今年はアントニオ・ルイス・ソレール、アントニオ、バイラリンの生誕100周年ということで、4月に国立バレエもその初代監督であるアントニオへのオマージュ作品をセビージャで初演、今週末にはマドリードでも上演しますが、アンダルシア舞踊団もセビージャ生まれの巨匠へのオマージュ公演を6月、グラナダのフェスティバル、国際音楽舞踊祭で初演。1952年に、このフェスティバルのこの公演は野外ででしたが、ようやくセビージャのセントラル劇場で、7日から3日間の公演となりました。
彼の人生を大きく(かなり大雑把に、ですね)三つに分けて、幼くして舞台デビューしたチャバリージョス・セビジャーノス(セビージャの子供たち)時代はエスクエラ・ボレーラ、アメリカで活躍したアメリカン・ドリーム時代はクラシコ・エスパニョール、そしてフラメンコの『ドゥエンデ・イ・ホンドゥーラ』という構成。
なお、写真はグラナダ公演の時のものです。
ボレーラは現監督ウルスラ・ロペスの妹、タマラの振付。正直、技術的には国立バレエに劣るけれど、振付がオリジナルで、ボレーラの伝統的な振りだけでなく、新しい感覚のもあって楽しい。いやでもほんと、バレエのテクニックに加えてカスタネットやボレーラ独特の姿勢とか、難しいよね。健闘してました。
クラシコもやっぱ国立と比べるとうーんなのだけど、健闘。女性たちの華やかな衣装と男性のトラヘコルト。伝統的な衣装ってやっぱいいなあ。ザ・フラメンコって感じ。
ウトレーラ出身でオランダ在住のマリア・マルティンのギター(ソロンゴでは歌も歌います)がようございました。生演奏はいいね。
フラメンコのパートは、アントニオがカパに帽子で踊ったカーニャをそのまま再現。音楽もかつてのまま、という感じで、古風でよかったです。いや、古風ではあるんだけど、元々のクオリティが高いから古臭くはなってないのもすごいなあ。
続くアンダ・ハレオとソロンゴは日本でも知られているポピュラーな曲をそのままストレートにするのではなく、アンダ・ハレオはセラーナ、カラニェ帽を被ったウルスラがソロで踊るソロンゴはナナに始まり、ティエントなどと組み合わさっているのがいい。ウルスラはやはり動きが舞踊団メンバーのとは段違い。ベテランの風格。
バタ・デ・コーラの女性と男性のデュオでのアレグリアスもアントニオの時代のフラメンコに目配せしながら、での新しい振り付けだけど、よかったです。アンダルシア・フラメンコ舞踊団というだけあって、フラメンコになると生き生きしているなあ。
終わりよければすべてよし、だよね。
終演後ウルスラはベルディアーレスで終わるのはアントニオがやってたことと言ってたけど、すごくいいアイデアだと思う。単なる民謡系に終わらないパワーがある。
0 件のコメント:
コメントを投稿