GUIRIJONDO©︎ perezventura |
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歌ソロを挟みながら、タラント、バンベーラ、アレグリアと3曲、力強く踊りました。アレグリアスはバタにマントンで華やかに。
伴奏のエル・ペルラ、伴唱のホセ・アニージョが良かったです。
スペイン、セビージャ在住フラメンコ研究家による最新のフラメンコ情報
GUIRIJONDO©︎ perezventura |
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歌ソロを挟みながら、タラント、バンベーラ、アレグリアと3曲、力強く踊りました。アレグリアスはバタにマントンで華やかに。
伴奏のエル・ペルラ、伴唱のホセ・アニージョが良かったです。
セビージャ郊外の小さな町パロマーレス・デル・リオで去年から始まった、スペイン以外で生まれた人のフラメンコにフォーカスしたフェスティバル、ギリホンド。
今年は5月1日、開幕しました。今年は日本が招待国ということで、ポスターも日本のイメージのモチーフです。
ザビエルの鹿児島到着から鎖国、1929年のラ・アルヘンティーナ来日公演、戦後のアメリカによる占領、そして現在まで、歴史を振り返りつつ、さまざまなエピソードを交えてのお話でありました。
その後はフランス、マルセイユ出身でアンダルシア系のヒターノだというホセ・エルネグレーテのカンテ・リサイタル。伴奏はやはりフランス、ニーム生まれのアントニオ・モジャ。
カンテ・デ・レバンテ、ソレア、アレグリアス…
カンテは言葉の壁もあって外国人には一番敷居が高いとされるジャンルですが、スペイン系だということもあるのか、外国風アクセントなども全くなく、スペイン人と言われればそう思うような歌い手でした。その分、外国人としてやっているのがすごい、という感じもなく、ペーニャの公演を聞いているような気になったことでした。
アレルギーで、と言っていましたが、熱唱に観客は沸いていました。
最後のブレリアではパルマでモジャの娘のマヌエラらも登場し、華やかに初日の幕を閉じました。
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4月14日、座・高円寺において、第5回全日本フラメンコ・コンクール決勝が行われました。今年も審査を務めさせていただきました。今年の受賞者は(敬称略)
カンテ部門優勝 斎藤克己 準優勝 熊谷善博
バイレ部門優勝 伊藤笑苗 準優勝 黒須信江
小松原庸子特別賞 カンテ/斎藤克巳 バイレ/南豪
というみなさんです。おめでとうございます。
今回、バイレ部門の伊藤笑苗さんは決勝の5人の審査員が全員10点満点の10点をつけるという、前代未聞の完全な勝利でした。思わずオレ、とスペイン人審査員たちも思わず声が漏れてしまうような素晴らしいアレグリアスでした。バタの扱いもマントンさばきも素晴らしく、伝統的なアレグリアスの振りをベースに現代的な感覚も取り込んだ振り付けも良かったです。確実な技術に裏付けされた実力と圧倒的な存在感。小柄な彼女が舞台では大きく見えました。準優勝の黒須信江さんも曲を十分に理解した表現で、一歩抜きん出ていたと思います。小松原庸子先生が選ぶ小松原庸子特別賞の南豪さんは五年ぶりの挑戦。こう踊りたいという気持ちが先行している若さゆえのエネルギー。コロカシオン、姿勢、とくに首の位置や前屈みになりがちなところや回転など,基本の技術を磨いていくことで,より良い形で想いを伝えることができるようになるのではないでしょうか。難しい複雑なパソよりもシンプルな基本のパソをていねいに行って行けばもっとずっと先に行けると思います。
何をやるにしても基本は大切ですね。
フラメンコ曲を踊る/歌う/演奏するためには、その曲ごとのリズムやメロディなどの特徴だけでなく、それぞれの曲が持つ性格を理解して、それを表現することが必要です。物語やコンセプトのある作品で、フラメンコ曲を使って別の何かを表現する、ということもありますが、そうではないシンプルな舞踊の公演や、今回のようなコンクールの場合は、その曲を理解してその曲らしい特徴をちゃんと演じているか、ということも評価されると思っていただくと良いかと思います。
