベス/パーニョス

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

2/25(水)18時30分『ラ・ファミリア』

[出]〈b〉フリオ・ルイス、ゲスト〈c〉ぺぺ・デ・プーラ

[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター

2/25(水)20時30分『エル・レナセル』

[出]〈b〉サラ・カレーロ、〈c〉ヘマ・カバジェーロ、ゲスト〈コントラバス〉パブロ・マルティン・カミネロ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

2/26(木)18時30分『ゲレラ』

[出]〈b〉カルメン・エレラ

[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター

2/26(木)20時30分/パライソ』

[出]〈b〉アンドレス・マリン、アナ・モラーレス

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

2/27(金)18時30分『パイサヘ・フラメンコ・アンダルース・コン・ホンドゥーラス』

[出]〈b〉イレネ・オリバレス、ゲスト〈c〉ホセ・デ・ロス・カマロネス、パコ・モジャノ

[場]ヘレス サラ・コンパニア

2/27(金)20時30分『ロダン』

[出]〈b〉セルヒオ・ベルナル

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

2/27(金)23時『エル・フエゴ・ケ・ジェボ・デントロ』

[出]〈c〉レラ・ソト・ゲスト〈c〉ビセンテ・ソト、ルイサ・エレディア、〈g〉ディエゴ・デル・モラオ、クーロ・カラスコ、リカルド・モレーノ、ダビ・セレドゥエラ

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

2/28(土)18時30分『カルネ・デ・ペッロ』

[出]〈b〉エレナ・マルティン

[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター

2/28(土)20時30分『ガラ・ヘレス』フェスティバル30周年記念

[出]〈b〉メルセデス・ルイス、レオノール・レアル、サロメ・ラミレス、特別協力〈b〉アンへリータ・ゴメス、アナ・マリア・ロペス、チキ・デ・ヘレス

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

2/28(土)23時『ロ・ケ・ナディエ・べ』

[出]〈c〉エセキエル・ベニテス

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

3/1(日)18時30分『ロス・マグニフィコス』

[出]〈c〉サンドラ・カラスコ、〈piano〉アンドレス・バリオス、〈b〉エル・ジジョ、〈g〉ダビ・デ・アラアル

[場]ヘレス サラ・ラ・コンパニア

3/1(日)20時30分『ラティドス』

[出]〈b〉ベレン・ロペス

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

3/1(日)23時

[出]〈c〉マイテ・マルティン、〈g〉ホセ・ガルベス

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

3/2(月)18時30分『ア・カマロン・イ・パコ・デ・ルシア』

[出]〈piano〉アントン・コルテス

[場]ヘレス ラ・ゴテラ・デ・アソテア劇場

3/2(月)20時30分『バベル』(ワークインプログレス)

[出]〈b〉ダビ・コリア

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

3/2(月)23時

[出]〈g〉ジェライ・コルテス

[場]ヘレス ラ・アタラジャ博物館

3/3(火)18時30分『パロ・コルタオ』

[出]〈b〉サロメ・ラミレス、ゲスト〈c〉ミゲル・アンヘル・エレディア

[場]ヘレス サラ・ラ・コンパニア

3/3(火)20時30分『ティエラ・ベンディタ』

[出]〈b〉アンダルシア舞踊団時代

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

3/4(水)18時30分『パトロン』

[出]〈b〉オルーコ、ゲスト〈b〉ロシオ・モリーナ

[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター

3/4(水)20時30分『ティトゥロ・テンタティボ』

[出]〈b〉ヘスス・カルモナ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

3/5(木)18時30分『レアルタ』

[出]〈c〉ホセ・モントージャ“ベレンヘノ”

[場]ヘレス サラ・ラ・コンパニア

3/5(木)20時30分

[出]〈b〉マリア・モレーノ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

3/5(木)23時

[出]〈c〉アルバ・バサン

[場]ヘレス パラシオ・ビジャビセンシオ

3/6(金)18時30分『マルティニコス、レ・ディ・ア・ミ・クエルポ』

[出]〈c〉ダビ・ラゴス、〈〈b〉〉レオノール・レアル、〈g〉マヌエル・バレンシア、プロジェクト・ロルカ

[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター

3/6(金)20時30分『コロール・シン・ノンブレ』

[出]〈b〉ホセ・マジャ

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

3/6(金)23時

[出]〈c〉ミゲル・ラビ

[場]ヘレス パラシオ・ビジャビセンシオ

3/7(土)18時30分『アルテ』

[出]〈b〉ベアトリス・モラレス

[場]ヘレス ブラス・インファンテ文化センター

3/7(土)20時30分

[出]〈b〉ラ・ルピ舞踊団、ゲスト〈b〉ミゲル・アンヘル・コルバチョ、

[場]ヘレス ビジャマルタ劇場

[問]https://www.festivaldejerez.es/



 

