昨年のビエナルのギター部門でヒラルディージョ賞を受賞したアルフレド・ラゴス。
ソロ公演はなかったけれど、歌伴奏、舞踊伴奏で活躍し見事受賞となってのリサイタルはロペ・デ・ベガ劇場。月曜18時からということもあって、観客が数えるほどなどは悲しいけど、これが本当に素晴らしかったのでありました。
マラゲーニャからグラナイーナ、タランタへとつながる最初の曲から、最後のブレリアまで全8曲。歌も踊りもパルマすらもない、全くのソロ。
こういうギター公演は少なくて、昔ビエナルでヘラルドがセントラルでやったよね、あ、こないだのディエゴ・デル・モラオもそうか。CDだとホセ・ルイス・モントンのもそうだよね。
最初は下手側の椅子に座り、マラゲーニャ、ソレア、シギリージャ、上手側の椅子に移り、カンティーニャ風、カーニャとポロとロンデーニャのミックス、ガロティンやタンギージョの要素も入れたサパテアード。最後は舞台中央の椅子に座り、グアヒーラとブレリア。
いろんな曲種が混ざるのはイスラエルの『エダ・デ・オロ』
マノロ・サンルーカル、パコ・デ・ルシア、ヘラルド・ヌーニェス、ビセンテ・アミーゴ…所々にいろんなギタリストたちの影が見える。でも彼らのフレーズをコピーするのではなく、彼らの文脈の作り方にならうという感じでしょうか。そしてもっと古い伝統的なフラメンコのトーケがベースにあり、そこに現代フラメンコギターの要素や、ジャズやロックなどの要素も少々加わって、できているのがアルフレドの世界、という気がします。
音の一つ一つが生きていて、語りかけてきます。駆け抜けるようなフレーズでも、ないがしろにしている音が全くないのです。クリアかつ深い音。色とりどりで、聴き入ってしまいます。
Bienal-Claudia Ruiz |
そしてコンパスの回し方!音が出ていない時もずうっと回っている、あの感じ。聴いていて気持ちがいい演奏。
おっとりしたといってもいいくらい、落ち着いた、温厚な性格もあるのだろうな、派手ではないけど確実。ほんと改めてその魅力再発見でありました。
日本にもよく行ってたし、彼に弾いてもらった人も多いのだろうけど、身近すぎて見えてない魅力ってあるかもしれない。
やっぱギターだけの公演、いいなあ。いろんな楽器と一緒にするのが普通になっているから、それをするのには実力だけでなく、度胸もいるのだろうけど、聴いている方はひたすら楽しい。もう一度観たい、聴きたい公演であります。
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