マエストランサ劇場でのダニエル・カサレス公演。
と言っても、マエストランサ劇場のフラメンコ公演としてプログラムされたわけではない、特別プログラム。劇場を借りての自主公演のようなものか。
フラメンコと聖週間をドッキングさせる、とうたっていたのであります。
幕があくと舞台いっぱいに一昨年結成されたという、トリアーナ交響楽団が並ぶ。
主役のギタリストと指揮者が登場。椅子に座ろうとすると大きな雑音。いやあ、幸先悪いわ、と思ったら、その後も床置きマイクがダニエルが足でリズムをとるその音を拾ったのか、雑音がでて、舞台で演奏中にも関わらず、音響さんが出てきてマイクを外したり、で気が散る気が散る。
ついでに言えばギターはマイクで大音量なのに、オケの後ろには音響板がセットされているわけでも、オケの間にマイクが仕込んであるわけでもなく、フォルティシモで演奏した時以外はほぼ聞こえない。なんのためのオケなんだか。上手に並んだ聖週間音楽の楽隊の4人の奏者の、コルネット(金管楽器)はもともと屋外で演奏していることもあり大きく響くのでありますが。と終わった序曲。
続くグアヒーラはビセンテ風にしたいのかなあ。テクはある。でもセンスがない。
とここまでが四部構成の一部。
二部はギターソロのビダリータに始まる。それをゲストのラ・ルピが、バタ・デ・コーラにマントンでマルカールしていく。ラ・ルピは年齢のせいもあるのかかなりふくよかになっていて、バタもマントンも、セビージャ派を見慣れた目からするとちょっと乱暴。バタける足が見えるってありえん。
続いてもゲストの歌い手ロシオ・マルケスが歌うタンゴ。そこにバイオリン、オケのコンマスも加わるんだけど、そのセンスのなさも凄い。そしてギターソロでブレリア。
その間も照明は当たっていないものの、オケは舞台の上。
三部は第2ギターとパルマも務めるマヌエル・ペラルタのサエタから。なぜかマイクを付けていないので、声をひそめるようにするところが聞こえない。ま、サエタはマイクなしだしな。と思ったら続いてパーカッションの伴奏で、キリスト像のポーズを入れて踊るセルヒオ・アランダ。姿勢が悪い。なぜか持ってたワイヤレスマイクを途中で投げ捨てる。え?音響さんつける相手間違ったわけ?
オケの後ろにコルネット楽隊の大部隊が登場して、ギター、オケ、楽隊と舞台上に百人以上。コルネット楽隊は超迫力でございました。
でもコルネットの音にはマイク使ってもギターの音はかき消されるので、なんというか、意味がないような。で、ここでもロシオが登場して歌ったのだけど、照明で顔が陰になりるわ、声もほぼ聞き取れない。でもとりあえず地元の人気楽隊が出たこともあってか盛り上がる。
四部はまたオケとギター。
メロドラマの映画音楽みたいな感じ。あ〜疲れた。
おそらく普段、フラメンコの舞台など見たことがないお客さんは喜んでいたようだけど、フラメンコ通な人たちは私同様、文句タラタラでございました。
通し稽古したのかなあ、とつい疑問に思ってしまうような、技術ミスだらけの公演でございました。なんだかねえ。内容がよくてもお客さんがそれほど入らない公演と、内容はどうでもお客さんが入る公演。いろいろ難しいですなあ。
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