2025年11月23日日曜日

マリア・テレモート『マニフェスト』/アンダルシア・フラメンコ

どこに行こうとしているのかな。そんな気持ちになったマリアのリサイタル。

 マリア・テレモートはフェルナンド・テレモートの娘、テレモート・デ・ヘレスの孫。名門の血筋に恥じない実力で、今、最も活躍している若手カンタオーラ。とにかくうまい。フラメンコはもちろん、何を歌わせても上手い。天性の才能に恵まれている。でも何を歌っても上手いというところからか、フラメンコだけじゃなく、フラメンコ系歌謡曲みたいなものも歌うわけで、もちろんそれも上手なんだけど、フラメンコ好きとしては、いやそうじゃなくて、もっとフラメンコ・フラメンコを聴かせて、って気になるわけです。

舞台奥を高くして真ん中に階段。下手に机が斜めに、上手にはキーボードが置かれ、曲ごとに歌う場所を変え、バックに映像を流す、衣装を2度変えるなど、単なるコンサート、シンプルなリサイタルではなく、“作品”という感じ。

『マニフィエスト』は今年発表されたアルバムで、2018年のデビューアルバムに次ぐ2枚目。そのアルバムと同じく無伴奏の『ア・ラ・ムエルテ』で始まり、最後はブレリア。ソレアやアレグリアス、レバンテ、ベルディアーレスも歌ったし、キーボード弾きながらソロンゴ/アンダ・ハレオ歌ったりもしている。シギリージャは、さすがヘレスの歌いっぷりで感服したのでありますが、ローレ・イ・マヌエルの曲やフラメンコ系歌謡のインディア・マルティネスとのデュオ(歌ったのは亡くなった父の作品)や、ルンバで客席に繰り返しのところを歌わせるところなどの印象が強くて、また、観客もそれを目当てに来ていたぽい人たちも多く、大盛り上がりな人とかもいるのだけれど、そういうところでなんか冷めていく自分もいたのも事実であります。

エバ・ジェルバブエナのコンテンポラリーみたいなもんで、マリアはこっち系も好きで、彼女のフラメンコを見るためには、こういうのも見なくちゃなんだろうな、とわかってはいるんだけど、観客はわがままなものでございまして、いや、もういっそ、椅子に座って、ギター伴奏で普通にカンテをまっすぐ歌ってくれてた方がいいのに、とか思うのでありました。わかってるんですよ、そういうありきたりのリサイタルにしないよう工夫してるのとかも。でもそれなら映像と歌をもっとリンクさせるべきだとも思うし、衣装も曲に合わせるとかもあってもいい。なんか道半ばなのかな。

とはいえ、舞台から彼女が語った通りまだ25歳。15歳でプロとなりハードな日々を過ごしてきたというのも真実だし、これからもきっといろんな顔を見せてくれるんだろうな、とは思う。舞台演出に、フラメンコの知識がある演出家を使って整理するともっと良くなるだろうし。照明も顔が影になること多かったり、反対に2枚目の衣装では照明で足の形がそのまま透けて見えているのも本意ではなかったろうし。


今年の初めにフランス、ニームのフェスティバルでの公演の模様のビデオ貼っときますね。

衣装、これの方が良かったんじゃないかな。



なお、ノノ・ヘロのギター(ギターソロのブレリアようござんした)も、フアン・ディエゴ・バレンシア、マヌエル・バレンシア、マヌエル・カンタローテ、3人のパルマ、ようございました。パルマ大切。

なお、新譜はYouTubeにもあるよ。

https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mKHbxrhPvEbYu_r5mx438S2Zw7K5MriiE&si=d1WDz98QdSZzA-gg




2025年11月22日土曜日

メルセデス・ルイスとサンティアゴ・ララ『ドゥアル』アンダルシア・フラメンコ

 バイラオーラとギタリスト、夫婦二人だけの舞台。フラメンコのメッカ、ヘレスの二人が作ったのは、カンテ不在のフラメンコの舞台。カンテが空気のように存在するアンダルシアの人にとっては新鮮に思えるのかもしれないけれど、かつて日本ではカンテなしでギターだけでのフラメンコが普通だった時代を知っている私のような者にとっては昔に戻るような感じもちょっとする。

オープニングそして最後が『禁じられた遊び』というのは外国公演とかを考えた選曲なのかな? バタ・デ・コーラのソレア、ラモン・モントージャの録音のロンデーニャ、マヌエル・モラオのシギリージャのソロの映像にカスタネットで絡むメルセデス、白い短いジャケットに細かい花柄の衣装で踊るファルーカはサビーカスの曲で伴奏。ギターソロはブレリア、そしてサラサーテのサパテアードをソフト帽、背広のようなジャケットで踊り、最後フィン・デ・フィエスタという感じでメルセデスがちょっと歌いつつ踊ったのでありました。

