マリア・テレモートも、ホセ・バレンシアにつづきセビージャ出身の詩人ベッケルを扱った作品。どうも没後150周年とかで、それに因んでいるようです。
舞台奥から出てきて歌うバンベーラ。
まだ若干二十歳なのですがすでにディーバ感。すごいなあ。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
続いて、上手に陣取ったフラメンコ組(ギター、パーカッション、パルマ)の伴奏でアレグリアス。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
下手の弦楽四重奏団伴奏でマラゲーニャ。なんだけど、あのう、このカルテット、本当に必要だった? 編曲が、ギター伴奏をベースにしてるのかなあ、なんか、歌を邪魔してる。弦楽四重奏団なのに、音がオルケスタ・アンダルシという、モロッコの楽団みたい。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
続くペテネーラはバイオリン伴奏なんだけど、うーん、相性よくないような。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
ギターソロでのソレア・ポル・ブレリア。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
最後は一人でマルティネーテで締める。
音程の良さは天下一品。力強く大声になるところでも一切ずれない。コンパスもいい。舞台度胸や、存在感も20歳とは到底思えません。脱帽。まさにシャッポでございます。
作品としてはスッキリ作られていて、同じくベッケルを扱っていたホセのものよりもよかったように思います。ベッケルがベースになっているらしい歌詞も、発声がいいからよく聴こえます。ただ私はベッケルの元の詩をよく知らないから、セレクションがいいか悪いか、フラメンコの歌にうまくのせているかとかはよくわからないのですが。ただ、弦楽四重奏楽団はいらなかったような。普通にフラメンコ だけの方がもっとスッキリ、ストレートに彼女の魅力が伝わるのでは?
で、マリアは本当に素晴らしい歌い手だとは思うのですが、これに“ひねり”が加わったらもっともっと凄くなるだろうとも思うのです。すべてをストレートにまっすぐ歌い上げているので、ずっと聴いているとちょっと平版な感じにも聴こえてしまう感じがないでもないのではないかと(まわりくどい言い方ですが)。歌い上げるだけでなく、しみじみと嘆くように歌うとか、呟くようにとか、かなあ、うーん、曲のキャラクターの歌いわけがもっとできるといいってことかなあ。いや、本当に彼女はすごいと思うのですが、多分もっとよくなる。もっと凄くなる。なって欲しい。
今度は普通に弦楽とかなしのフラメンコ・フラメンコでじっくり聴いてみたいな、と思ったことでした。
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