今週末、土曜日にスペイン大使館で開催される決勝を前に、5月22日土曜日には、全日本フラメンココンクール大阪予選が行われました。
こちらは来年、開店20周年となるというタブラオ、Mi Vidaで観客を迎えての開催でした。感染防止のため、観客席からのハレオ、掛け声は禁止されていましたが、東京では審査員からのみだった拍手に、観客席からの熱い拍手が加わり、ライブ感が出たように思います。来年は、東京でも、参加者の方々の渾身のパフォーマンス、皆さんに見ていただけるようになりますように。
さて、今回、大阪ではカンテとバイレの予選が同じ日の午前と午後に開催されました。
大阪生まれの東京育ちとしても、大阪は、東京は、と大雑把にまとめるのは良くないとは思うのですが、全体的に、大阪の参加者は自分をアピールする力が東京の方たちよりも長けているように思いました。また、踊りの参加者全員がパルマを入れていたのも印象的です。
結果はすでにこちらに発表されていますが、個々の参加者の方々のパフォーマンスに対する志風個人の感想を記していきます。東京予選のもの同様、この意見、感想はあくまでも志風個人のものであって、他の審査員や主催者とは関係ありません。
カンテ部門
1。佐藤真寿美 アレグリアス 決勝進出/声が前に出ている。ボカリサシオン、口をしっかり開け動かしての発音が必要? 発音(RとL など)、リズム、音程、より完璧を目指したい。
2。松林由美 タランタ/非常に声量がある。メロディはちゃんと追えている。が、発声法ゆえなのか、ミュージカルかなにかのように聞こえてしまう。
3。浜地妙子 ファンダンゴス・デ・ウエルバ/叩きつけるような怒鳴るような。無理矢理感あり。歌詞の内容と表情表現もリンクしていない。
4。西浦知実 マラゲーニャ/メロディを追おうとしているがカクカクしている。リガール、繋げることを心がけては?またリブレの曲でもコンパスはあるので自由勝手にしていいということではない。
5。田村めぐみ ソレア 決勝進出/声は前に出ている。発音、コンパス、ともによりよくできるはず。
6。岡村佳代子 ティエントス・イ・タンゴス 決勝進出/声がよく出ている。熱唱型。熱く歌いすぎて、ティエント独特の粘りや下降感はあまり感じられない。
バイレ部門
1。幸田愛子 ソレア・ポル・ブレリア 決勝進出/かなり若い人だと思うが上手。野生的なフラメンコを志しているよう。上目遣いがちょっと気になる。いろんなスタイルのフラメンコをも学んで欲しい気もする。
2。田中幸真 ソレア/これも若い人だが彼も上手。真正面向きすぎだとか(正面に対してちょっと斜めに構えると奥行きが出て立体的に見える)、緊張しているのか表情がずっと堅いままだったりはしたものの、これからどんどんもっともっと上手になる人だと思う。将来に期待大。
3。岸田瑠璃 ソレア・ポル・ブレリア 決勝進出/攻撃的な感じ。靴音にムラがある。衣装の趣味がいい。
4。島村志野 タラント/タラントらしい装いで、タラントの世界を表現しようという意欲はある。
5。鬼頭雪穂 シギリージャ 決勝進出/黒いツーピースで、自分のシギリージャを探してる感じ。表現にいいところがある。ちょっとアグレッシブ?
6。北村亜紀子 アレグリアス/シレンシオも入れて真面目に取り組んだよう。
7。岡村怜美 アレグリアス/全体は笑顔、シレンシオではシリアスな表情と、平版にならないよう工夫している。
8。宇根由佳 ソレア・ポル・ブレリア 決勝進出/靴音がきちんと全部ちゃんと、音ムラなく聞こえる。全体的に安定している。
9。関口知世 アレグリアス/バタとマントン。非常に忙しい振り付けで、体操のように順番を必死に追っていて全体的に雑な感じで、アルテの領域までまだいってない。もう少し、シンプルな振りにして余裕を持って動けるようにするといいのかも。
10。浅倉和子 アレグリアス/ポーズの形はきれい。だが、バタにはまだ慣れていないようで、うまくさばけてないし、足も安定していない。
11。橋爪潤子 ソレア/衣装のあしらいがいい。後半、ロクーラ、狂気を思わせるような爆発。
12。大久保知穂 ソレア/一生懸命な感じだが、足もパルマもまだまだ。
13。石田久乃 アレグリアス 決勝進出/板付から始まる、赤いツーピースでのアレグリアス。表情も、体の使い方もよい。アレグリアスらしいパセオ、舞台上での歩くなどの動きもよく、こちらのオレを引き出す。
審査終了後、審査員たち(右からマイテ・プルポン、エンリケ・エレディア、志風、手前に市川恵子さん。吉川哲夫さんはお帰りになられた後でした。残念)と小松原庸子先生 |
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