2019年3月9日土曜日

へレスのフェスティバル15日目 マリア・デル・マル・モレーノ『メデア』

へレスのブレリアのクラスでおなじみ、アンヘリータ・ゴメス門下で、アンヘリータのアカデミアを引き継いだマリア・デル・マル・モレーノが、先日亡くなった演出家サルバドール・タボラの娘で映画監督でもあるピラール・タボラの演出で踊る『メデア』

© Javier Fergo / Festival de Jerez

『メデア』と言えば、昔からのファンにはおなじみ、スペイン国立バレエが上演した、マノロ・サンルーカル音楽、ホセ・グラネーロ振り付け、ミゲル・ナロウ演出のものがあり、これがもう絶対の名作なんだから、なぜ今『メデア』やる意味あるんだか、なんだかわからない。
古典劇がメインのメリダのフェスティバル狙っているのかな。ついでにイタリカとか、ローマ劇場での夏のフェスティバルでは確かに古典劇テーマのものでプログラムするからね。

国立の『メデア』はセリフもレトラもない、音楽と舞踊だけで、物語を十二分に語り尽くすのだが、こちらの『メデア』はレトラで、またセリフで延々と説明する。それもエウリピデス版に基づいているとか。コロスの女優さん?のうちには口跡良くない人もあり、わかりにくいことこの上ない。もし会場に『メデア』の物語知らない人がいたとして、その人がこの物語わかったかというと謎。スペイン語わかったら半分はわかるかな。スペイン語わからなかったらそれこそ何が何だかわからなかったことだろう。やっぱミゲル・ナロウやホセ・グロネーロは偉大だな。言葉なしで物語を伝え感動させてたものな。
んで、コロスだけでなく、主役も喋るのである。マリア・デル・マル、女優になる? 

うーん、中途半端。学芸会とは言わないけど、街の素人劇団風。
踊り手なら踊りだけで語ってくれよ、と思うけど、演出家の意向なのかしらん。
三人のコロスも兼ねる群舞の振り付けはほぼ全部、全員正面向いて同じ振り付けというクラスレッスン風だし、マリアもなんでも同じように見える踊りは相変わらず。
背も丸まっているし。
© Javier Fergo / Festival de Jerez

相手役、ハソン/イアソンを踊るヘスース・エレーラも、背が丸まって見えるし。これって、マリア・デル・マルの振りのせい? それとも背が高いから?
© Javier Fergo / Festival de Jerez
サエタで始まり、カーニャ、シギリージャ、トナ、ファンダンゴ、タラント、ペテネーラなどなど、フラメンコ曲は満載だけど、フラメンコ感がないのはなぜだろう。
国立バレエ『メデア』はフラメンコ曲のモチーフだけであんなにフラメンコなのに。
またギターの音量が大きすぎて靴音を消すのはわざと?
ハビ・ペーニャとマヌエル・カンタローテの小気味いいパルマだけが印象に残る。

© Javier Fergo / Festival de Jerez
最後のこういうイメージとか、やっぱピラールのお父さん、タボラの作品思い出す。
なんか写真で見ると、案外綺麗でびっくり。
照明が良かったってことね。







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