1984年ウエルバ生まれの歌い手、アルヘンティーナのリサイタルはセントラル劇場での、フラメンコ公演シリーズ、フラメンコ・ビエネ・デル・スールの一環で。
伴奏はヘレスのボリータとヘスース・ゲレーロ。パルマでトロンボとメジという布陣。
ブレリアに始まり、無伴奏で歌うマリアーナからのタンゴはレポンパやピジャージョなど様々なスタイルを歌い継いでいく。
セラーナは最後、アップテンポで追い上げる。マラゲーニャからのアバンドラオ。ミロンガ。ブレリア・ポル・ソレア。
音程もリズムもいい。声のコントロールもできている。上手いんだけどオレ!がほとんどかからない。どの曲も熱唱。みんな同じ感じなのだ。
フラメンコは曲種ごとの性格を表現するのも演者の役割だと思うのだけど、シギリージャもアレグリアも皆同じ顔、同じ表情で歌う。
技術はあるのだけど、それを曲の表現に、感情、心の表現に結びついていないのだ。
すっごく残念。上手いのにもったいないなあ。もう一段階段登れるはずなんだけどなああ。
双子のメジたちのファンダンゴ・デ・ウエルバからのラ・タララ。伴奏は最初がボリータ、後でヘスース。同じフレーズ引くと差がはっきり見えてしまう。
トロンボもひと踊り。一番フラメンコな瞬間だ。
その間にドレスを着替えたアルヘンティーナと、来週からの聖週間にちなんで、聖週間の行進曲をエンリケ・モレンテが歌詞をつけて歌った「アマルグーラ」へ。
そしてトナー・デ・クリスト。
シギリージャ。カラコーレス。どれも一緒。
そして最後は再びブレリア。ローレ・イ・マヌエルの曲やフェルナンダらが歌った歌詞などいろいろ歌う。
1時間半。お腹いっぱい。なので、アンコールのファンダンゴは聴かずに席を立つ。
昔より上手になっているし、各地で活躍しているし、この日もほぼ満員の盛況だった。お客さんは喜んでいたようだけど、本当オレ!がほとんどかからない。ってのが全てを象徴しているような。
外に出ると同じく、アンコール聴かずに家路を急ぐ、地元紙の評論家2名。
彼らは何て書いたかな。
昔、ほかの歌い手の事を、「音程もいい、コンパスもいい。でも僕には届かないんだよ、悪いね」ってかいたことがあったけど、それと同じ感じ。
そりゃ下手な歌を聴くよりはいいけれど、うまくても何も伝わってこない歌はもういいや。
ペジスコ、ひねりがあるフラメンコを聴きたいよお。
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