志風恭子のフラメンコ最前線: ヘレスのフェスティバル　ロシオ・モリーナ「カイダ・デル・シエロ」

芸術は挑発だ、という言葉を思い出した。

ロシオ・モリーナはひとところにとどまらない。

バタ・デ・コーラをまとい、床に這いつくばって踊るオープニングから

これ以上はないスーパーテクニックで踊り続け

パケティージョ、男性のシンボルを意味すると同時に、小さいパックをも意味する言葉をベースに、ポテトチップの小袋を股間に配し、男性主義を告発し、

ブレリアで新たな地平を開き、

女性ゆえの苦しみを、生理の血を意味するだろう、赤いペンキをスカートで引きずり

最後はロス・チチョス風というか、マドリードのジプシー風なルンバで弾ける。

バリエンテ！
勇敢で力強く、前を向いて歩き続ける彼女も天才のひとりに違いない。

志風恭子のフラメンコ最前線