ラ・トレメンディータ『プリンシピオ・イ・オリヘン』

 前回、2020年のビエナル、ロペ・デ・ベガ劇場でのコンサートで、ロックコンサートのノリで楽しませてくれたトレメンディータ。今回はマエストランサ劇場で、五人のギタリストを招いて、と趣を変えて。どんな風になるのか楽しみだったドラムや電子楽器に彩られたフラメンコもいいけれど、昔ながらのように歌う彼女も久しぶりに観てみたかった。

最初、ラファエル・リケーニと登場して来た時はドキドキした。リケーニのギターは音が発せられた瞬間に彼の色に全てが染められていくような感じ。タランタ。お互いに手探りで進んでいくような感じ。最後頼んで、聖週間の行進曲アマルグーラを演奏してもらいハミングで合わせる。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

続くシギリージャはリカルド・モレーノの伴奏で。シギリージャぽくないシギリージャで、それはともかく、最後、足を組んで歌うのにはびっくりした。楽屋感。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

三人目のギタリストはホセ・アセド。ティエント。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

四人目はパケーテ。ロルカのロメリアの歌詞の曲。モレンテ版とはメロディは違うけど、モレンテの伴奏もしてたパケーテだよ。かほんは弟のピラーニャだし。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

五人目ダニ・デ・モロンはブレリアを伴奏。ダニもいいなあ。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

彼女と同じく、トリアーナ出身の二人のギタリスト、リケーニとアセドの伴奏で。アセド父もギタリストでリケーニの従兄弟。

でもこの夜一番良かったのはフアンフェ・ペレスのエレキベース伴奏でのアレグリアス。

最後は舞台後方にいつもの？ロック仕様の舞台が現れ、ドラム、ベースにキーボード伴奏で歌う。

©️ Archico fotográfico Bienal de flamenco / Claudia Ruiz Caro

彼女はいいアーティストだと思う。

でも、すごいギタリストが来てくれて嬉しいとか言っている割に扱いがぞんざい。

後ろの舞台で歌っている時にも前にギタリスト置き去り。ちょっと音出したりもしてるけど、彼らのギターの音を会場に聞かせるわけでもない。意味わからない。なぜそこにいなくちゃいけないの？

演出というか、舞台上の交通整理が不足している。

ギタリスト紹介してる時にギタリストに照明当たってないっていうのも、え？な案件。

いくら才能があるアーティストでも全てを自分でやるのは不可能。誰か、演出か、助言してくれる人が必要なのでは？特にこれだけ大きな舞台の場合。

あと口跡のせいか音響のせいか、特に全般、歌詞が聞き取りにくかったのも残念。うーん。