2010年7月19日月曜日

エンクラベ・デル・ソルenサンルーカル

土曜日は一泊でサンルーカル・デ・バラメーダへ。
ハエンの山奥に生まれ、コルドバ、セビージャを流れるグアダルキビル川が
大西洋へとそそぐ町。それがサンルーカル。
ヘレスの辛口シェリーよりも飲み口の軽い、マンサニージャという酒の生まれ故郷であり
夏、河口の砂浜で行われる競馬でも有名な町。
川を渡ればヨーロッパでも有数の自然保護地区ドニャーナ国立公園。

フラメンコ好きにはマノロ・サンルーカルの出身地としておなじみだろう。
セミプロのギタリストだったマノロの父のパン屋が今も残っているし
マノロは今もこの町に住んでいる(山にも家があるけど)
そして7月。
毎年恒例のヘラルド・ヌーニェス/カルメン・コルテス夫妻主催のクルシージョが行われる。
世界中から集まってくるフラメンキートたちが昼間はレッスン。
夜はコンサートやフィエスタで目一杯楽しみまくる1週間。
その最終日の翌日に、今年はエンクラベ・デル・ソルが開催されるのだ。

エンクラベ・デル・ソルはヘラルドとカルメンが5年前にはじめたフェスティバルで
フラメンコやジャズ、ワールドミュージックのアーティストを招き、
昨年まではサンルーカルとヘレスの間にあるトレブヘーナという町で行われていた。
町、と書いたが正確には畑のまんなかの丘に舞台がしつえられるというもの。
みはらしがよくて、そりゃ気持ちのいいフェスティバルだったんだけど
今年は会場をサンルーカルに移すこととあいなった。

会場は毎年クラスが開催されているメルセ音楽堂に並ぶ市の庭園。
お屋敷をバックに舞台がしつらえられフェスティバルは10時開演。
入場料は15ユーロ。

最初はアントニオ・レイのギターソロ。タランタ。
2003年にラ・ウニオンのコンクールで優勝したときの課題曲。
それまでにロハス/ロドリゲスのヌエボ・バレエ・エスパニョールなどで
彼の名前は知っていたものの、この優勝をきっかけに活躍の場が増えた気がする。
今はファルキートの伴奏などとソロ活動を同時にこなしている。
第2ギターやパーカッション、ベース、パルマも加わったアレグリアス、ルンバそしてブレリア。
きっちりしたテクニックでさらっと弾く。うまいし耳に心地よい音楽。
最後に飛び入りゲストでヘスース・メンデスが登場。
彼も最初に聴いたのはここサンルーカルでのヘラルドのクラスだったような。
パケーラのおいっこは御覧の様に男前で歌もどんどんよくなってる。
3年前、やはりアントニオの伴奏でマラガでみたときとは格段の差。
若いアルティスタの成長はなによりもうれしい。

続いて登場は マリア・メスクレ
 
地元サンルーカル出身でヘラルドのプロデュースでCDデビューを出したばかり。
最初はミラブラス。サンルーカルゆかりの曲だけにいい味をだしてまる。
マラゲーニャ、グループが入ってのカンシオン・ポル・ブレリアス。
シギリージャ、アレグリアス、そしてブレリアス。
地元ということで力が入っていたのかな、熱唱なんだけど、平べったい。
もうひとひねりがほしいし、ちょっと長くて食傷。
ギターはCDと同じくマヌエル・バレンシア。
ヘレスの若手だけど、 本当にいい伴奏をきかせる。歌をいかす、感じね。

最後はルイス・デ・サンボ。
と思ったらその前にヘラルドが飛び入り出演。

1曲だけどいやあ、やっぱりいいですな。
この人は悪いときがない。


ルイスはモライートの伴奏でソレア・ポル・ブレリアス

うんうん。この声。この響き。
何度聴いてもあきることのない本物のカンテ。
モラオの伴奏はモダンな響きとかもちょこちょこいれつつ
歌をたてる。あー至福の時!

続くシギリージャ。
週末とあって会場の外をズンダズンダと大音量でダンス音楽かけてる車が通り
モラオもルイスも苦笑。。。
笑いながらはじまるシギリージャは初めてだ。
でもサリーダがはじまると二人ともずんと曲の中に入っていく。
一曲ごとに顔つきすらも変わる感じ。
当たり前と言えば当たり前。
でもそれぞれの曲種の性格をちゃんとつかんで表現する、って
とても大切なことであります。
続いてファンダンゴそしてブレリアス。
 最後はルイスもひと踊り。

フィン・デ・フィエスタは全員が舞台に登場。
ヘラルドとモラオの共演ではじまり
ルイスが歌ってカルメンが舞う!



 3時間はあっという間。
いや、来年もまたぜひ期待!


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