今年のビエナル、最高の公演はサラ・トゥリーナにこそある、と確認。
前日のペドロ・シエラのソロ公演に引き続き、この宵も魅せてくれた。
97年生まれのホセ・デル・トマテ、90年生まれのジョニ・ヒメネス、95年生まれのボラ。第一線で活躍中の若手たちによる公演。
普段から共演しているわけじゃない三人なのだけど、これぞフラメンコ!という魅力に溢れた公演だった。久しぶりにフラメンコの醍醐味満喫できました。
3人でのアレグリアスに始まり、
Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León |
今年のラ・ウニオンのコンクールで優勝したジョニ・ヒメネスのソロ、タランタ。繊細かつ力強く、優しさもあり、美しいメロディも、と全てを兼ね備えている。すごい才能。昔、ガルロチに出演してたこともあるらしいけど、まだ日本ではあまり知られていないのでは? ソロCDも発表予定らしいのでお楽しみに。
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トマティートの息子、ホセのソロ。かまろんが歌ったナナ・デ・カバージョ・グランデに始まるサンブラ。大叔父ニーニョ・ミゲルのエッセンスが今風に再現される。ジョニの演奏があまりに見事だったので、どうかな、と思ったが危惧。全く違う個性で、華やかさがあり、しっかり聴かせてくれた。
ギターのデュオでタンゴ。ギターで会話していく感じ。二人がそれを楽しんでいるのがこちらにも伝わってきてこちらも楽しくなる。
再びボラ登場。タランタ、ミロンガからタンゴ・デ・マラガへなど様々な曲種を混在させた曲でもそれぞれのセンティード何ちゃんと表現されている。シギリージャ、そしてソレア。
ソレアもさまざまなスタイルで、一曲の中でも声の調子を変えて、見事に歌い継いでいく。
舞踊伴唱をしているからリズムはしっかりしてるし、でも踊り歌になりすぎない、そのバランス感覚もいい。
Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León |
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とここまで、で8時となり、次の公演に向かうため劇場を後にしました。
最後のブレリアも良かったらしい。。。
で、後で聞いたら、練習はしてないそう。舞台の前、1時間くらいで楽屋で合わせただけだという。
きっと、だからこそ、フラメンコの持つ即興性、自由、といった特性が生きて、めちゃくちゃすごいフラメンコになったんだろうな、と思ったことでした。実際、演者たちも楽しかったらしく、いつかどこかでまた観ることができるかも。楽しみです。
脚本、構成などしっかり作って練習して作り上げる作品を否定するものではないけれど、即興性が生きるスペースもないと、フラメンコの真の魅力が今ひとつ観客に伝わらない、っていうことはあるかもね。
パコ・デ・ルシアやビセンテ・アミーゴのコンサートで、演奏される曲名は同じでも、毎日全く同じというわけではない。フラメンコのライブならではの魅力はそこにもある、と思う。
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