2021年10月9日土曜日

セビージャ、ギター祭 リカルド・モレーノとラファエル・ロドリゲス

セビージャ、ギター祭の開幕を飾ったのはフラメンコのコンサート。
レブリーハのリカルド・モレーノとセビージャのラファエル・ロドリゲス。 
スタイルも経歴も全く違うギタリストが、マイクなしでの公演に挑みました。

そう、このフェスティバルではマイクなしなんです。去年のディエゴ・デ・モラオもそうでした。マイクなしの公演はヘレスのビジャビセンシオでのカンテやギターのリサイタルでも行われているけれど、劇場で、というのはとても珍しいのでは? クラシックのコンサートのように反響板を舞台に配してはいるのだけれど、普段マイクに慣れているギタリストにとっても観客にとっても、ちょっとドキドキするような体験かも。

リカルド・モレーノは、伝統のフラメンコだけに安住してしまうのではなく、自分の表現を求めて、ジャズなど他のジャンルのギターの影響も受けているのでありましょう。シギリージャ、ソレア、と演奏していても、その音がジャズギターというか、アコースティックギターのように聞こえたりもして。繊細に、自分の心のひだをたどっていくようなそんなギター。


休憩もなく続いて登場したラファエル・ロドリゲスの音は太く、フラメンコからぶれない。奇しくもリカルドとおなじくシギリージャで始まる。マラゲーニャにはレクオーナのマラゲーニャやメキシコの歌ジョローナを混ぜるなど、ポピュラーソングのメロディを入れても、フラメンコに聞こえる。そういえば、昔、ミラグロス・メンヒバルの伴奏をしているときも、ある愛の詩のメロディーが出てきたりしたなあ。そう、舞踊伴奏の名手として知られるからか、踊りが見えてくるようなグアヒーラ。ロンデーニャ、ファルーカ。愛娘イサが繊細に優しく、カホンとドラムで刻むリズム。今のフラメンコギターソロの流れとは違うのかもしれないけれど、昔風の音で、独自の世界をしっかり描いていく彼のギター。大好き。

いやあ、良き夜でございました。





 

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