2011年3月4日金曜日

ヘレス・フェスティバル7 ハビエル・ラトーレ「ドゥエンデと時計」

写真;Javier Fergo 


今年のヘレス・フェスティバルはハビエル・ラトーレの年、
といってもいいほど彼が関わっている公演が多い。

先だっての小島章司舞踊団公演の振り付け、
レオノール・レアルへの振り付け、
とすでに2作品。
そしてこの、自身の舞踊団による公演、
あとクルシージョの生徒たちによる公演が前期後期で2回、
またアナベル・ベローソの公演にも出演する。
もちろんクラスも行い、
記者会見にも出て、
先日はビセンテ・エスクデーロについて話すなど
うーん、身体がいくつあっても足りない状態。
いったこの人はいつ休むのだろう。。。

今回の作品「ドゥエンデと時計」
もともとは理工系というフランス人ギタリスト
フィリップ・ドニエの同名の本からはじまった。
ドニエの脚本をもとに
ハビエルが振り付け、
セビージャの演出家ペペ・ケロが演出
衣装デザインはコルドバのデザイナー、フアナ・マルティン
アニメーションをもつかって
フラメンコのリズムを説明していくという作品。

ドゥエンデ役(写真)のカレン・ルゴが
2拍子にはじまり、3拍子、4拍子とフラメンコのリズムをさがしていくという構成。

写真;Javier Fergo 

ハビエル自身もサルバドール・ダリ役で登場するほか、
 小島舞踊団公演でカリストを踊ったクリスティアン・ロサーノがデカルト役、
俳優のリカルド・ルナがレオナルド・ダ・ビンチ役で登場。
アートを理数系で解き明かすという試みのようだ。

当然、説明的な台詞が多くなる。
が舞踊ももちろん!
なかでもクリスティアンのファルーカ!

 写真;Javier Fergo 

この人の回転の美しさは特筆もの。
かたちがきれいなのに
衣装がそれを殺しているのは残念だったが。 

写真;Javier Fergo 

一時舞台からは引退していたハビエルも復活。
昔どおりの美しい動きをみせてくれた。
ソロで踊ったファンダンゴにオレ!

問題は曲の説明。
セビジャーナスは6拍子?
ブレリアを説明するのに
グアヒーラとシギリージャとソレア?
うーん、それはちょっとちがうのでは?
と思うところが多々。
シギリージャとソレアを踊り分けるところでは
どちらもソレア・ポル・ブレリアにしかきこえなかったし。

また対象とする観客がみえてこない。
3分ほどの休止(休憩ではない)をはさんで2時間近くの舞台は
小学生はあきるだろうし
中学生向けなのかな。

と問題はあるものの
これだけおおがかりな作品を
つくりあげたハビエルには脱帽である。

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