セビージャ出身の演出家/劇作家サルバドール・タボラ。
昔はフラメンコの歌い手で闘牛士だったという、まるで嘘のような経歴の彼が創立した
劇団ラ・クアドラだから、その作品にはフラメンコが取り入られることが多い。
処女作「ケヒオ」から踊り手フアン・ロメーロがサパテアードをきかせ、
1987年初演の「ラス・バカンテス」にはマヌエラ・バルガスが主演した
(再演ではマリア・デル・マル・モレーノやマリア・デル・マル・ベルランガ)
が、フラメンコの代表作としてはやはり「カルメン」だ。
1996年のビエナルで初演されたこの作品では
フアナ・アマジャがカルメンを、ミステーラがドン・ホセを踊った。
その後、カルメンはラロ・テハーダ 、ドン・ホセはマルコ・バルガスが引き継ぎ、
2000年には日本でも上演されたのでご覧になった方もいることだろう。
白馬や聖週間のコロネットと太鼓の楽隊が登場する一大スペクタクルは
世界中で公演を重ねた。
その作品が初演の会場となったマエストランサ劇場に、6月24日帰ってくる。
初演では騎馬闘牛が取り入れられていたのだが
今回は牛は登場するものの血は流れない。
レコルタドールという、素手で牛にむかい、飛び越えたり、身をかわしたりする
グループが登場する。
ドン・ホセは初演でも演じたミステーラだが、
カルメン役はサルバドールの孫娘のバイラオーラ、マリア・タボラ。
愛知万博スペイン間のアンダルシア週間でセビジャーナスを踊っていたこともある
モデルばりの美貌の彼女のカルメン。
初演とはまたちがった魅力で観客を魅了することだろう。
なお7月3日にはブルゴス、29日にはウエルバ、31日にはウエルバで公演予定だ。
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