11月7日マエストランサ劇場でアンダルシア舞踊団。
プログラムには90分と書いてあったのだけど、実際には2時間10分。休憩なし。ありえん。
元々長い作品なのに、アントニオ生誕百周年ということで、アントニオのカーニャを最初に、幕前でみせる。いや、ま、これなくても長いですけど。
ロルカの最初の戯曲、『蝶の呪い』のタイトルを借りてはいるけど、その物語をなぞるわけではなく、ロルカの時代の舞踊家たち、実際に親しく交流したアルヘンティニータをはじめ、アルヘンティーナやマカローナ、マレーナ、ピラール・ロペス、カルメン・アマジャらフラメンコとスペイン舞踊はもちろん、ロイ・フラー、マーサ・グラアムらモダンダンスの黎明期を支えた、ロルカの時代を生きた女性舞踊家たちの作品をモチーフにインスパイアされた場面から成り立っていて、その発想はすごく面白いと思うのだけど、背骨がない。つまり、全体を通しての流れ、全体に一本通った筋のようなもの、物語でなくても作品としてのまとまりになるようなものがほぼないのが残念。さまざまな写真を集めたアルバムのような感じ。それも場面場面が長いので作品としてのリズムがない。説明と言えるのはプログラム(QRコードでweb上のを見る形)でのモチーフとなった作品やアーティストの名前だけ、しかもその演者が書かれていないし、で、うーん、色々わからないことだらけ。
個人的にはアルヘンティーナのパリでの死の直前の講演の内容通り語りつつ、踊ったシーンが語りの内容共々とても素敵だったのと、最後、ウルスラ・ロペス監督が踊った、マーサ・グラアムの『ディープ・ソング』(カンテ・ホンドの英訳ですね、スペイン内戦時に作られています)の振りから始まり、バタ・デ・コーラでのフラメンコへと続くシーンが、衣装もオリジナルをアレンジしていて、面白かったです。
そのほかの場面も、色々工夫されています。ロイ・フラーのサーペンタインダンスという、布を翻して踊るものから、
『蝶の呪い』の死につながっていったり、とか。若いクリエーターはあれもこれもと全てを一つの作品に盛り込んでしまいがちだけど、そこからマイナスしていく勇気が必要。これって一曲の踊りでもそうだと思う。あれもこれも、じゃなくて、この作品ではこれを伝えたい、と絞っていかないととっ散らかった結果になりかねない。ってことではないかと思います。
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