12月28日、2021年度のスペイン文化省芸術金章の受章者が発表されました。
俳優ハビエル・バルデムら31人の受章者の中にフラメンコ関係者も何人か。
歌い手マイテ・マルティン、
そしてスペイン国立バレエのマリベル・ガジャルド、
©️Ballet Nacional de España |
フラメンコの写真でも知られる写真家コリータが受賞しました。
おめでとうございます
フレコというのか、糸状の幕の後ろにサラが登場し、踊り始める。
ルビオ・デ・プルーナの歌うボレロが
ダビ・デ・ハコバの歌うシギリージャと混ざり合い
やがて曲もシギリージャへ。
ビエナル2022のポスターが発表されました。
もともとはカルメン・アマジャなどの写真で知られるコリータに依頼しようとしたのだけれど引退してるということで断られ、彼女に若い写真家の候補の中から選んでもらって作戦開始。選ばれたのはアントニア・モレーノというカディス県出身の写真家。
コリータがバル・ピントでアントニオ・マイレーナを撮影した1枚をモチーフに、四人の男性歌手が四人の女性ダンサーにとって変わったという形。今やバイレ中心となった大規模フェスティバル、フラメンコの移り変わりをも意味しているわけで。
メイキングオフはこちらで見られます。
他の写真もいいのでぜひこれ、見てほしい。vimeoです。
マヌエラ・カラスコ、そして彼女にも学んだだろうマヌエラの次世代エバ・ジェルバブエナ、そしてそれに続くエバ舞踊団出身マリア・モレーノとパトリシア・ゲレーロという四人が主役。それを選んだのは写真家。
撮影場所はプマレホ広場のボデガ・カマチョというバル。昔ながらの内装が気にってのこと。
マイレーナのポスターは40年前からそこにあるものですが、右上のコリータ撮影カルメン・アマジャはこの撮影のために掲げたものだそう。
記念写真的ポスターで、ちょっとインパクトは弱いかな。
兎にも角にも来年のビエナルが無事開催されますように。
13時からはサラ・バラス新作『アルマ』記者会見はマエストランサ劇場。
この劇場で新作を初演するのは久しぶり。
フラメンコとボレロという組み合わせは何も目新しいことではなく、sp時代からフラメンコの歌い手がボレロを歌っていたりしてるし、ビセンテ・アミーゴもボレロ演奏してるよね。
マイテ・マルティンやシガーラもボレロのアルバム録音してるし。
さてさて。
グラナダ出身で、ラファエラ・カラスコなど舞踊伴唱で活躍する歌い手アントニオ・カンポスの新譜『インーフィニトゥ』発表記者会見はインスティトゥート・アンダルース・デ・フラメンコ、アンダルシア・フラメンコ機関で。
自らがギターを弾き、自分の家で録音したという4曲が録音されたEPレコードは150枚のみの限定販売。
記者会見では2曲を歌いました。
ギターもすごく良くて、彼のフラメンコ愛がダイレクトに伝わってきます。
12日、セビージャはトリアーナのサン・ハシント教会で行われた不思議な公演はリトゥルヒア・アンダルーサ、アンダルシアの典礼というタイトル。
ちょっとミサ・フラメンカのようで、実際、ミサの順番になっているそうなのだけど、ミサではなく、歌詞は基本、昔ながらの伝統的なものだし、詩人マチャードの詩をシンガーソングライターが歌って一般にも広く知られる「サエタ」が入ったり、うーん、ちょっと中途半端かなあ。
グレゴリオ聖歌風の最初のコーラスの感じからフラメンコのマラゲーニャに移っていく感じとかは悪くなかったんだけど。
◇ファルーコス・イ・フェルナンデス、ナビダ・エン・ファミリア
[出]〈b〉ファルー、ファルキート、ファルーカ、エル・カルペータ、〈c〉ソレア
12/10(金)21時
[場]アルバセーテ シルコ劇場
[料]35、40ユーロ
[問]https://culturalalbacete.es/eventos/farrucos-y-fernandez/
12/11(土)
[場]アリカンテ
[問]https://www.vbspaces.com
12/12(日)
[場]デニア コンダード・クルブ
[問]https://condadodenia.com
12/13(月)21時、20(月)21時
[場]マドリード ヌエボ・アポロ劇場
[料]37.8〜48.6ユーロ
