2016年9月11日日曜日

「バイランド・ウナ・ビダ」

セビージャ出身の4人の踊り手、アナ・マリア・ブエノ、ホセ・ガルバン、ミラグロス・メンヒバル、マノロ・マリンによる舞台「バイランド・ウナ・ビダ」はマエストランサ劇場で。
前アンダルシア舞踊団監督、ルベン・オルモによる演出で、シンプルに、だけど照明や映像を効果的につかって、セビージャらしいフラメンコ舞踊をみせてくれた。

幕があくと電飾に飾られたよっつの額。楽屋鏡のライトのようだ。
その後ろに左からアナ・マリア、ホセ、ミラグロス、そしてマノロ。
ラテンのスタンダード「トダ・ウナ・ビダ」をフラメンコにアレンジしたものを、一人ずつマルカールしていく。アナ・マリアは女性らしく美しく。ホセはブレリア風に強い感じで。
ミラグロスはセビージャらしいオーバーアクションな感じで。マノロは小粋に。
とてもすてきなプレセンタシオン、プレゼンテーションだ。

ミゲル・オルテガが歌うトリージャをバックに、彼ら踊り手たちの写真が映写される。

アナ・マリアはカスタネットと黒いバタ・デ・コーラでシギリージャ。見事の一言。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero


ホセ・ガルバンはブレリア・ポル・ソレア。グラシアとコンパス感のよさでみせつける。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero


フアン・レイナのカンテ・ソロでのカラコールのサンブラをはさんで、パレハ、男女二人で踊るナンバーふたつ。

最初はホセとミラグロスのソロンゴ。二人で顔をぱっぱと左右に帰るそのタイミングのよさ、姿勢のよさ。美しい!

Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero

アナ・マリアとマノロはたんご。こちらはあまりからみもない。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero


ミラグロスのバタ・デ・コーラでのアレグリアス は休み休みで。オーバーアクションもセビージャぽい。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero


マノロ・マリンはソレア。レトラふたつのあとおどりはじめ、足で刻む。小柄なマノロがすっと手をのばすと、そこに空間が広がり、大きく見える。アルテの力。

Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero


最後はまた額の中から4人が今日の感想をコメントする。
ホセ「僕は楽しかった。皆も楽しんでくれたよね」
ミラグロス「4人はセビージャを踊ったわ」
マノロ「僕はもう1年くらいクラスもしていなかった。もうトリアーナに帰るよ」
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero

最後はセビジャーナス。

シンプルかつじゅうぶん。セビージャのアルテをみせてくれた。

ルベン・オルモの手腕だね。昔ながらのものも、プレゼンテーションをかえることで、現代的にもなる。
いや、昔ながら、ではあるけれど、彼らの踊りは現代的なのでもある。昔のタブラオでみせていたような短い曲ではないし、また決して古くさくはなっていない。
とくにセビージャの誇る舞踊教授、マノロとホセの踊りには現在活躍中の中堅から若手たちのルーツをみるようだった。
現代の最先端ではないかもしれないが、 いつまでも古くならない。
現代の古典といえるのかもしれない。




 



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