2009年12月10日木曜日

ビルバオ・フラメンコ祭

スペインは地方ごとに多様な文化を持つ国。
フラメンコは南スペイン、アンダルシア生まれだから
セビージャやカディスといったアンダルシアでは“おらが文化”と誇っている。
マドリードやバルセロナなどの大都会でも昔から親しまれ、タブラオのような
フラメンコの店がいくつもある。
カナリア諸島やバレアレスといった、観光地も同様だ。

が、北スペインとなると。。。。。
ビルバオは独自の文化を誇るバスク地方一の大都市。
でもここにもタブラオこそないけれど、フラメンコを愛する人たちがいるのだ。

で、この金曜日、12月11日にはビルバオ・フラメンコ祭が開催。
出演はカネラ・デ・サン・ロケにアントニオ・カリオンの伴奏。
そしてメキシコのグアダラハラ出身のバイラオーラ、カレン・ルビオという面々。
カレンは今年のヘレスのフェスティバルに出演予定。
会場は ソシエダ・フィルアルモニカ・デ・ビルバオ。

このほかにもビルバオでは銀行主催のコンサート/講演があったり、ペーニャもあったり。
そう、ヘレスの若手を集めたCD「ヌエバ・フロンテーラ・デ・カンテ」も、「ムヘレス」もビルバオの銀行の後押しでできたもの。
スペインを代表する、スペインが誇る文化、フラメンコを愛しサポートしていく彼らの姿勢にシャポー、です。

2009年12月8日火曜日

マドリード クラモーレスでのフラメンコ・リサイタル

フラメンコはアンダルシア生まれ。
でも早い時期からマドリードでも親しまれてきたのでマドリード育ちの部分もあるわけで。
マドリードをフラメンコの首都、と断言はできないけど、
マドリードで育ったフラメンコは沢山。
今も、一時に比べると少なくなったとはいうものの、公演数はセビージャに負けずに多い。

1981年にオープンしたライブハウス、クラモーレス
地下鉄ビルバオ駅そばのこの店でもかなり前から不定期ながら
フラメンコの公演が行われている。
ジャズ、ブルース、ボサノバ、ラップ、シンガーソングライター…
ありとあらゆる音楽が舞台にあがるこの店ならでは、か。

12月18日金曜日にはヘレスの若手カンタオール、パケーラのファミリーである
ヘスース・メンデス(伴奏マヌエル・バレンシア)が、
12月19日土曜日にはやはりヘレスの、人気カンタオール、カプージョ(伴奏ホセ・イグナシオ・フランコ)が登場。
入場料は18日が15ユーロ、19日が20ユーロ。


12月27日には,チャノ・ドミンゲスのグループ等で活躍したウッドベース弾き、ハビエル・コリーナのトリオがギタリスト、エル・ボラと共演する公演も。

クリスマスで浮かれた気分の町に繰り出してフラメンコに酔うのも悪くない。

2009年12月7日月曜日

ダビ・ラゴス 新譜発表ミニ・コンサート


FNACという、 フランス発のCD、書籍を扱う大型店のチェーンがありまして、
そのセビージャ店で、土曜日20時から
ダビ・ラゴスの新譜「エル・エスペホ・エン・ケ・メ・ミロ」(僕を観る鏡)
発売記念のミニ・コンサートが開催されました。

ダビ・ラゴスは毎年来日してそのすばらしいのどをきかせている、
フラメンコのふるさと、ヘレス出身の歌い手。
今年も、つい先だって、森田志保さんと石井智子さんの公演に出演していましたね。

会場はお店の3階、クラシックのCD売り場の隣にあるちょっとしたサロン。
予定時刻の少し前には待つ人の列も。
待つうちにイスラエル・ガルバン一家も顔をみせ、
そしてダビと兄のアルフレド、ダビの奥さんでやはり歌い手のメルチョーラ・オルテガらが
やってきました。

ショップの中ということで劇場やペーニャでのリサイタルとはちょっとちがい、
電気も消えなければ、後ろの方がさわがしくどこか落ち着きません。

最初はトナ。CDの最後の曲です。
深い響きと、甘い含みをもった声でのトナは古い曲とされますが、
彼のはどこか新しさを感じさせるのが個性的。
最後はギターが入り、シギリージャのスタイルで終わるのも珍しいですが、
これもなかなか。
兄アルフレドの、勘所を押さえたギターも最高です。