マントンやアバニコ、カスタネットというのはなんか、マリア・パヘスの影響なのかな。とりあえず色々全部できるけど、この人のこれは誰よりも魅力的、みたいなものがあるといいんだろうな。一観客が贅沢言ってるんじゃない、って自分でも思うけど、でもそれがあれば強いのにな、と思ったことでした。あと、サンティアゴの先日のリサイタルとレパートリーが、ソレア、ファルーカ、サパテアードとモロかぶりだったこともあって、なんか損した気分で不完全燃焼。いやいつも引き慣れた曲弾いたってだけでしょうけどね。

プロモーションビデオがあったので貼っときます。




作品としてはすでに各地で公演しているようで、作品としてのまとまりはできているし、出演者も二人だけなので出演料や経費も抑えられるからツアーの可能性は高くなるのかもね。と思いつつググると、もうすでにアメリカ、イギリス、中国などあちこちこれで公演しているんですね、なるほど。







2025年11月21日金曜日

パトリシア・ゲレーロenトーレス・マカレーナ

 最高だった。見るだけで幸せになる魔法のフラメンコ、いやフラメンコの魔法?

パトリシア・ゲレーロ、今、私が一番好きな踊り手。それがセビージャの老舗ペーニャ、トーレス・マカレーナで踊るというのだから、そりゃ行くでしょ。幹部会員であるお友達に誘ってもらったので一番前の特等席に座ります。ちなみにこの日は予約だけで超満員。

ギターはダニ・デ・モロン、歌はセルヒオ・エル・コロラオというからいつも劇場で共演しているメンバー。いや、それをマイクなし、息づかいまで聞こえるようなスペースで、っていうのにもドキドキ。


ギターのイントロが始まる。シギリージャ。

フラメンコの曲種の中でも最もシリアスで悲劇的なこの曲を男装で、直線的な表現で。


くっきりと際立つサパテアード。回転ごとに変わるニュアンス。
間合いの良さ。

もっと写真を撮るつもりだったのだけど、見惚れてしまって手が止まってしまった。次は何がくるんだろうと目が離せない。
ギターソロはいろんな曲種のリズムが混在するポプリ。『ピネーダ』でのフレーズもあったように思うのでピネーダ組曲みたいな感じなのかな。

カンテソロはティエント

そこから二曲目のタンゴへ。これがまた素晴らしかった。歌い手もグラナダの人だけど、グラナダにこだわりすぎないフラメンコのタンゴ。


洞窟のおばあちゃんたちが昔から踊り続けている、ティピカルな振りも彼女にかかれば新しく見えてくる。古いものと新しいものの混ざり具合がちょうどいい。


センスがいいのだ。
休憩を挟んだ第二部はカンテソロでのアレグリアス。
そしてソレア・ポル・ブレリア。




圧巻。形と間合いとこころざし。勢い。力、心。
最後、舞台からさっていくところをお裾分け。



最後はアンダルシア舞踊団の若手たちとアナ・モラーレスが舞台に上がってフィン・デ・フィエスタ。

最高のフラメンコ見せていただきました。幸せいっぱい胸いっぱいな夜でございました


2025年11月20日木曜日

カラカフェ en カフェカンタンテ

存在そのものがフラメンコ、という人たちがいる。マヌエラ・カラスコやアウロラ・バルガスがそう。何もしなくてもそこにいるだけでフラメンコを感じさせる。ギターのエミリオ・カラカフェもそんな一人。




その彼が、川沿いの店で10月11月の毎週火曜日にやっているカフェ・カンタンテというライブに出演。観てきました。

何にもしなくてもフラメンコな人が弾くギター。スペイン歌謡集(カルメン・デ・エスパーニャ、ビエンパガー、オホス・ベルデスなどスペイン人なら誰でも知ってるなつかしの歌謡曲)やったり、カマロンも歌ったドミニカの歌手フアン・ルイス・ゲラの『アモール・デ・コヌーコ』やら、その曲と同じアルバムの『ソイ・ヒターノ』を演奏したり、自由自在。なんでもフラメンコになってしまう。音と間合い。音が深いんだよ。
こないだダビ・デ・アラアルを静寂を音楽にすると言ったけど、この人もそうで、音出さずに回っているコンパスをビンビンに感じさせてくれる。
歌い手フアニ・デ・ラス・トレス・ミルが歌ったソレア・ポル・ブレリアとファンダンゴ、最後のブレリアもぜーんぶよかった。彼を最初に聴いたのは鈴木時丹君の公演の時で、その時もどこにこんな才能が眠ってたん?とびっくりしたのだけど、いやいや、マジでいい歌い手です。
ビデオでお裾分け。パーカッションはドクトル・ケリ。長年、カラカフェと一緒にアララという、ラス・トレス・ミルという、低所得者が多く、ヒターノさんもいっぱいな地区で、ドラッグなどに行かないようにとフラメンコのクラスをしている財団で教えている人。サウラ監『フラメンコ』やガトリフ『ベンゴ』にも出演してたベテラン。


なお、このライブ、来週はカニート、再来週はリカルド・モレーノが出演して、11月いっぱい続きます。その次は3月ごろにまた開始するかもとのこと。