[問]https://butacaoro.com/espectaculo/farrucos-y-fernandez-navidad-en-familia/
12/15(水)
[場]カディス ファリャ大劇場
[問]http://laciudad.cadiz.es/programacion-gran-teatro-falla.asp
12/17(金)21時
[場]セビージャ カルトゥーハセンター
[料]30〜50ユーロ
[問]https://cartujacenter.com
12/18(土)
[場]マラガ県トレモリノス アウディトリオ・プリンシペ・デ・アストゥリアス
[問]https://torremolinoscultura.es/edificiosculturales/detail/auditorio-municipal-principe-de-asturias
12/19(日)21時
[場]バダホス ロペス・デ・アジャラ劇場
[料]35〜45ユーロ
[問]https://teatrolopezdeayala.es
12/21(火)20時30分
[場]バルセロナ BARTS
[料]32〜45ユーロ
[問]https://www.barts.cat
それにしてもみんな喋るのも上手だなあ。
エスペランサ・フェルナンデスの新譜『セ・プロイベ・エル・カンテ』発表記者会見。
アルバムは2019年、スペイン各地でのペーニャでの録音を集めたもので、スタジオ録音にように何度も録り直しをしたりせずに、生のフラメンコの魅力を集めたもの。すでにSpotifyやYouTubeMusicなどで配信中でCDも来週には発売とか。
トマティート、ミゲル・ポベーダ、マリナ・エレディア、ロシオ・マルケすら、ゲストも豪華です。
記者会見でのエスペランサの2曲。
CDではロシオ・マルケスと歌っているグアヒーラと
タンゴではCDにも参加しているクーロお父さんのオレ!が聞こえます。
CDはこの他にマリナ・エレディアとのマリアーナ、アルカンヘルとのファンダンゴ、ホセ・バレンシアとのトナ、父クーロとのセラーナ、ヘスース・メンデスとのブレリア、トマティートとのタランタなど全12曲収録。
なお、CDの発売元は来日したこともあるギタリスト、アルベルト・ロペスのレコード会社です。
ペドロ・バラガンのデビューアルバム『チニータス』発表記念コンサート。
繊細で 独創的なリサイタルでありました。
最初に女優インマ・ラ・ブルハが、彼という人となりを、知り合った経緯から共演してのエピソードなどを芝居ぽく語る。その来歴ではなく、あくまでも彼女が直接見知ったことを語るのが新鮮。
プログラムは伝統系はペドロ・エル・グラナイーノとイネス・バカンだけで、それ以外は前衛、とか、モダンとか、その場にいた記者にも言われていたけど、うーん、21世紀でもまだそういうふうに見るんだ〜、と思ったことでした。
いやね、確かにコンテンポラリー系優位かもだけど、フラメンコじゃん? フラメンコをベースにそれぞれの表現を追求しているだけで、フラメンコは歴史を振り返ってみても、そうすることで進化発展してきたんじゃないのかな、とか思ってしまうのだよ。
©︎Oscar Romero |
カナダ出身のクロエはトリアーナ出身で日本でもお馴染みのマルコと組んで長年素晴らしい作品を発表してくれている。
チリ出身でアンダルシア舞踊団で活躍したフロレンシアは今年ヘレスで美しい作品見せてくれたし
©︎Javier Fergo |
そう、フラメンコってスペイン人の専売特許じゃないんだよ。それって昔からなんだけどね。フラメンコはそれを愛するみんなのもの。
昔ながらのヒターノのフラメンコ、って言ったって、昔のフラメンコとは色々変わってきているわけで。
好みは色々。で、イネスしか愛せない、人がいたってもちろんいい。でもさ、個人的にはストライクゾーン広げると楽しいことも増えるよ、って思うわけですよ。食わず嫌いはやめて、一回は見ようよ、それで嫌ならもう行かなくていいからさ。
なお今回気になるのはジンカの作品と、アナ・モラーレスの制作途中の作品、そして最終日のダニ・デ・モロンの一人っきりでのリサイタル。楽しみ。行けるかな?