続いてアレグリアス。
これは亡くなったチャノ・ロバートに捧げた曲です。
長年、グラン・アントニオやマティルデ・コラルなどへの舞踊伴唱を続け、
晩年、その実力が評価されソロで活躍した彼に思う所があるのでしょう。
カマロン、ペルラ、ペリコン、アウレリオらカディスの歌い手たちの名を
おりこんだオリジナルのレトラもいいし、 パワフルな歌いっぷりもさすが。

最後はブレリア。これはパケーラに捧げられたものでタイトルも「ブレリアの女王」。
パワフルだし、スピード感、ドライブ感たっぷりで、いやあさすがヘレスです。

CDもダビのフラメンコへの真摯な気持ちと愛がたっぷりつまったすてきな1枚です。
ぜひ1枚!
ちなみにCDレビューはこちらのブログに書いてます


2009年12月5日土曜日

第16回ホルナダス・フラメンカスEN LEGANES

マドリード郊外のレガネスで毎年開催されている「ホルナダス・フラメンカス」が今年も
12月14日から20日まで開催されます。

今年のプログラムは
12月14日(月)〈c〉ヘスス・コルバチョ、〈g〉オスカル・ラゴス
12月15日(火)〈c〉マリア・ホセ・ペレス、〈g〉ミゲル・オチャンド
12月16日(水)〜18日(金)コンクール“シージャ・デ・オロ”
12月19日(金)コンクール決勝+〈b〉アントニオ・レジェス、プラド・ヒメネス
12月20日(土)〈c〉ヘスス・メンデス、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈b〉ラウラ・ゴンサレス、マルコ・フローレス、〈c〉エンカルナ・アニージョ、ホセ・アニージョ、〈g〉パコ・クルス

と若手中心。詳しくはオフィシャルウエブで。

2009年12月4日金曜日

ローラ・グレコにプレミオ・ナショナル!

今年度のプレミオ・ナショナル・デ・ダンサ、舞踊国家賞にローラ・グレコが決定!。

個人的にも大好きな踊り手なので本当にうれしいです。
フラメンコもスペイン舞踊も見事に踊りこなす、踊るために生まれて来たようなローラ。
とにかく姿が、動きが美しい。
すっと伸ばしたその腕のかたちは完璧。
高く上げた足の先まで神経がいきとどいていて、
ひとつひとつの動きに、こちらの気持ちも一緒に動いてしまうような
センティミエント、心の、感情の入った、素晴らしくも美しい舞い。
「メデア」の激情から深窓の令嬢のような可憐さまで
すべてを演じきる得難い舞踊家。

ローラは、スペイン舞踊家ホセ・グレコを父に、ローラ・デ・ロンダを母に1964年、マドリードに生まれた。姉カルメラ、兄ホセ、ともにフラメンコ舞踊家という舞踊一家。
14歳のときからスペイン国立バレエ団学校に学び、17歳で同バレエ団ソリストに。
ラファエル・アギラール振付けの「ランゴ」(ベルナルダ・アルバの家)の末妹役や、グランアントニオ振付けの「恋は魔術師」のカンデーラ役を踊った。その2年後にはプリマとなり、「ロス・タラントス」の主役をも踊ったが、退団。ラファエル・アギラール舞踊団や、父ホセ・グレコの舞踊団などで活躍後、スペイン国立バレエ団にゲストプリマとして復帰。
「メデア」「ラ・ヒタニージャ」「グアダルキビール物語」などの主役をつとめた。
退団後は、ラファエル・アマルゴ、アントニオ・エル・ピパらの公演にゲスト出演したり
アントニオ・カナーレスとの「カルメン・カルメラ」などに出演していましたが、
今年はハビエル・ラトーレ演出の「フェードラ」でタイトルロールを踊っています。

日本との縁も深く、国立バレエ団でのたびかさなる来日の後も、
2000年、2001年と小松原庸子の招きで来日。
また2002年11月には兄ホセ、姉カルメラとともに自らの舞踊団を率いて全国公演。
2005年には愛知万博に関連した、スペインバレエガラ東京公演で、アンヘル・コレーラ、ジョセ・マルティネス、イゴール・イェブラらと競演。
2008年にはピアニストのロサ・トーレス・パルドとアルベニスを踊っている。

おめでとう、ローラ!!!

