前アンダルシア舞踊団監督、ルベン・オルモによる演出で、シンプルに、だけど照明や映像を効果的につかって、セビージャらしいフラメンコ舞踊をみせてくれた。
幕があくと電飾に飾られたよっつの額。楽屋鏡のライトのようだ。
その後ろに左からアナ・マリア、ホセ、ミラグロス、そしてマノロ。
ラテンのスタンダード「トダ・ウナ・ビダ」をフラメンコにアレンジしたものを、一人ずつマルカールしていく。アナ・マリアは女性らしく美しく。ホセはブレリア風に強い感じで。
ミラグロスはセビージャらしいオーバーアクションな感じで。マノロは小粋に。
とてもすてきなプレセンタシオン、プレゼンテーションだ。
ミゲル・オルテガが歌うトリージャをバックに、彼ら踊り手たちの写真が映写される。
アナ・マリアはカスタネットと黒いバタ・デ・コーラでシギリージャ。見事の一言。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
ホセ・ガルバンはブレリア・ポル・ソレア。グラシアとコンパス感のよさでみせつける。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
フアン・レイナのカンテ・ソロでのカラコールのサンブラをはさんで、パレハ、男女二人で踊るナンバーふたつ。
最初はホセとミラグロスのソロンゴ。二人で顔をぱっぱと左右に帰るそのタイミングのよさ、姿勢のよさ。美しい!
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
アナ・マリアとマノロはたんご。こちらはあまりからみもない。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
ミラグロスのバタ・デ・コーラでのアレグリアス は休み休みで。オーバーアクションもセビージャぽい。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
マノロ・マリンはソレア。レトラふたつのあとおどりはじめ、足で刻む。小柄なマノロがすっと手をのばすと、そこに空間が広がり、大きく見える。アルテの力。
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
ホセ「僕は楽しかった。皆も楽しんでくれたよね」
ミラグロス「4人はセビージャを踊ったわ」
マノロ「僕はもう1年くらいクラスもしていなかった。もうトリアーナに帰るよ」
Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero |
最後はセビジャーナス。
シンプルかつじゅうぶん。セビージャのアルテをみせてくれた。
ルベン・オルモの手腕だね。昔ながらのものも、プレゼンテーションをかえることで、現代的にもなる。
いや、昔ながら、ではあるけれど、彼らの踊りは現代的なのでもある。昔のタブラオでみせていたような短い曲ではないし、また決して古くさくはなっていない。
とくにセビージャの誇る舞踊教授、マノロとホセの踊りには現在活躍中の中堅から若手たちのルーツをみるようだった。
現代の最先端ではないかもしれないが、 いつまでも古くならない。
現代の古典といえるのかもしれない。
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