これは歌でも同じだと思います。曲の持つキャラクターの理解と表現は大切です。コンパス、音程、メロディの正確さなど、全体的にレベルはだいぶ上がっていると思いますが、歌の場合は発音が気になるケースが多々ありました。LとR、そして巻き舌のR Rは日本人がつまづきやすいところなので、しつこいくらいに気にして、発音した方が良いと思います。なぜならスペイン語では例えばrでのリオとlでのリオでは全く違う意味になってしまうからです。
また、歌詞の意味を理解するのはもちろん、歌としてどういう方向性を持っているか、どういうセンティードで歌うべきか、なども理解することも必要だと思います。今回優勝した斎藤克己さんはそう言ったところ、全てが良かったと思います。発音、歌詞の意味と方向性の理解、曲の特徴であるグラシアの表現。それに加えて、レシタル、朗読のように語りかけるところと軽妙に歌うところ、今にも踊り出しそうな雰囲気とか、メリハリも効いているし、何よりタンギージョという曲の深い理解による表現で、観客を捕まえて離しません。準優勝の熊谷さんは、プロではありませんが、長年のアフィシオンが感じられるまっすぐな歌いっぷりが良かっただけでなく、長年聞いてきたゆえでしょうか、歌詞、1行1行の方向性を正確につかんでいるという感じがしました。
バイレ全5回、カンテは3回、東京、大阪、第2回の仙台とすべての予選、そして決勝と、これまでのすべての演技、歌唱を見させていただいてきましたが、日本のフラメンコのレベル、特にカンテは年々、確実に上がっていると思います。
ただ、カンテでは発音、舞踊では姿勢、といった基本中の基本をもう一度一から考えながら学び直し、踊りでも歌でもお手本をその通りになぞっていくとき、なぜこの動きはこうなのか、この歌い方になるのか、なども考えつつ、たくさんの先人たちのアルテに、できれば生で、でも動画や録音でもいいので、たくさん触れて、自分の引き出しを増やしていってください。そうすることであなたのフラメンコは、ひいては日本のフラメンコは、いやフラメンコ全体が、もっと豊かになると思います。まっすぐな気持ちでフラメンコに取り組んでいるみなさんをいつも、心から応援しています。
入賞を逃した方も、コンクールに向けて練習を重ねる、プレッシャーに打ち勝って舞台に出ていく、などしていく上で、階段を一段、確実に上がっていると思います。
参加者の皆さん,素晴らしいフラメンコをありがとうございました。
ビエナルのプログラムが4月9日、トリアーナ橋のたもとで発表されました。
©︎ LaBienal |
日によっては19時、20時30分、23時と3公演あり、ハードな日々になりそうです。
舞踊はセントラル劇場で23時からというのが中心ですが、ファルキートやマヌエラはマエストランサで20時30分開演です。
なお入場券前売りは明日10日、スペイン時間の10時から、日本時間だと17時、ですね。
6月30日までは定価の10%引き、7月中の購入は5%引きだそうです。マエストランサ劇場のいい席は50ユーロですが、ほかは25、30ユーロというのは手に入れやすい価格と言えるのではないでしょうか。
第23回ビエナル・デ・フラメンコ
9/12(木)20時30『開幕ガラ。カウダル』
[出]〈g〉トマティート、ディエゴ・デル・モラオ、ホセ・デル・トマテ、ホセ・マリア・バンデーラ、アントニオ・サンチェス、パケーテ、〈c〉ミゲル・ポベーダ、イスラエル・フェルナンデス、アウロラ・バルガス、〈b〉ファルキート
[場]セビージャ マエストランサ劇場
9/13(金)、14(土)18時30分、15(日)12時30分『マヌアル・デ・フラメンコ・パラ・ファミリア』
[出]〈b〉レオノール・レアル
[場]セビージャ カイシャ・フォーラム
9/13(金)20時30分『フェデリコ・イ・エル・カンテ』
[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ
[場]セビージャ マエストランサ劇場
9/13(金)23時『トダ・ウナ・ビダ』
[出]〈c〉エンリケ・エル・エストレメーニョ
[場]セビージャ アラメーダ劇場
9/14(土)19時『エル・コロール・デ・ミ・ソニード』
[出]〈g〉マノロ・フランコ
[場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ
9/14(土)20時30分『ディセン・ケ・パラ・カンタル』
[出]〈c〉ぺドロ・エル・グラナイーノ
[場]セビージャ アウディトリオ・カルトゥハ(カナダ館)
