セントラル劇場、フラメンコ・ビエネ・デル・スールも今週でおしまい。
木曜夜はマイテ・マルティン。満員御礼。開演前の劇場バルの混みかたからしてすごい。それだけ固定ファンがいるってこと。
舞台中央に椅子3脚。左右にギタリスト、真ん中にマイテ。まずは無伴奏でニーニャ・デ・ラ・プエブラのカンパニジェーロスを歌い始める。
完璧な音程、声のコントロールと抒情。繊細に歌い上げる。続くハエンのモーロ娘たち、四人のラバひき、とロルカへのオマージュでスペイン民謡2曲。伴奏ギターはクラシックぽいというか、こちらも繊細。
ようやくフラメンコ曲になってティエント/タンゴ。マノロ・カラコールやローレ、レポンパなど色々なレトラを歌い継いでいく。ギターがねえ、ずっと歌の後ろで、頼りなげで、このメロディならこうくるでしょ、っていうのを全然やらない。まるで伴奏がないみたい。で、こっちはフラストレーションが溜まる。
シギリージャもこんなにリリカルなシギリージャって初めてきいた、って感じで。シギリージャは重厚で、悲劇感あって、地にグッと根を下ろしていると言うか、重さに耐える感じというか、とかのイメージとは全く違う。
ファンダンゴの伴奏は良かったし、続くミロンガ、グアヒーラのような、元々抒情的な歌としての形が決まっているものはいいんだけど、シギリージャやソレアは不満が残る。伝統的なギター伴奏で聴きたいなあ、もっと重みが欲しいなあ、って思っちゃう。わがままなんですけど。そう、単に好みの問題。
これがマイテのフラメンコで、これが大好きな人たちもいるし、これはこれでいいんだけど、私の好みとは違う。いや、昔はもっと好きだったような気がするんだけど、それもマラゲーニャとかグラナイーナとか抒情系だったようにも思うし、彼女は自分の強みを生かしてどんどん進んでいってて、それに私がついていけてないだけなんだけど。
細かい節回しや息の抜きかたとかオレの瞬間もあるんだけど、いつの間にか全体としては苦手になっちゃったのかなあ。ギタリストの問題のような気もするけど、彼女が歌いやすいんだから私がとやかく言う問題じゃないし。
友達がsnsで感動をシェアしてるんだけど、それにのれないのはちょっと寂しい。
はー。ため息つきながら家路に着いたのでした。秋なのにまだセビージャは暑い。
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