セビージャのオペラハウス、マエストランサ劇場ではビエナルなどのフェスティバルを除き、毎年3回、フラメンコ公演が開催される。
そのうちの一つがこのカルメン・リナーレス公演。
ピアノ、チェロ、フルート(クラリネット、アルトサックス)、パーカッションというカメラータ・フラメンコ・プロジェクト(本来はこれにウッドベースが加わる)と、ミゲル・アンヘル・コルテスのギターによるファリャの「恋は魔術師」に始まり、ノーベル賞受賞の詩人フアン・ラモン・ヒメネス、内戦時に暗殺されたフェデリコ・ガルシア・ロルカの死を歌い、最後はフラメンコで締めるまで2時間たっぷり聴かせてくれた。
少ない楽器で聴かせる「恋は魔術師」。もっと小さい会場なら良かったかもなのだが、オペラハウスではちょっと貧相に聞こえてしまうのが残念。また、踊り、バネサ・アイバルが入り、イスラエル・ガルバン風な感じとかもあるのだが、コンパスも形も悪くはないのだが、踊りではなくて動きにしか見えない。つまり、その動きに意味がない。センティードがない。挙げ句の果て、照明はカルメンの顔にも影をつくり、踊り手に至ってはうすら明かりの中だ。ん〜。
カルメンは熱唱。詩がきちんと聞こえてくるように歌う。さすが。
ミゲル・アンヘルの長いソロの後、トナー、ミラブラス、ブレリア。
フラメンコ歌手のコンサートで、フラメンコに至るまで1時間以上待たせたけれど、フラメンコもさすがの出来でありました。
しかし、上演時間といい、照明といい、見せ方を工夫する必要は大いにあり、でございましょう。
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