1984年、ウエルバ生まれのアルヘンティーナの公演は、カンタオーラたちをテーマにした公演。タイトルにある1842年は、女性歌手についての最古の記録の年代。
そんな説明が多分本人の声でのナレーションされ始まり、女性歌手たちの、ナナやロマンセなどの古い録音に彼女が重ねて歌うオープニング。
舞台前面中央でのエウヘニオ・イグレシアス伴奏でのソレア、下手の机でロス・メジ、ロベルト・ハエン、ディエゴ・モントージャの拳でのコンパスでの早いシギリージャ、舞台中央で椅子に足をかけて弾くボリータの伴奏でのティエント、ヘスス・ゲレロとボリータ伴奏でのミロンガは舞台奥で…
場所を変え、ギタリストを変え、手を替え品を替え、という形で進んでいくリサイタル。
Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León |
作品を、ということを考えすぎたのかなあ。普通に舞台中央にドンと構えて歌うだけじゃダメだったのかなあ。
セビジャーナスでは映画『セビジャーナス』でのロシオ・フラードのセリフを言ったけど、
出てきた女の子たちが踊ったのはセビジャーナス一つだけだったし、なんか無駄に人や時間、空間を使っている感じ。
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でもオレ!の瞬間がないのだ。微妙な間合いや、歌い回し、たとえば音程が下がっていくところとかのニュアンスなどが、オレを誘うのだけど、それがない。
声をずっと同じ調子で張っている。アルテの瞬間がない。なんというか、楽譜通りに歌っているだけ、というか、カンシオンのようにカンテを歌っているというか。センティードがないというか、彼女の心が感じられないのだ。
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最後の、得意なはずの地元ウエルバのファンダンゴに至るまで、全部同じ。
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