©︎José Ángel Vidal |
◇ニーム・フラメンコ・フェスティバル
1/13〜
1/13(木)、14(金)20時『アル・フォンド・リエラ(ロ・オトロ・デル・ウノ)』
[出]〈b〉ロシオ・モリーナ、〈g〉エドゥアルド・トラシエラ、ジェライ・コルテス
[場]フランス ニーム ベルナデット・ラフォン・ホール
[料]11〜32ユーロ
1/15(土)18時
[出]〈b〉ジンカ・エシ・グラベス、〈g〉ラウル・カンティサノ、〈c〉ロサリオ・アマドール、〈drums〉レミ・グラベス
[場]フランス ニーム オデオン・ホール
[料]8〜16ユーロ
1/15(土)21時『グラナイーノ・ホンド』
[出]〈c〉ペドロ・エル・グラナイーノ、〈g〉アントニオ・デ・パトロシニオ・イーホ
[場]フランス ニーム ベルナデット・ラフォン・ホール
[料]9〜22ユーロ
1/16(日)16時『フニオ』
[出]〈c、g〉マリア・マリン
[場]フランス ニーム ロマニテ博物館オーディトリウム
[料]8〜16ユーロ
1/16(日)18時『モレ(ノ)モレ』
[出]〈b〉マリア・モレーノ、〈g〉オスカル・ラゴ、フアン・レケーナ、〈c〉ペペ・デ・プーラ、イスマエル・デ・ラ・ロサ、〈perc〉ロベルト・ハエン
[場]フランス ニーム ベルナデット・ラフォン・ホール
[料]9〜22ユーロ
1/18(火)20時『蝶の呪い』
[出]〈b〉アンダルシア舞踊団
[場]フランス ニーム ベルナデット・ラフォン・ホール
[料]11〜32ユーロ
1/19(水)20時『ロス・クエルポス・セレステス』
[出]〈b〉マルコ・バルガス、クロエ・ブルーレ、じんか・エシ・グラベス、ヘロ・ドミンゲス
[場]フランス ニーム ベルナデット・ラフォン・ホール
[料]9〜22ユーロ
1/20(木)18時『アンティポダス』
[出]〈b〉フロレンシア・オス、〈チェロ〉イシドラ・オリアン
[場]フランス ニーム オデオン・ホール
[料]8〜16ユーロ
1/20(木)21時『オリへネス』
[出]〈c〉イネス・バカン、〈g〉ドミンゴ・ルビチ
[場]フランス ニーム ベルナデット・ラフォン・ホール
[料]11〜32ユーロ
1/21(金)19時『エン・タジェーレス』
[出]〈b〉レオノール・レアル、〈perc〉アントニオ・モレーノ
[場]フランス ニーム オデオン・ホール
[料]9〜22ユーロ
1/21(金)21時『ビスト・エン・エル・フエベス』
[出]〈c〉ロシオ・マルケス、〈g〉カニート
[場]フランス ニーム ベルナデット・ラフォン・ホール
[料]9〜22ユーロ
1/21(金)21時『マニフィエスト』
[出]〈c〉アルバロ・ロメーロ、〈電子音楽〉トニ・マルティン
[場]フランス ニーム オデオン・ホール
[料]9〜22ユーロ
1/22(土)18時
[出]〈b〉アナ・モラーレス、エル・チョロ、〈音楽〉ミゲル・マリン
[場]フランス ニーム オデオン・ホール
[料]8〜16ユーロ
21時『カルタ・ブランカ』
[出]〈g〉ダニ・デ・モロン
[場]フランス ニーム ベルナデット・ラフォン・ホール
[料]11〜32ユーロ
[問]theatredenimes.com