朝6時半起床。7時過ぎに家をでて8時のバスに乗り、16時過ぎ、ようやくカルタヘーナに着きました。カルタヘーナは遠い!
折から開催中のラ・ウニオンのカンテ・デ・ラス・ミーナス祭に遅まきながらやってきたというわけです。
遅まきながら、というのは、すでにフェスティバルは5日からはじまっていて私の到着は1週間遅れだから。
このフェスティバルについては以前ご紹介しましたが、歴史もあり、ビエナルやスーマ・フラメンカ、ヘレスのフェスティバルらほどではないにせよ、規模も比較的大きく、またスペイン国内のマスコミに取り上げられることも多い、たぶんスペインで最も有名なフラメンコ祭です。近隣はもちろん、このフェスティバルをめざしてスペイン各地や外国からもお客さんがやってきています。
フェスティバルが開催されるのはムルシアのラ・ウニオン。
カルタヘーナから車で15分ほどの小さな町です。
その昔、鉱山の町として栄え、カフェ・カンタンテも数件あったそうですが、鉱山の閉山とともにさびれてしまったのですが、このフェスティバルは町おこしにもなっているのでしょうね。
さて、夜。公演は22時45分から。日本的感覚からするとえ?ってなくらいに遅いですが、
21時に夕焼けなスペイン的には普通。
ちなみに普通の劇場公演だと20時から21時くらいの間にはじまることが多いですが、
これは野外公演ではないにしろ、夏のフェスティバル、ということで開演時間が遅いのでしょうね。
会場前には屋台バルがテントをはり、フラメンコ関係のCDや絵画、などのショップも店開き。
会場はカテドラ・デル・カンテ、カンテの殿堂という名前ですが、もともとは市場だったそうで、最初に私がきた20年前は音響は悪く、蒸し暑かったのですが、大工事をして今や音響もよくなり、冷房も完備しています。
さて公演。
新譜発表後のビセンテのリサイタルはわたしにとってはじめてだったので期待は高まります。
最初はソロで、ビセンテらしい美しいソレア。
これまでのCDできいてきたソレアが混在するような感じです。
CDで、曲としても演奏としても完成されたものを聴くのも楽しいですが、ライブで、その曲にほかのCDの同じ曲種のメロディやまったく新しいメロディが加わったり、同じメロディでもアクセントのつけかたが微妙に変わったりしているのを聴くのはもっと楽しいと思いません?
ライブはいきもの。同じ曲を同じように演奏しているはずでも、その公演ごとにちがってきこえてきます。アルティスタの調子の良い悪いもあるでしょう。また聴くこちらの状態も大きく影響してきます。
次はファンダンゴ・デ・ウエルバ。 その昔スペイン国立バレエ団も振りつけた「メンサヘ」。
新譜を発売したからといって新譜 からの曲ばかりにならないところがまるですね。
ここでグループが登場。
デビューから共演を続けている第2ギターのホセ・マヌエル・イエロとパーカッションのパトリシオ・カマラに加えて、ラファエル・デ・ウトレーラとミゲル・オルテガという二人のカンタオール、パーカッションのパキート・ゴンサレス、バイオリンのアレシス・レフェブレ、ベースのフアン・マヌエル・ルイスという7人のミュージシャンが、ビセンテの世界を彩ります。
ラファエル、ミゲルともに女性と同じくらいに高いキーですが、声の質がちがうのでそれぞれに魅力的にきかせてくれました。
前作「ウン・モメント・デ・ソニード」のタンゴやタラント(哀しみをたたえた私の大好きな曲)ときてようやく新譜のテーマに。
親しみやすいメロディが、ビセンテの美しい音色にのってやってくる。
それを支えるグループの演奏も息が合っていて、抜群の一体感.
会場は総立ちで今年のフェスティバルの主役をおくったのでした
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