2009年12月2日水曜日

エンリケ・モレンテ新譜「モレンテ・フラメンコ」

エンリケ・モレンテの最新盤「モレンテ・フラメンコ」
絶対おすすめ! モレンテの最高傑作です!
初めてのライブ盤。
といってもひとつのコンサートをそのままCDにしたわけではなく
十数年に渡るコンサートの録音から選びに選んだ9曲だけに
その素晴らしさは特筆もの。
それにくわえてスタジオ録音のナナが最初と最後を飾る。


伴奏はフアン・アビチュエラとペペ・アビチュエラ、ラファエル・リケーニ、ダビ・セレドゥエラら。
アビチュエラの落ち着いた伴奏もいいし、セレドゥエラのパコ・デ・ルシアより早い超速ファルセータもすごいが、天才リケーニの鳥肌たつような演奏も必聴。


オープニングのナナだけはスタジオ録音の新曲。
愛娘ソレアのやさしいボーカルではじまる。
ソレアの声は姉エストレージャをもっとやわらかくやさしくした感じだ。
ブレリアのリズムにのって聖週間の行進曲アマルグーラのメロディで
「おかあさんはみんな 悲しく、苦しい」
とはじまるこの曲は、戦争でこどもを失った母親たちと母を失ったこどもたちへの
やさしく強いフラメンコな反戦歌。心にしみてくる。

詳しくは私のCDブログの方に書きましたが

エンリケ・モレンテ大好き〜という人はもちろん
ギタリストにも,ギターファンにも
モレンテってモデルノ過ぎて嫌い〜と言う人にも
フラメンコをまっこうから歌い上げているこのアルバムは絶対おすすめ。

エンリケはフラメンコの根っこをきちんとおさえているからこそ
冒険もできるってこと。
これって本当に大事なこと。
ピカソのような絵でもフラメンコでも一緒。
まずは基本。愛して自分の表現をみつける。
これって何にでもいえることかもしれないね。

2009年12月1日火曜日

ヘレスのフェスティバルのプログラム発表!


ヘレスのフェスティバルのプログラムが発表になりました!
今年も盛りだくさんのプログラムです。
紫字は志風が個人的に特に期待の公演。
あー楽しみ!
前売は12月5日から。こちらで購入可能です。