9/14(土)23時『マタリフェ・パライソ』
[出]〈b〉アンドレス・マリン、アナ・モラーレス
[場]セビージャ セントラル劇場
9/15(日)19時『エントレ・ドス・ギターラ』
[出]〈c〉セグンド・ファルコン、〈g〉パコ・ハラーナ、ラファエル・ロドリゲス
[場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ
9/15(日)20時30分『ムエルタ・デ・アモール』
[出]〈b〉マヌエル・リニャン
[場]セビージャ マエストランサ劇場
9/15(日)23時『エレメントス』
[出]〈sax〉ガウタマ・デル・カンポ、〈ベース〉ぺぺ・バオ、〈perc〉ティノ・ディ・ジェラルド、〈g〉エセキエル・レイナ、〈vocal〉 カラオスクラ
[場]セビージャ アラメーダ劇場
9/16(月)21時30分『クアンド・サレ・ラ・アウロラ』
[出]〈c〉アウロラ・バルガス
[場]セビージャ レアル・アルカサール
9/16(月)23時『エン・エステ・ディア、エン・エステ・ディア』
[出]〈b〉フロレンシア・オス
[場]セビージャ セントラル劇場
9/17(火)21時『ベルソ・リブレ』
[出]〈b〉マリア・モレーノ
[場]セビージャ カルトゥハ修道院
9/17(火)21時30分『ポル・ロス・シグロス・デル・カンテ』
[出]〈c〉ホセ・デ・ラ・トマサ、カリスト・サンチェス、フアン・ビジャール、マルセロ・ソウサ、ロメリート・デ・ヘレス、ナノ・デ・ヘレス
[場]セビージャ レアル・アルカサール
9/18(水)21時30分
[出]〈c〉イネス・バカン、マカニータ、〈piano〉ぺドロ・リカルド・ミーニョ
[場]セビージャ レアル・アルカサール
9/18(水)23時『コメディア・シン・ティトゥロ』
[出]〈b〉ウルスラ・ロペス
[場]セビージャ セントラル劇場
9/19(木)20時30分『フイ・ピエラ』
[出]〈c〉ラファエル・デ・ウトレーラ
[場]セビージャ アウディトリオ・カルトゥハ(カナダ館)
9/19(木)23時『『ベンゴ・デ・ミ・エストレマドゥーラ』
[出]〈c〉グアディアナ、フアンフラ・カラスコ、〈g〉ミゲル・バルガス、フアン・バルガス
[場]セビージャ ムエジェ・カマロネーロ
9/20(金)19時『ジャント・フラメンコ・デ・ラ・ギターラ』
[出]〈g〉ペドロ・シエラ
[場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ
9/20(金)21時30『プーロ・イ・サルバヘ』
[出]〈c〉エル・ペレ、〈b〉アントニオ・カナーレス、〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス
[場]セビージャ レアル・アルカサール
9/20(金)23時『プエンテ・マヒコ』
[出]〈g〉リカルド・ミーニョ、〈シタール〉グアルベルト
[場]セビージャ ムエジェ・カマロネーロ
9/21(土)19時『アルゴリトモ』
[出]〈g〉ホセ・デル・トマテ、ジョニ・ヒメネス、〈c〉イスマエル・エル・ボラ
[場]セビージャ エスパシオ・トゥリーナ
9/21(土)20時30分『ウン・マル・デ・カンテス』
[出]〈c〉アルカンヘル
[場]セビージャ マエストランサ劇場
9/21(土)23時『テリトリオ・ヘレス』
[出]〈c〉フアナ・ラ・デル・ピパ、エセキエル・ベニテス、ダビ・カルピオ、マヌエル・モンへ、〈g〉マヌエル・バレンシア
[場]セビージャ ムエジェ・カマロネーロ
9/22(日)12時、21時『エスカルラッティアナス』』
[出]〈piano〉ドランテス
[場]セビージャ ルイス・デ・ロス・フランセセス教会
9/22(日)19時『アルベニス・フラメンコ』
[出]〈g〉ミゲル・アンヘル・コルテス、ホセ・マリア・ガジャルド
[場]セビージャ エスパシオ・トゥリナ
9/22(日)21時30分『パ・ケ・メ・ジャマス』
[出]サルマリナ、マリア・デ・ラ・コリーナ、フアン・ラファエル、ホセ・ルイス・ペレス・ベラ、ベアトリス、ロメロ
[場]セビージャ レアル・アルカサル
9/22(日)23時『カンテス・デ・オトロ・ティエンポ』
[出]〈c〉イスラエル・フェルナンデス、〈g〉アントニオ・エル・レロヘロ
[場]セビージャ アラメーダ劇場
9/23(月)20時30分『ピネーダ』
[出]〈b〉アンダルシア舞踊団
