ペドロ・シエラのスーパーリサイタルの余韻もそこそこにアルカサルへ。
歌、舞踊、ギター、3人のマエストロの共演、かと思ったら競演、というべきか、それぞれがそれぞれのパートをするという、フェスティバル方式、もしくはガラ公演みたいな感じ。勝手に期待していたこっちが悪いのかもだけど、なんかちょっと肩透かしくったような。
トップバッターはホセ・アントニオ・ロドリゲス。コルドバ出身で、ビセンテ・アミーゴと同世代で何かと比較されることもあったし、オーケストラとやったり、舞踊音楽提供したり(マリオ・マジャ作品やアイーダ・ゴメス『カルメン』とか)エレアコでソロ演奏するプロ、彼しか知らないけど、他にもいるのかな。多分、アメリカに移住して、一人でも公演するようになってからのことじゃないかと思うけど。
Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Laura León |
ナナ、ソレア、ロンデーニャ、コロンビアーナ、代表曲?『マンハッタン・デ・ラ・フロンテーラ』のブレリア。
ペドロ・シエラに比べると余白のある演奏。音を詰め込まないタイプ、じゃ、それならオレが言いやすいか、というとそうでもなくて、難しいですね。
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熱心なファンがいるのは知っているし、いいときはめちゃくちゃいいけど、この日はそこまで調子は良くなかった気がするんですけど、どうでしょう。
そして最後はカナーレス。はい。これがまたすごかったのでありました。
来年、舞台から引退するという報道もありましたが、いやいやどうして、そりゃ、90年代の時代を象徴するような最高のパフォーマンスと今の踊りは違う。それでも見どころいっぱいなのであります。オレと思わずつぶやいてしまうような瞬間が際限なく出てくるのであります。オレ!を呼ぶのは間合い、なのですね。コンパスへの入り方というか、コンパスを掴んだり離したりする、その間合い。ちょっと抜いた感じとか、コンパスとの付き合い方、アクセントの付け方というのかな、どこにアクセントを置くか、という感じ。
うーん、でもカナーレスはその間合いがよくて、オレ!が自然に出てくる。
ハレオ・エストレメーニョとソレア。間にカンテソロでトナ。
伴奏のダビ・デ・アラアル、伴唱のエル・ガジ、マヌエル・デ・ラ・トマサも素晴らしく、特にマヌエルは音程の取り方がよく、唸らせられた。
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カナーレスのソレアといえば、パコ・デ・ルシアのグループでも活躍したビエヒンによるオリジナルの音楽、なのだけど、それを今風にアレンジしているダビもいい。
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彼のソレアがあんまり良かったからか、舞台横にいたエル・ペレが歌い始める。その歌に答えて踊るアントニオがこれまた素晴らしかった。歌に返答し、会話があるのだ。
マイクなしで歌うエル・ペレの声量も相当なものだけれど、それを踏まえて抑えめのサパテオというカナーレス。いやあ、ビエナルの歴史に残る瞬間でございました。
歌を誘う、バイレ、そんなにたくさんありません。
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