◆第13回ヘレス・フェスティバル
2/26(金)21時「ポエマ・デ・カンテ・ホンド・エン・エル・カフェ・デ・チニータス」
[出]〈b〉アンダルシア・フラメンコ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
2/27(金)19時「パ・ミス・アデントロス」
[出]〈b〉ラ・トゥルコ
[場]サラ・コンパニア
2/27(土)21時「アル・コンパス・デル・ビエント」
[出]〈b〉マリア・ホセ・フランコ・フラメンコ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
2/27(土)24時
[出]〈c〉フェルナンド・テレモート、〈g〉モライート
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
2/28(日)19時「ミランド・アトラス」
[出]〈b〉マリア・カネア、カルメン・エレーラ
[場]サラ・コンパニア
2/28(日)21時「フェードラ」
[出]〈b〉ローラ・グレコ、アマドール・ロハス、アレハンドロ・グラナドス、カルメリージャ・モントージャ
[場]ビジャマルタ劇場
2/28(日)24時「ガディタニア」
[出]〈c〉マリアナ・コルネホ、ダビ・パロマール
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
3/1(月)19時
[出]〈c〉ヘスース・メンデス
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/1(月)21時「ファルキート・エッセンシアル」
[出]〈b〉ファルキート
[場]ビジャマルタ劇場
3/1(月)24時
[出]〈c、g〉ディエゴ・カラスコ、〈c〉レメディオス・アマジャ(ゲスト)
[場]サラ・パウル
3/2(火)19時
[出]〈g〉ラモン・トルヒージョ、〈c〉ニーニョ・デ・ラ・フラグア
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/2(火)21時「チクラナ・ジプシー・プロジェクト」
[出]〈b〉マリア・ベルムデス、〈c〉カプージョ・デ・ヘレス(ゲスト)
[場]サラ・パウル
3/3(水)19時
[出]〈c〉ダビ・ラゴス
[場]パラシオ・ビジャビセンシオ
3/3(水)21時「ラ・パシオン・セグン・セ・ミレ」
[出]〈b〉アンドレス・マリン、コンチャ・バルガス(ゲスト),〈c〉ローレ・モントージャ、ホセ・デ・ラ・トマサ(ゲスト)
[場]ビジャマルタ劇場
3/3(水)24時「デ・サンダリータ・ア・タコン」
[出]〈b〉アナ・モラーレス、ルベン・オルモ(ゲスト)、〈c〉エンカルナ・アニージョ、アントニオ・カンポス(ゲスト)
[場]サラ・コンパニア
3/4(木)19時
[出]〈b〉カレン・ルゴ、サライ・ガルシア
[場]サラ・コンパニア
3/4(木)21時「セレナータ・アンダルーサ」
[出]〈b〉アントニオ・カナーレス、レオノール・レアル、〈ピアノ〉ミエ・マツムラ、〈c〉ホセ・バレンシア
3/4(木)24時「ミストロボ」
[出]〈g〉フアン・ディエゴ、ホルヘ・ゴメスほか
[場]サラ・パウル
3/5(金)19時「ハビエル・ラトーレ振り付けアトリエのフィナーレ」
[出]〈b〉生徒たち
[場]サラ・パウル
3/5(金)21時「バモス・アル・ティロテオ、ベルシオネス・デ・ウン・ティエンポ・パサード」
[出]〈b〉ラファエラ・カラスコ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
3/5(金)24時「プリモス・イ・エルマノス」
[出]〈c〉イネス・バカン、ペドロ・ペーニャ〈g〉ペドロ・マリア・ペーニャ、〈b〉ディエゴ・デ・ラ・マルガラほか(ゲスト)
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
3/6(土)21時「キエロ・トゥ・カンテ」
[出]〈b〉マリア・デル・マル・モレーノ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
3/6(土)24時「ムヘレス」
[出]〈c〉フアナ・ラ・デル・ピパ、ドローレス・アグヘータ、ラ・マカニータ
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
3/7(日)19時「メモリア・アンティグア」
[出]〈b〉パトリシア・イバニェス、アベル・アラナ
[場]サラ・コンパニア
3/7(日)21時「レジェンダ・ペルソナル」
[出]〈b〉ホアキン・グリロ、〈ピアノ〉ドランテス(ゲスト)
[場]ビジャマルタ劇場
3/7(日)24時「アシグナトゥラ・ペンディエンテ」
[出]ソニケテ
[場]サラ・パウル
3/8(月)19時
[出]〈c〉エル・ロンドロ
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/8(月)21時「バイレス・アレグレす・パラ・ペルソナス・トゥリステス」
[出]〈b〉ベレン・マジャ舞踊団、オルガ・ペリセ(ゲスト)
[場]ビジャマルタ劇場
3/9(火)19時
[出]〈g〉マヌエル・バレンシア、〈c〉キナ・メンデス
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/9(火)21時
[出]〈b〉ラ・ファルーカ
[場]サラ・パウル
3/9(火)24時
[出]〈b〉ベレン・ロペス
[場]サラ・コンパニア
3/10(水)19時
[出]〈c〉ルイス・エル・サンボ
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/10(水)21時「イストリア・デ・ウン・ソルダード」
[出]〈b〉フェルナンド・ロメーロ舞踊団、マノロ・マリン、イサベル・バジョン(ゲスト)
[場]ビジャマルタ劇場
3/10(水)24時「ポル・ロス・クアトロ・コスタオス」
[出]〈b〉アドリアン・サンチェス
[場]サラ・コンパニア
3/11(木)21時「ソナタ」
[出]〈b〉ラファエル・エステベス、ナニ・パーニョス、ドスポルメディオ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
3/11(木)24時
[出]〈c〉アントニオ・レジェス、ランカピーノ
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
3/12(金)19時
[出]〈b〉ペペ・トーレス、アルムデナ・セラーノ
[場]サラ・コンパニア
3/12(金)21時「プエンテ・デ・トリアーナ」
[出]〈b〉ラファエル。カンパージョ舞踊団,アデラ・カンパージョ(ゲスト)
[場]ビジャマルタ劇場
3/12(金)24時
[出]ロス・デリンクエンテス、トマシート
[場]サラ・パウル
3/13(土)19時「ハビエル・ラトーレ振り付けアトリエのフィナーレ」
[出]〈b〉生徒たち
[場]サラ・パウル
3/13(土)21時「レエンクエントロ」
[出]〈b〉フェルナンド・ベルモンテ、ホアキン・グリロほか
[場]ビジャマルタ劇場
3/13(土)24時
[出]〈c〉フェルナンド・デ・ラ・モレーナ、エル・トルタ
[場]ボデガ・ロス・アポストレス
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