2023年7月24日月曜日

アルカサルの夜/ホセ・アントニオ・ロドリゲス

 セビージャの夏はアルカサルの夜。

ムリージョ庭園の方から入るアルカサル庭園でのコンサート。毎年、フラメンコ、ジャズ、クラシック、ワールドミュージックなどバラエティに富んだプログラム。入場料が安いこともあってセビージャ市民にも、観光客にも人気の催し。

庭園の

© Actidea - Rosa García

6月からすでにピアノフラメンコの公演などがありましたが、私の今季初参戦はギターソロ、ホセ・アントニオ・ロドリゲス。1964年コルドバ出身。80年代、各地のコンクールを総なめ、ソロアルバム(まだレコードの時代です)発表、オーケストラと共演、重要なフェスティバルに出演というスタートを切り、ソロ活動と並行して、マリオ・マジャやホセ・アントニオなどの作品の音楽を担当、またスペインの大スター、アレハンドロ・サンスのツアーに参加など、多角的に活躍してきました。ここ数年はアメリカで何度もツアーを行うなどしているようです。

© Actidea - Rosa García


その彼のひさしぶりのセビージャでのソロ公演。いや去年のビエナルでも公演があったのだけどイスラエル・ガルバンの日だったので行けなかったのであります。今回もビエナル同様、パーカッションなどもないギター一本だけ、というので、わーい、と思っていたのでありますが、そのギターはなんとエレアコ。プラグがついてるエレクトリック・アコースティック・ギターということで、ええ? となったのでありますが、始まってみるとエフェクター使うなどもあって、なるほど、ではありました。

息子に捧げたナナ『大きい男の子のナナ』に始まり、ソレア、とビエナルと同じプログラム。

地中海音楽のいろいろを取り込んだという3曲目の『ダンサ・デル・アマネセル』はパコ・デ・ルシア、アル・ディメオラの『地中海の舞踏』を思わせる曲で最後はエフェクターでエレキギターぽい音で締める。なるほど〜。

そして「プログラムにはないけれど、スペイン最高峰の振付家ホセ・アントニオ・ルイスに捧げます」、と弾き始めたのはアンダルシア舞踊団や国立バレエで上演された『レジェンダ』の曲。

彼の曲はこれに限らず、情景が、絵が見えてくるような、映画音楽のような感じがある。いつかどこかで耳にしたようななじみやすいメロディ、聴きやすく心地よい。と思ってググったら、映画音楽も手掛けているのですね。

影響を受けたというギタリスト、エドゥアルド・ロドリゲスに捧げたコロンビアーナ。そういえばフラメンコにとどまらない姿勢や流れるような曲の感じとかはエドゥアルドににているかも?

アルゼンチンタンゴ風の『アディオス・ムチャチョス』という曲もようございました。

最後は『マンハッタン・デ・ラ・フロンテーラ』,+1999年の発表のアルバムのタイトルであるこの曲はジャズぽさとフラメンコぽさをうまくミックスした曲。昔、マリオがグラナダで舞踊学校をやった時、その発表会でモネータたちが踊っていたなあ、とかノスタルジー。

気持ちの良いコンサートでありました。

フラメンコを全然知らない人が聞いてもきっと楽しめる、親しみやすいコンサートでありました。

© Actidea - Rosa García



なお、今年は蚊が多いのか会場で何ヶ所か刺されたので行く人は虫除けスプレーして行ったほうがいいかもです。





0 件のコメント:

コメントを投稿