[場]セビージャ マエストランサ劇場
9/23(月)23時『フィリグラナ』
[出]〈c〉エル・トゥリー、エル・ペレーテ
[場]セビージャ アラメーダ劇場
9/24(火)21時30分『ネルハ』
[出]〈g〉ラファエル・リケーニ、アレハンドロ・ウルタード
[場]セビージャ レアル・アルカサール
9/24(火)23時『アプレ・ボウス、マダム』
[出]〈b〉パウラ・コミトレ
[場][場]セビージャ セントラル劇場
9/25(水)20時30分『ソロ・ア・セビージャ』
[出]〈b〉エバ・ジェルバブエナ
[場]セビージャ マエストランサ劇場
9/25(水)23時『デ・ロス・ブエノス・マナンティアレス』
[出]〈c〉マヌエル・デ・ラ・トマサ、レラ・ソト
[場]セビージャ マエストランサ劇場
9/26(木)20時30分『エストゥディオ・ソブレ・ロス・カンテス・デ・レブリーハ』
[出]〈c〉ホセ・バレンシア
[場]セビージャ アウディトリオ・カルトゥハ(カナダ館)
9/26(木)23時『クレアビバ』
[出]〈b〉ラファエラ・カラスコ
[場]セビージャ セントラル劇場
9/27(金)19時『カジェホン・デル・アルテ』
[出]〈g〉ダビ・デ・アラアル
[場]セビージャ エスパシオ・トゥリナ
9/27(金)20時30分『レシタル・デ・バイレ』
[出]〈b〉ファルキート
[場]セビージャ マエストランサ劇場
9/27(金)23時『カンタオーレス・ケ・バイラン』
[出]〈c〉カンカニージャ、エル・プリリ
[場]セビージャ アラメーダ劇場
9/28(土)19時『エル・ケ・バ・コンミゴ・イ・ジョ』
[出]〈g〉フアン・カルロス・ロメロ
[場]セビージャ エスパシオ・トゥリナ
9/28(土)20時30分『コラソネス・デ・アグア』
[出]〈c〉エスペランサ・フェルナンデス
[場]セビージャ アウディトリオ・カルトゥハ(カナダ館)
9/28(土)23時『オルビダダス、ア・ラス・シン・ソンブラス』
[出]〈b〉メルセデス・デ・コルドバ
[場]セビージャ セントラル劇場
9/29(日)19時『ラス・トレス・オリージャス』
[出]〈g〉マヌエル・バレンシア
[場]セビージャ エスパシオ・トゥリナ
9/29(日)20時30分『コモ・エル・アベ・フェニックス』
[出]〈b〉マヌエラ・カラスコ
[場][場]セビージャ マエストランサ劇場
9/29(日)21時『マタンセラ』
[出]〈c〉ラ・カイタ、ラ・トレメンディータ
[場]セビージャ カルトゥハ修道院
9/30(月)21時『66パロス』
[出]〈b〉フアン・デ・フアン
[場]セビージャ カルトゥハ修道院
9/30(月)23時『デサンパラオ』
[出]〈c〉ダビ・パロマル
[場]セビージャ アラメーダ劇場
10/1(火)20時30分『ソノリダ・M』
[出]〈c〉アルヘンティーナ
[場]セビージャ マエストランサ劇場
10/1(火)23時『クチャロン、イ・パソ・アトラス』
[出]〈b〉ホアキン・グリロ
[場]セビージャ セントラル劇場
10/2(水)20時30分『アスタ・レヒア』
[出]〈c〉マリア・テレモート、ヘスス・メンデス
[場]セビージャ アウディトリオ・カルトゥハ
10/2(水)23時『エン・クエルポ・イ・アルマ』
[出]〈b〉マヌエラ・カルピオ
[場]セビージャ アラメーダ劇場
10/3(木)21時『50アニョス・デル・カンテ』
[出]〈c〉ホセ・デ・ラ・トマサ
[場]セビージャ カルトゥハ修道院
10/3(木)23時『カプリチョ』
[出]〈b〉ハビエル・バロン、ロサリオ・トレド
[場]セビージャ セントラル劇場
10/4(金)19時『エンクエントロ』
[出]〈g〉リカルド・モレノ、ニーニョ・ホセーレ
[場]セビージャ エスパシオ・トゥリナ
10/4(金)20時30分『コン・アセント・XL』
[出]〈fl〉セルヒオ・デ・ロペ、〈piano〉チコ・ペレス
[場]セビージャ アウディトリオ・カルトゥハ(カナダ館)
10/4(金)23時『25アニョス・デ・ノチェ・デ・フラメンコ・イ・ブルース』
[出]〈g〉ライムンド・アマドール、エミリオ・カラカフェ
[場]セビージャ アラメーダ劇場
10/5(土)20時30分『カルメン』
[出]〈b〉イスラエル・ガルバン、セビージャ交響楽団
[場]セビージャ マエストランサ劇場
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