ダニ・デ・モロンはパーカッションのアグスティン・ディアセラとのデュオでのリサイタル。
スペインではギターソロのリサイタルはカンテやバイレに比べて少なく、今年のセントラル劇場での公演シリーズでも唯一。
フラメンコギターのリサイタルは、自作の曲を演奏するのが基本。最近は過去の巨匠たちの作品を演奏することもあるけれどその場合はちゃんと断るから、今回も自作だったのでしょう。
ちょっと不思議な感じでした。
三拍子系は三拍子系で、二拍子系は二拍子系で、と言った感じの、曲種を色々集めたような、弾いている本人以外にはよくわからないような曲。通常のフラメンコ曲から引き算したような感じ。現代音楽風? ジャズ風? ブラジル風? そのどれでもありそうでどれでもないような。私はカニサレスが始めたと思っている、伝統的なものとは違う和音での演奏。それに加えて、曲としての起承転結のようなものもなくてわかりにくい。わかる人にはわかるのかな。ギターも好きでいろんな人の公演、これまでにも色々聞いてきたけど、このコンサートは個性的というか、ユニークというか、正直いうと、よくわからなかったのであります。いやね、ギタリストとして一級なのも上手いのもわかるし、ところどころ、アタックとかかっこいいし、おお、ってなった瞬間もあったけど、うーん。なんというのか、雰囲気は作るんだけど、何か足りない感じ。歌が聞こえてこない。踊りは見えるかも。特にパーカッションが抜けたファルーカとシギリージャのソロは、彼のギターで踊る、パトリシア・ゲレーロを舞台上に想像してました。ひょっとすると彼のような、雰囲気は作るけど、従来のような、口ずさみたくなるようなメロディのある、起承転結のあるまとまった曲というのとは違う、新しいコンセプトなのかも? とかも色々考えたけどわかりません。うーん。
時々ある、ファルセータをつなげるだけで、曲としてのまとまりも流れもコンセプトも何もない、ギターソロとは違うのはわかるのだけど、ちょっと似ている気もする。練習を見せられたような、というか。
今度は違う公演聴いてみたいです。
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