2013年2月25日月曜日

ヘレス・フェスティバル2013アンダルシア舞踊団

ヘレス・フェスティバル3日目
昨年開幕を新作初演で飾ったアンダルシア舞踊団が登場。
昨年夏アルハンブラのヘネラリフェ劇場で初演し一ヶ月公演
ビエナルでも上演した
「ジャント・ポル・イグナシオ・サンチェス・メヒアス」
(イグナシオ・サンチェス・メヒアスへの嘆き)

初演、またビエナルでの公演時には
アントニオ・カナーレスが演じていたサンチェス・メヒアスの役が
舞踊団第一舞踊手のエドゥアルド・レアルが踊った。

これはロルカが
友人で、闘牛士で詩人のサンチェス・メヒアスが
1934年8月マンサナーレス闘牛場で亡くなったことを嘆き
闘牛士の親しい女友達、スペイン舞踊家ラ・アルヘンティーナにおくった、
同名の詩をもとに構成されている。

ロルカをルベン・オルモ、
サンチェス・メヒアスをエドゥアルド・レアル
その妻をパトリシア・ゲレロ
ラ・アルヘンティーナにサラ・バスケスという配役。

最初に上手から下手へと舞台を横切るルベンの
その、空中を歩くようなゆっくりとした歩き方に感嘆し
これは、と期待させられたのだが。



最初はフィエスタのシーン。
20世紀初頭のイメージの衣装に身を包んだ踊り手たちが繰り広げるフィエスタは
ブレリアではじまり
火祭りの踊りで闘牛士と踊り手の関係が示され
それに対抗するようにグラナダのタンゴを踊る妻
この妻、パトリシア・ゲレロが素晴らしい。
切れ味のいい、小気味いいタンゴをみせてくれる。
だが彼女の見せ場はここだけで
後は群舞の一人となってしまうのははなはだ残念。
パソドブレ、
そして子牛がはなたれるバキージャへ。
チャップリン映画の音楽をつかい映画のようにフラッシュでみせるのは
なぜだったのだろう。


Javier Fergo
闘牛場へと場面が代わり
カポーテをマントンのように舞わせて
ルベンが踊る。
彼のスタイルはスペイン舞踊といっても
最もクラシックバレエに近いテクニックのものだ。

Javier Fergo
闘牛のシーンでは
黒い衣装の男女の群舞で牛を表現していたのが面白い。

そこで牛にやられ医務室のシーンとなり
詩に歌われる“広がった血”は白いスカート姿の男女の群舞で現され

やはり詩の“そこにある身体”へと続く
白いミイラのような横たわる身体を前に踊るルベン。
趣味がいいとはいえない。

 ラファエル・リケーニの美しいギターの調べでの
ルベンとエドゥアルドのデュオ。

そして“そこにない魂”は全員の群舞で


詩をどう読んでどう構成していくかということなのだけど
最初のシーンで妻と愛人とを登場させながら
その後はロルカとサンチェス・メヒアスの二人だけになるのはなぜだろう。
二人の友愛にしぼるというなら最初の場面はよけいだろうし
あの場面があるならまたあとで二人も登場するべきなのでは?
牛を群舞で表現したのは面白いと思うが
そのほかの群舞はそれほど効果的ではなかったのでなかろうか。
結局、どこにしぼっていくかが中途半端な感じがある。

踊り手たちはレベルも高いが
パトリシア・ゲレロのような逸材を使いこなしていないのも残念。
エドゥアルド・レアルは悪くないが華がない。
これがカナーレスだったらと思いながら見続けた。
音楽もピアノとドラム、とくにドラムがチープな感じだったのも残念。

というわけでなんとなく消化不良な感じで劇場をあとにした。







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